ゲキ×シネ『薔薇とサムライ Goemon Rock Over Drive』 6/25より新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて 配給会社:ヴィレッヂ、ティ・ジョイ (C)2011 ヴィレッヂ・劇団☆新感線 |
劇団☆新感線が贈る《ゲキ×シネ》最新作。
『五右衛門ロック』、『蜉蝣峠』、『蛮幽鬼』と《ゲキ×シネ》を見てきたが、
今回は鑑賞に対する姿勢が、今までとは異なる。
何故ならば、舞台の「薔薇とサムライ〜GoemonRock OverDrive」を見ているからだ。
舞台の「薔薇とサムライ〜GoemonRock OverDrive」は、
見た時に記事に書いたように、生ならではの迫力と興奮と感動があった。
果たして、それと同じ体験が《ゲキ×シネ》で出来るか否か?
って、ところが最大のポイント。
今までの《ゲキ×シネ》でもかなり興奮出来たから問題ないとは思っていたが、
やはりキッチリと決めてくれた。
感動再び!でした。
物語は、17世紀のイベリア半島の一小国コルドニア王国の女海賊アンヌ・ザ・トルネードが、
城の兵士に捕らえられるところから始まる。
アンヌの左眼には先代の王の娘である証があり、
王国の新しい女王に君臨することに。
アンヌの用心棒をしていた石川五右衛門は、この話を不審に思い、
真相を探るべく城へと潜入する。
そして、ゴエモンは、王家が企てた恐るべき陰謀の数々を知る・・・。
毎度のことだが、3時間の上映時間は瞬く間に過ぎていた。
物語の結末を知っているのにも関わらずだ。
まぁ、正直言うとそもそも物語がかなり凝っているので、
途中の経緯とか忘れていたというのもあるんだけどね。
何にしても二転三転する物語の筋は大きな見所だ。
その物語の語り部となる役者さんたちもやはり凄い。
数々のゴージャスな衣装を身にまとった天海祐希。
いつものノリが楽しい橋本じゅん、高田聖子、粟根まことら劇団員。
母親よりも歌や芝居が上手いんじゃないかと思わせる神田沙也加。
そして、存在感抜群の古田新太。
スクリーンの中で繰り広げられるキャストたちの歌や踊り、立ち回りが、
見る者を圧倒する。
舞台とは違う迫力があった。
彼らの映画やドラマとは明らかに違う芝居を見るのも楽しい。
あとは生バンドによるメタリックな楽曲の数々は、
メタル好きとしては血沸き肉踊る。
メタル以外の曲も良いが、
やはり『五右衛門ロック』のテーマソングは聴くだけでウキウキしてしまう。
そして、『五右衛門ロック』同様、
クライマックスの大見栄での高揚感は、
舞台のまんまで、たまらんでした。
あと、舞台ではわからないような細かい演出がわかるという、
《ゲキ×シネ》のウリは、大いに頷けた。
ある場面で舞台袖から、手がひょいっと出て来てある人物を袖へと引き込む。
これはその後の演出の布石になっているんだけど、
舞台の鑑賞時には全く気が付かなかった。
役者さんたちの表情が見られるのもやはり嬉しい。
舞台だと1階席の前の方で見ないと、
ここまでの表情はわからないんじゃないかな。
ということで、舞台の「薔薇とサムライ〜GoemonRock OverDrive」を見た際に、
《ゲキ×シネ》化を大いに期待したわけですが、
それが実現して、実際に見てみて、
《ゲキ×シネ》が舞台の雰囲気を損なわずに映像化しているってことが、良くわかりました。
今回の『薔薇とサムライ Goemon Rock Over Drive』は、
《ゲキ×シネ》史上最大規模の公開となる。
それだけ《ゲキ×シネ》が認知され、ファンを獲得したということなのでしょう。
今後も《ゲキ×シネ》が続くのであれば、微力ながらも応援していきたいと思う。