2011年06月13日更新

#584 『スカイライン −征服−』


スカイライン

『スカイライン −征服−』


6/18よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて
配給会社:松竹
(C)2010 Black Monday Film Services, LLC. All rights reserved.




宇宙人侵略系のSFサスペンスアクション映画。


ロサンゼルスの街に落下する青い火の玉。
上空を舞う巨大UFOに吸い上げられる人々。
UFO対戦闘機。
謎の巨大生物。





予告編にインサートされている映像から、
スケールの大きいスペクタクル超大作だと思っていたんだが、
本編を見ると、高層ビルに孤立した人たちが、脱出を試みるという意外と小さい話だった。


しかしながら、決してつまらないわけではない。


高層ビルの外では、UFOや謎の物体が暴れまくり、
ロスの街を破壊し、人々を捕獲していく。


UFOに吸い上げられえる人たちのドラマが描かれることはなく、
ビルの中に閉じ込められた6人も、窓から眺めるだけの傍観者でしかない。


スカイライン 征服


一方で、ビルに閉じ込められた6人は、
理解不能な状況下でパニックに陥り、
脱出する派、留まる派に分れ、意見の食い違いから仲違い。


これは密室劇によくあるパターンだけど、人間的だ。


人間味を感じさせる内と、人を感じさせない不気味な外を対比させることによって、
孤立感と得体の知れない恐怖感をより抱かせる。


手法としては『ミスト』に近いと思いながら見ていたんだけど、
「じゃあ、脱出しよう!」ってことになってからは、
ベクトルが少し違った方向へと向かっていく。


捕獲されたらどうしようという恐怖は継続するものの、
不気味さがなくなり、どちらかといえばアクションのつるべ打ちを楽しむ感じ。


戦闘機とUFO軍団が空中戦を繰り広げる下りとかは、
人間ドラマ部分を抜いた『インデペンデンス・デイ』みたい。


スカイライン 征服


そして、強力な武器も持たない主人公たちが、
どうやって強靭な力を持つ侵略者に勝つことが出来るのか?
という興味に行き着くんだが・・・。


そのオチは・・・。


“そうくるかい!!”って思ったんだけど、
去年公開された某SF映画にちょっと似ているかも・・・。


『ミスト』+『インデペンデンス・デイ』+『○○○○』
そんな映画ですね。


スカイライン 征服


VFXをふんだんに使い、
しかも決してチープではない。


製作費を調べたら1000万ドルだって。(※「Box Office Mojo」より)
VFXをこれだけ駆使した作品で、この金額はかなり安い。


低予算といわれた『第9地区』の製作費は3000万ドルだ。
『スカイライン −征服−』は、その3分の1の超低予算映画ということになる。


で、『スカイライン −征服−』は、アメリカで2010年11月に公開され、
初登場4位で、約1400万ドル稼ぎ1週間で製作費を回収。


その後、興行的には大失速していくんだけど、
最終的には、国内だけで製作費の倍以上の約2100万ドルを、
全世界では6.7倍も稼ぎ出している。


ハイリスク、ハイリターンを避けた、
安心・安全のプロジェクトであり、
VFXの技術の向上と、ローコスト化を感じさせてくれる作品でした。


まぁ、やっぱりB級臭がプンプン漂うんだけどね・・・。


15年前に作られていたら、大規模公開で大ヒットだったんだろうなぁ〜。

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コメント (1)

sf:

参考になりました プロモーションの映像が凄いので、必ず観に行きます
併せてまだ観ていない「第九地区」もDVDで観てみます
いつもすてきな解説をありがとうございます

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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