7/2より角川シネマ有楽町ほか全国にて 配給会社:角川映画 (C)2010 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED. |
久しぶりに映画を見てしびれました。
アメリカ人の暗殺者ジャック。
彼は優秀な暗殺者だが、長年の仕事の疲れが蓄積して疲弊している。
いつ来るかもわからない敵の襲撃を警戒し、夜も神経を尖らせ、安眠出来ない。
暗殺者という仕事柄、孤独とも戦わなくてはならない。
誰とも仲良くなってはいけない。
そして、誰も愛してはいけない。
特定の友達も恋人も作ってはいけないのだ。
しかし、イタリアの田舎町に潜伏したジャックは、
金で買った娼婦クララに次第に惹かれていく。
そんな折、ジャックは潜伏期間中に狙撃用ライフルの制作を依頼され、
これを最後の仕事にし、クララと共に新しい人生を歩もうとするが・・・。
仕事を手際よくこなすジャックの怯え、孤独、悲しみを、
淡々と描いているが、そこにはちゃんと感情、緊張感がある。
静寂の中で見せる様々な感情表現が刺激的だし、
“動”に動く瞬間のメリハリも効いている。
なによりもジャックを演じたジョージ・クルーニーが良い。
暗殺者の哀愁を少ないセリフと表情で見事に体現している。
ジョージ兄貴、やっぱりかっこいいッス!
娼婦クララと一緒に行ったレストランでの眼差しとか、ちょ〜切ないっす。
この娼婦クララとの関係がまた良い。
最初は寂しさを紛わすためだけに、金で買うんだけど、
クララの明るさに次第に好意を抱き始める。
クララもクララで、表情には出さないが、娼婦ゆえの哀しみを背負っている。
脱いだ!クララが脱いだ!
孤独な者同士が互いを求め合う。
必然性があるから、説得力があるんだよね。
刹那的な感情なのかもしれないけど、そこに希望を持つことが出来る。
だからこそ、2人に感情移入し、応援したくなる。
最高のラブ・ストーリーだ。
ジョージ以外、あまり有名な役者さんをキャスティングしていないのも、
世界観にマッチしているように思う。
例えば、クララ役がモニカ・ベルッチとか知名度抜群の女優だと、
ちょっと違った印象の映画になってしまうような気がする。
ついでに、脱いだ!ジョージも脱いだ!
シンプルな物語だし、登場人物も少ないから、
おおよその展開はわかるし、オチも読める。
テーマ的にも新しいとは言えない。
それでも、非情な世界に身を置いた男の悲しき生きざまを
カタルシスたっぷりに描いていて泣けました。
○○が舞うラストシーン、最高です。
昔はこういう“男泣き”の映画がたくさんあったんだけどなぁ・・・。
今年のベスト5入りほぼ確実。