『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』の記事の最後のところで、
3Dに関してちょっとブー、ブー書きましたが、
今回はその理由をご説明したいと思います。
新宿ピカデリーで行われたマスコミ完成披露試写会で見させてもらったんだけど、
3D映像のあまりの酷さに絶望的な気分になった。
まず3Dメガネがゴツくて、重いんだが、
今まで何度か3D映画を見ているのでこれは覚悟はしていた。
では何がそんなに酷かったのかというと、3Dメガネ越しに見る映像の暗さ。
以前も3D映画でちょっと暗いと感じたことがあったけど、
今回はちょっと暗いというレベルではなかった。
夜のシーンとか、更に暗くなるので、目を凝らす感じで見てしまう。
暗いシーンが多かったというのもダブルパンチだ。
当然の如く、疲れる。
本来、リラックスしながら見るべき映画で、
なんでこんなにストレスを感じなければならないのだ。
中盤以降は、メガネをかけたり外したりしながら鑑賞。
終盤に至っては完全に外して見ていました。
画面や字幕が二重に見えた方が、まだ3Dメガネをかけて見るよりマシという状態。
メガネを外して見ると、やはり明るい。
これが見慣れた映像の色彩だし、製作陣が届けたかった色合いだと強く思った。
フィルムであろうとデジタルであろうと、
映画において映像の質感や美しさってとても大切だと思う。
臨場感や奥行を得るために、そこを捨てちゃっていいのって?
そんな疑問や不快感と疲労で、映画を楽しむどころではなかった。
『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』の前日に、
丸の内ルーブルで『マイティ・ソー』の3D版を見たんだが、
新宿ピカデリーで渡されたメガネとは異なり、小さくて軽かった。
映像もそんなに暗いとは感じなかった。
3D映画には、いくつか異なるシステムがあることは知っていたが、
そもそも3D映画があまり好きではないんで、
その違いとかをちゃんと調べたことはなかった。
しかし、これを機会に調べてみた。
新宿ピカデリーは、XpanDというシステムを導入していて、
この方式だとメガネが重い、画面が暗くなるという特徴があるという。
低コストで導入できることから、アジアで急速に広まっているとのこと。
新宿ピカデリー以外では、
TOHOシネマズ日劇、丸の内ピカデリー、MOVIX、品川プリンスシネマ、
109シネマズ(一部)、ユナイテッドシネマ(一部)などの劇場がXpanDを導入している。
よくよく思い返してみると、
酷い3D映画だと思った『タイタンの戦い』、『グリーン・ホーネット』は、
丸の内ピカデリーで見た。
一方、『マイティ・ソー』を鑑賞した丸の内ルーブルは、masterimageを採用している。
メガネが軽くて、特に画面が暗くなるという特徴はない。
これまたよくよく思い返してみると、
丸の内ルーブルで見た『バイオハザードIV アフターライフ』は、なんともなかった。
記事を読み返すと、3Dを「結構楽しめた」とも書いている。
これだけ3Dのシステムによって、見え方が異なるってことか?
3Dは他にRealD(ワーナーマイカルシネマズが導入)、
Dolby3D(ティ・ジョイが導入)などいくつか種類がある。
その違いと特徴が記載されているサイトがあったので、リンクを貼っておきます。
3D映画の鑑賞の際に、参考にしてみて下さい。
(但し、masterimageに関しては、新しい方式のため記述はありませんでした)
「映画感想駄文:にわか映画ファンの駄目な日常」
「『アバター』3D全方式完全制覇レビュー」
今年は、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』、『カーズ2』、
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』といった人気シリーズが、
「パイレーツ・オブ・カリビアン」に引き続き、3Dで上映される。
さらに人情時代劇にも関わらず3Dという三池崇史監督作『一命』もあるし、
ついに御大スティーヴン・スピルバーグ監督も『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』で、
3D映画界に殴り込みをかけてくる。
この他にもまだまだあるし、
今後もますますは増えていくのでしょう。
そう考えると憂鬱だなぁ・・・。
そんなに3Dって重要ですかね?
良いものですかね?
映画館的には3D料金が取れる分、
儲かるから良いのかもしれないけど、個人的にはなくてもいいや。
鑑賞の妨げになることが、やはり多すぎる。
『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』だって2Dで見たら、
全然印象が変わっていたと思う。
今回、ロブ・マーシャルに監督がバトンタッチされ、
より情緒豊かな作品になっているという評判なんだけど、
そんなことを感じられるような視聴環境じゃなかった。
ハリウッド超大作で育って着たようなものなので、
今でも好きだし、たとえ見る前からポンコツ映画だと判っていも、
見たいと思ってしまう。
特にハリウッド映画は、3Dをどんどん導入していくと思うんだよネェ・・・。
今までは、スクリーンの大きさ、シートの快適さ、音響とかを重視して、
映画館を選んできたけど、今後はどの3Dの方式を採用しているのかが、
劇場選びで重要になってきそうだ。
そうはいっても、XpanDを導入している劇場がブッチギリで多いし、
マスコミ試写会で鑑賞する場合、劇場は選べない。
「ハリー・ポッター」シリーズでここまで待ち遠しいと思ったことがなかった
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』とか、
暗い場面多そうだし、3Dだと相当しんどそうだなぁ・・・。
(メイン館、丸の内ピカデリーだし・・・)
はぁ・・・。
他のサイトでも、XpanDの評判はあまり芳しくなかった。
劇場側は設備投資が必要になってくるので、
簡単に違う方式に切り替えることは出来ないとは思うけど、
お客さんである観客の立場になって、
より快適な映画館の環境・設備をお願いしたいです。