2011年07月01日更新

#595 『ラスト・ターゲット』


ラスト・ターゲット

『ラスト・ターゲット』

7/2より角川シネマ有楽町ほか全国にて
配給会社:角川映画
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久しぶりに映画を見てしびれました。


アメリカ人の暗殺者ジャック。
彼は優秀な暗殺者だが、長年の仕事の疲れが蓄積して疲弊している。


いつ来るかもわからない敵の襲撃を警戒し、夜も神経を尖らせ、安眠出来ない。


暗殺者という仕事柄、孤独とも戦わなくてはならない。


誰とも仲良くなってはいけない。
そして、誰も愛してはいけない。


特定の友達も恋人も作ってはいけないのだ。


しかし、イタリアの田舎町に潜伏したジャックは、
金で買った娼婦クララに次第に惹かれていく。


そんな折、ジャックは潜伏期間中に狙撃用ライフルの制作を依頼され、
これを最後の仕事にし、クララと共に新しい人生を歩もうとするが・・・。


仕事を手際よくこなすジャックの怯え、孤独、悲しみを、
淡々と描いているが、そこにはちゃんと感情、緊張感がある。


静寂の中で見せる様々な感情表現が刺激的だし、
“動”に動く瞬間のメリハリも効いている。


なによりもジャックを演じたジョージ・クルーニーが良い。
暗殺者の哀愁を少ないセリフと表情で見事に体現している。


ラスト・ターゲット


ジョージ兄貴、やっぱりかっこいいッス!


娼婦クララと一緒に行ったレストランでの眼差しとか、ちょ〜切ないっす。


この娼婦クララとの関係がまた良い。


最初は寂しさを紛わすためだけに、金で買うんだけど、
クララの明るさに次第に好意を抱き始める。


クララもクララで、表情には出さないが、娼婦ゆえの哀しみを背負っている。


ラスト・ターゲット
脱いだ!クララが脱いだ!


孤独な者同士が互いを求め合う。
必然性があるから、説得力があるんだよね。


刹那的な感情なのかもしれないけど、そこに希望を持つことが出来る。
だからこそ、2人に感情移入し、応援したくなる。


最高のラブ・ストーリーだ。


ジョージ以外、あまり有名な役者さんをキャスティングしていないのも、
世界観にマッチしているように思う。


例えば、クララ役がモニカ・ベルッチとか知名度抜群の女優だと、
ちょっと違った印象の映画になってしまうような気がする。


ラスト・ターゲット
ついでに、脱いだ!ジョージも脱いだ!


シンプルな物語だし、登場人物も少ないから、
おおよその展開はわかるし、オチも読める。


テーマ的にも新しいとは言えない。


それでも、非情な世界に身を置いた男の悲しき生きざまを
カタルシスたっぷりに描いていて泣けました。


○○が舞うラストシーン、最高です。


昔はこういう“男泣き”の映画がたくさんあったんだけどなぁ・・・。


今年のベスト5入りほぼ確実。


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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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