6/18よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて 配給会社:松竹 (C)2010 Black Monday Film Services, LLC. All rights reserved. |
宇宙人侵略系のSFサスペンスアクション映画。
ロサンゼルスの街に落下する青い火の玉。
上空を舞う巨大UFOに吸い上げられる人々。
UFO対戦闘機。
謎の巨大生物。
予告編にインサートされている映像から、
スケールの大きいスペクタクル超大作だと思っていたんだが、
本編を見ると、高層ビルに孤立した人たちが、脱出を試みるという意外と小さい話だった。
しかしながら、決してつまらないわけではない。
高層ビルの外では、UFOや謎の物体が暴れまくり、
ロスの街を破壊し、人々を捕獲していく。
UFOに吸い上げられえる人たちのドラマが描かれることはなく、
ビルの中に閉じ込められた6人も、窓から眺めるだけの傍観者でしかない。
一方で、ビルに閉じ込められた6人は、
理解不能な状況下でパニックに陥り、
脱出する派、留まる派に分れ、意見の食い違いから仲違い。
これは密室劇によくあるパターンだけど、人間的だ。
人間味を感じさせる内と、人を感じさせない不気味な外を対比させることによって、
孤立感と得体の知れない恐怖感をより抱かせる。
手法としては『ミスト』に近いと思いながら見ていたんだけど、
「じゃあ、脱出しよう!」ってことになってからは、
ベクトルが少し違った方向へと向かっていく。
捕獲されたらどうしようという恐怖は継続するものの、
不気味さがなくなり、どちらかといえばアクションのつるべ打ちを楽しむ感じ。
戦闘機とUFO軍団が空中戦を繰り広げる下りとかは、
人間ドラマ部分を抜いた『インデペンデンス・デイ』みたい。
そして、強力な武器も持たない主人公たちが、
どうやって強靭な力を持つ侵略者に勝つことが出来るのか?
という興味に行き着くんだが・・・。
そのオチは・・・。
“そうくるかい!!”って思ったんだけど、
去年公開された某SF映画にちょっと似ているかも・・・。
『ミスト』+『インデペンデンス・デイ』+『○○○○』。
そんな映画ですね。
VFXをふんだんに使い、
しかも決してチープではない。
製作費を調べたら1000万ドルだって。(※「Box Office Mojo」より)
VFXをこれだけ駆使した作品で、この金額はかなり安い。
低予算といわれた『第9地区』の製作費は3000万ドルだ。
『スカイライン −征服−』は、その3分の1の超低予算映画ということになる。
で、『スカイライン −征服−』は、アメリカで2010年11月に公開され、
初登場4位で、約1400万ドル稼ぎ1週間で製作費を回収。
その後、興行的には大失速していくんだけど、
最終的には、国内だけで製作費の倍以上の約2100万ドルを、
全世界では6.7倍も稼ぎ出している。
ハイリスク、ハイリターンを避けた、
安心・安全のプロジェクトであり、
VFXの技術の向上と、ローコスト化を感じさせてくれる作品でした。
まぁ、やっぱりB級臭がプンプン漂うんだけどね・・・。
15年前に作られていたら、大規模公開で大ヒットだったんだろうなぁ〜。
コメント (1)
参考になりました プロモーションの映像が凄いので、必ず観に行きます
併せてまだ観ていない「第九地区」もDVDで観てみます
いつもすてきな解説をありがとうございます
投稿者: sf | 2011年06月13日 12:45