9/10より丸の内ピカデリーほか全国にて 配給会社:ワーナー・ブラザース映画 (C) 2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. TM&(C)DC COMICS. |
アメリカン・コミックスの老舗DCコミックのキャラクターを主人公にしたヒーロー映画。
またアメコミの映画化ですか・・・。
と言いたくなる気がしなくもないが、
基本的にヒーロー映画は好きなのでウェルカム。
でも、「グリーン・ランタン」ってなに?
そうなんですよねぇ。
知名度がかなり低いんですよ。
実は、アメコミにそこまで詳しくなくて、
ちょっと前までは、スーパーマン、バットマン、スパイダーマン、ハルクといった
有名どころしか知らなかった。
2011年に映画化された『マイティ・ソー』、
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』はもちろんのこと、
『アイアンマン』でさえ、「へぇー、こんなキャラクターいたんだぁ」って、
映画化された時に初めて知った。
自分の知識の無さと世間一般の認知度はイコールではないけど、
多分、「グリーン・ランタンって何かわかる?」って聞いてみたら、
恐らく多くの人が、「わからない」、もしくは「緑色に光るランタン?」って答えると思う。
他のアメコミキャラクターと比べると、圧倒的に知られていない。
で、その「グリーン・ランタン」ってのは何ぞや?という話ですが、
「グリーン・ランタン」とは、宇宙の平和を守る者たちの総称。
資料によると、
「数億年前、不死身な種族である<ガーディアン>が、
銀河系のさまざまな星から勇者を集めて作り上げた宇宙警察機構」
だそうです。
「グリーン・ランタン」は、宇宙最強の武器<パワーリング>によって選ばれ、
その勇者の資格は、恐怖を克服できること。
だからいままで地球人から「グリーン・ランタン」になれる者はいなかった。
人間、誰だって「恐怖心」を持っていますからねぇ。
しかしながら、無人の星に幽閉されていた「グリーン・ランタン」の最大の敵パララックスが蘇り、
宇宙存続の危機が訪れとき、パワーリングが選んだ新たな戦士は、地球人のハル・ジョーダンだった。
しかもハルは、腕は良いが自信過剰ですぐに調子乗るパイロット。
ノリも軽く、オリラジの藤森級とは言わないが、そこそこチャラ男だ。
そんなダメ人間が、「グリーン・ランタン」に選ばれる冗談みたいなお話です。
(ヤベェ、オヤジギャグ・・・)
当然のごとく、ハルは「グリーン・ランタン」に選ばれたことに戸惑うが、
やがて戦士としての自覚を持ち、地球のため、宇宙のために立ち上がる。
欠点がありトラウマを抱えた主人公=共感を持たせる。
やる気がない→正義に目覚める。
弱い→強くなる。
自分のためではなく、守るべきもののために戦う。
あれ?
これって『カンフー・パンダ』じゃねぇの?
なんだか、「グリーン・ランタン」だの、「パワーリング」だの、
「パララックス」だの入り口狭くしているけど、
実はとてもシンプルなお話だ。
そして、良くある話しだからこそ、細かいところが楽しめるのだ。
まず、何が楽しいって、
「グリーン・ランタン」に登場するキャラたちの容姿がステキだ。
その最高峰はハルの服装とマスクでしょう。
激ウケです。
どう考えても、ダサい・・・。
マスクに至っては、顔をほとんど隠していないため、
知人が見たら正体丸わかり。
「グリーン・ランタン」のトップであるシネストロもなかなかだ。
鉄腕アトムの角をとったような髪型、
ミスター・スポックのような耳、
ヘル・ボーイのような赤い顔、
ドン・コルレオーネのような口ヒゲ。
完全ミクスチャーだ。
着ている服はもちろん緑。
赤と緑のエクスタシー(『天と地と』のキャッチコピーは黒だったか?)
面白いのは「グリーン・ランタン」メンバーだけじゃない。
上院議員の父からいつも小馬鹿にされ、
鬱屈した人格を形成してしまったヘクター・ハモンド博士も、
終盤良い味を出してくれる。
そんなユニークなキャラクターを演じる役者が、かなり豪華。
主役のハル・ジョーダン役は、ライアン・レイノルズ。
顔立ちはベン・アフレックとやや被るが、
男前だし、アメリカでは絶大な人気を誇っている。
でもここ日本では「グリーン・ランタン」と同じぐらい、
知名度がないような気がします・・・
スカーレット・ヨハンソンの元旦那でっせ。
それはさておき、
ハルは、最初、軽薄であんまり共感できる感じではないが、
次第に感情移入できるように上手く演じている。
ヘクター・ハモンドを演じたピーター・サースガードは、キモくて良い。
シネストロ役のマーク・ストロングに至っては、最後までマークだってわからなかったよ。
判別不能といえば、女博士を演じたアンジェラ・バセットも。
あまりに巨漢になっていて・・・。
しかしながら、その散り際はナイスです。
この他、ヘクター・ハモンドの父役として、ティム・ロビンスが出演。
演技派が揃った豪華な映画だ。
ゴージャストいえば、ヒロインのキャロル・フェリス役のブレイク・ライブリーがイイッス。
もっとビッチな露出の多い服を着て欲しかったガンス。
ヘンチクリンなキャラクター(と衣装)が、あまた出てくるので、
一歩間違えるとB級になってしまうところだが、
限りなくB級に近いA級に仕上がっているのは、マーティン・キャンベル監督の職人技のお陰か?
メチャクチャ面白いかというとそうでもないが、
エンターテイメント作品として、頭空っぽにして楽しめる映画です。
個人的にはブレイク・ライブリーが出ているだけで、
ポイントアップでした。