7/30より全国にて公開中 配給会社:ポニーキャニオン (C)2009 GK Films, LLC. All Rights Reserved. |
初日が7月30日なので、もう公開されてから大分経っているが、
まだ公開しているので紹介します。
最愛の娘を目の前で射殺されたベテラン刑事クレイブン。
娘が勤めていたノースモア社に不審を抱き捜査を開始する。
やがてクレイブンは、
ノースモア社による核兵器開発に関する国家レベルの陰謀を告発しようとした娘が、
口封じのために殺害されたことを知り、復讐を誓うが・・・。
M・ナイト・シャマラン監督の『サイン』以来、8年ぶりのメル・ギブソン主演作。
この8年の間、メルは『パッション』(04)、『アポカリプト』(06)を監督して高い評価を得たが、
私生活では飲酒運転&スピード違反+ユダヤ人に対しての差別発言、
長年連れ添った夫人との離婚、7人の子供たちからの総スカン。
さらに愛人のロシア人歌手オクサナ・グリゴリエヴァが妊娠、出産、破局。
そして、彼女に対するドメスティックバイオレンスと訴訟。
またまた差別と暴言発言の発覚に、
交通事故、アルコール依存症、精神病、所属事務所の解雇と問題だらけ。
(「エンタメ〜テレ 最新映画ナビ ハリウッド・セレブ・ニュース」参照)
メル・ギブソンが大好きだった自分でさえ、「もう終わった」と思ったほど、
メチャクチャだ。
恐らく、ファンだけでなく、
ハリウッドの映画関係者たちも、メルを見限っていたに違いない。
それを象徴するかのように、復活作である本作は、
2010年1月に公開され、初登場2位を記録(1位は『アバター』)するも、
最終的に全米で4千300万ドル。
製作費が8千万ドルなので、半分しか回収できていない。
(全世界では、2010年8月時点でギリギリ回収済)
なかなか厳しい数字ですが、作品自体は、結構面白い。
ド派手なアクションはほとんどないけど、その分、リアル志向。
地道な捜査の課程で、殴り合い、カーチェイス、銃撃戦といったアクションの定番要素が、
随所に散りばめられていて、メリハリがある。
流石は、「007」シリーズや『マスク・オブ・ゾロ』などを手掛けてきたマーティン・キャンベル監督だ。
またアクションだけでなく、父と娘の描写が良い。
娘の小さい頃の映像や、クレイブンの記憶のフラッシュバックが、
娘を失った父親の無念さをより深く感じさせてくれる。
メルはそんなやり場のない怒りを抱えたクレイブンを熱演。
私生活で、死んではいないが子供たちを奪われたメル(自業自得だけどね)。
素の演技か?
なんて邪推しちゃいますが、
顔に刻まれた皺が、良い渋味を醸し出している。
オクサナが訴訟を取り下げたりと、
私生活の方も大分落ち着いてきたようなので、
これからは俳優業により力を入れて欲しい。
とはいえ、本作の次に出演したジョディ・フォスター監督作の『The Beaver』が、
メルの私生活問題のせいで、公開延期+縮小公開に陥り大コケ。
めげずに頑張って欲しいです。
話変って、娘役を演じたボヤナ・ノヴァコヴィッチが、可愛かったッス。
1981年生まれだから、もう三十路か。
見えない。