『カーズ2』の記事で、3Dに関して、
「今回、Xpand方式で見たのですが、これについてはちょっと長くなるので、
別途書きたいと思います。」
と書きつつ、何も書いていなかったので、そろそろ書こうと思います。
今まで、3D映画、特に2Dから3Dにコンバートした3D映画に対して、
「嫌い」というスタンスを取ってきました。
(裏#86 「3D映画」参照)
なぜなら、画面が暗くなる、ぼやける、そして、疲れるから。
(3D3悪影響)
もう3Dというだけで、自分の中で映画の評価が下がってしまうんだが、
中でもXpand方式は、最悪。
『カーズ2』を見た劇場は新宿バルト9。
新宿バルト9は、Xpandを採用している。
よって、3D3悪影響は覚悟していたんだが、
上映前にあることに気が付いたのです。
本編上映開始のちょっと前に座席に着くと、
幕間に3Dメガネの確認映像が上映されていた。
「どれどれ、どんなもんよ」と、試しに3Dメガネをかけて確認映像を見てみると、
やはりぼやける。
でも、“確認映像がこれほどぼやけるか?”という疑問がもたげた。
そして・・・あることを思い出した。
オイラがガチャ目であるということを・・・
ガチャ目とは、つまり右目と左目の視力が異なること。
3D映画はなぜ、立体的に見えるのか?
『ナットのスペース・アドベンチャー』という3D映画でインタビューした
ベン・スタッセン監督の説明がわかりやすいので、記載してみます。
■ベン・スタッセン監督
人間の視覚は3Dです。
これはステレオ・オプシスという現象で、脳が3Dに見えるように情報を処理しています。
例えば、右目の前に指をかざしてみます。
右目で見ると目の前に指があるように見えますが、
左目で見ると極めて右側に指があります。
指をどんどん遠ざけていくと、左右の目が見ている視覚的情報が同じになり、
脳が遠近感を調整します。
3D映画はこのステレオ・オプシスを利用し、立体的に見せているのです。
3D映画では、2台のカメラが人間の左右の目の役割を果たしています。
右目用、左目用として撮影したそれぞれ違った映像をスクリーンに映し出すのですが、
そのまま見ると二重に見えるので、メガネの登場となります。
左右の偏向方向が違うメガネをかけることによって、
右目は右目だけ、左目は左目だけの映像が見えるようになります。
その視覚情報が脳に伝達され、異なる2つの映像を立体的に見せているのです。
(以上)
伊藤Pの視力は、右が0.7、左が1.0ぐらいだから、
裸眼でも日常生活に支障をきたすことはそれほどない。
映画を見るときも裸眼で、
字幕が読めないといった経験をしたことは一度もないない。
でも3D映画は、左右の目がそれぞれの情報を脳に伝達しているわけなので、
左右の目の視力が違うと当然のごとくぼやけて見えるのではないか?
そこで普段は滅多に掛けることのないメガネを取り出し(一応、持ち歩いている)、
メガネを掛けたうえに、3Dメガネを掛けて、3D確認映像を見てみた。
ぼ、ぼやけない・・・。
後日、メガネを掛けて、
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』の3Dを見ましたが、
やはりぼやけませんでした。
(因みに、MasterImage)
ということで、大変失礼いたしました。
ぼやけて見えたのは、わたくしの視力のせいでございました。
謹んでお詫び申し上げます。
でも、画面が暗い、疲れるという欠点は相変わらずなので、
3D映画に対するスタンスは、今までと変わることはない。
2Dと3D、どちらにするか選択の余地があるならば、
絶対に2Dを選ぶ。
コメント (1)
私は立体協会員の伊藤Tと申します。
3Dに関するブログを読みまして、画面が暗い疲れるは全く同感です。
現在の立体視は両眼視差によるものが全てですが、私の発明したものは逆に両眼視差要因をできるだけ、軽減し単眼立体視要因のみの画像を両眼で立体視するというものです。
一定期間見続けることにより、裸眼で立体視できるようになります。そのためオリジナルの色彩で見ることができます。
参考
開放特許データベース
http://plidb.inpit.go.jp/PDDB/Service/PDDBService
L2009006714で検索
まだ商品化してないので宣伝ではありませんが、こんなものもあると知っていただきたいと思いました。
機会があれば見ていただきたいと思います。
投稿者: 伊藤T | 2011年08月22日 17:45