2011年05月23日更新

裏#86 「3D映画」

『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』の記事の最後のところで、
3Dに関してちょっとブー、ブー書きましたが、
今回はその理由をご説明したいと思います。


新宿ピカデリーで行われたマスコミ完成披露試写会で見させてもらったんだけど、
3D映像のあまりの酷さに絶望的な気分になった。


まず3Dメガネがゴツくて、重いんだが、
今まで何度か3D映画を見ているのでこれは覚悟はしていた。


では何がそんなに酷かったのかというと、3Dメガネ越しに見る映像の暗さ。


以前も3D映画でちょっと暗いと感じたことがあったけど、
今回はちょっと暗いというレベルではなかった。


夜のシーンとか、更に暗くなるので、目を凝らす感じで見てしまう。
暗いシーンが多かったというのもダブルパンチだ。


当然の如く、疲れる。


本来、リラックスしながら見るべき映画で、
なんでこんなにストレスを感じなければならないのだ。


中盤以降は、メガネをかけたり外したりしながら鑑賞。
終盤に至っては完全に外して見ていました。


画面や字幕が二重に見えた方が、まだ3Dメガネをかけて見るよりマシという状態。


メガネを外して見ると、やはり明るい。
これが見慣れた映像の色彩だし、製作陣が届けたかった色合いだと強く思った。


フィルムであろうとデジタルであろうと、
映画において映像の質感や美しさってとても大切だと思う。


臨場感や奥行を得るために、そこを捨てちゃっていいのって?


そんな疑問や不快感と疲労で、映画を楽しむどころではなかった。


『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』の前日に、
丸の内ルーブルで『マイティ・ソー』の3D版を見たんだが、
新宿ピカデリーで渡されたメガネとは異なり、小さくて軽かった。


映像もそんなに暗いとは感じなかった。


3D映画には、いくつか異なるシステムがあることは知っていたが、
そもそも3D映画があまり好きではないんで、
その違いとかをちゃんと調べたことはなかった。


しかし、これを機会に調べてみた。


新宿ピカデリーは、XpanDというシステムを導入していて、
この方式だとメガネが重い、画面が暗くなるという特徴があるという。


xpand.jpg


低コストで導入できることから、アジアで急速に広まっているとのこと。


新宿ピカデリー以外では、
TOHOシネマズ日劇、丸の内ピカデリー、MOVIX、品川プリンスシネマ、
109シネマズ(一部)、ユナイテッドシネマ(一部)などの劇場がXpanDを導入している。


よくよく思い返してみると、
酷い3D映画だと思った『タイタンの戦い』『グリーン・ホーネット』は、
丸の内ピカデリーで見た。


一方、『マイティ・ソー』を鑑賞した丸の内ルーブルは、masterimageを採用している。
メガネが軽くて、特に画面が暗くなるという特徴はない。


masterimages.jpg


これまたよくよく思い返してみると、
丸の内ルーブルで見た『バイオハザードIV アフターライフ』は、なんともなかった。
記事を読み返すと、3Dを「結構楽しめた」とも書いている。


これだけ3Dのシステムによって、見え方が異なるってことか?


3Dは他にRealD(ワーナーマイカルシネマズが導入)、
Dolby3D(ティ・ジョイが導入)などいくつか種類がある。


その違いと特徴が記載されているサイトがあったので、リンクを貼っておきます。
3D映画の鑑賞の際に、参考にしてみて下さい。
(但し、masterimageに関しては、新しい方式のため記述はありませんでした)


「映画感想駄文:にわか映画ファンの駄目な日常」
「『アバター』3D全方式完全制覇レビュー」


今年は、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』、『カーズ2』、
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』といった人気シリーズが、
「パイレーツ・オブ・カリビアン」に引き続き、3Dで上映される。


さらに人情時代劇にも関わらず3Dという三池崇史監督作『一命』もあるし、
ついに御大スティーヴン・スピルバーグ監督も『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』で、
3D映画界に殴り込みをかけてくる。


この他にもまだまだあるし、
今後もますますは増えていくのでしょう。


そう考えると憂鬱だなぁ・・・。


そんなに3Dって重要ですかね?
良いものですかね?


映画館的には3D料金が取れる分、
儲かるから良いのかもしれないけど、個人的にはなくてもいいや。
鑑賞の妨げになることが、やはり多すぎる。


『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』だって2Dで見たら、
全然印象が変わっていたと思う。


今回、ロブ・マーシャルに監督がバトンタッチされ、
より情緒豊かな作品になっているという評判なんだけど、
そんなことを感じられるような視聴環境じゃなかった。


ハリウッド超大作で育って着たようなものなので、
今でも好きだし、たとえ見る前からポンコツ映画だと判っていも、
見たいと思ってしまう。


特にハリウッド映画は、3Dをどんどん導入していくと思うんだよネェ・・・。


今までは、スクリーンの大きさ、シートの快適さ、音響とかを重視して、
映画館を選んできたけど、今後はどの3Dの方式を採用しているのかが、
劇場選びで重要になってきそうだ。


そうはいっても、XpanDを導入している劇場がブッチギリで多いし、
マスコミ試写会で鑑賞する場合、劇場は選べない。


「ハリー・ポッター」シリーズでここまで待ち遠しいと思ったことがなかった
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』とか、
暗い場面多そうだし、3Dだと相当しんどそうだなぁ・・・。
(メイン館、丸の内ピカデリーだし・・・)


はぁ・・・。


他のサイトでも、XpanDの評判はあまり芳しくなかった。


劇場側は設備投資が必要になってくるので、
簡単に違う方式に切り替えることは出来ないとは思うけど、
お客さんである観客の立場になって、
より快適な映画館の環境・設備をお願いしたいです。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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