『ゲット・ラウド ジ・エッジ、ジミー・ペイジ、ジャック・ホワイト×ライフ×ギター』 2011年9月9日 より TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて 配給会社:アスミック・エース (C)2009 Steel Curtain Pictures, LLC, All Rights Reserved |
レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ。
U2のジ・エッジ。
ザ・ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイト。
60代、50代、30代の3人のギタリストが、
ギターに対する思いを語りまくる音楽ドキュメンタリー。
それぞれが自分のルーツを辿り、
いかに独自のサウンドやスタイルを築き上げたかのか?を独白する。
こりゃ、ファンにはたまりませんなぁ〜。
という感じなのですが、今回はなかなか興味深いドキュメンタリー映画の鑑賞となった。
というのは、今まで、ドキュメンタリー、特にミュージシャンを題材にしたものを見るきっかけは、
そのミュージシャンが好きだったり、興味があったからというのが主だった。
ミュージシャンに焦点を当てた好きなドキュメンタリー映画といえば、
最近だと、『ジョン・レノン,ニューヨーク』、『極悪レミー』、
ちょっと前だと、『メタリカ:真実の瞬間』、『永遠のモータウン』などが挙げられる。
ジョン・レノンも、モーターヘッドのレミーも、メタリカも、モータウンも好きだ。
だから見たし、面白かったし、そうだったのかと驚いたし、感動もした。
でもこれが特に好きなミュージシャンではなかったらどうなるのか?
今回、3人のギタリストが登場するわけですが、
個人的な思い入れにかなりバラつきがあった。
レッド・ツェッペリンは、全てのアルバムを持っていて、
ブートレッグも数枚保有しているほど大好きだ。
当然、ジミー・ペイジというギタリストも大好きで、
ホワイトスネイクのボーカル、デイビッド・カヴァーデイルと結成した
カヴァーデイル・ペイジの来日公演も見に行った。
(テルミン弾きまくりでした)
本作を見たいと思ったきっかけは、ジミー・ペイジであり、
ジミー・ペイジが出演していなかったら多分スルーしていたと思う。
U2は、80年代の「ヨシュア・トゥリー」、「魂の叫び」辺りはかなり聴きまくったが、
打ち込みを駆使したテクノロジー路線になった90年の「アクトン・ベイビー」で大分興味が薄れ、
更にテクノ路線を推し進めた93年の「ZOOROPA」で完全にフェイドアウトした。
今ではたまに「ザ・ベスト・オブU2 1980-1990」を聴くぐらいだが、
“終わりなき旅”、“プライド”、“ディザイアー”とかを聴くとやはり燃える。
という感じでソコソコですね。
最後のザ・ホワイト・ストライプスは、
どんな音楽性なの?
ジャック・ホワイトってどんなギタリストなの?
てな具合で、残念ながら全く聴いたことがなく、何も知らない状態。
ジミー・ペイジは、大好き!
ジ・エッジは、ボチボチ好き。
ジャック・ホワイトは、わからない。
そんな温度差がある中、本作を鑑賞。
仕方がないんだが、やはり興味はどうしてもジミー・ペイジにいってしまう。
彼がスタジオミュージシャンを経て、
ヤードバーズを結成後、ロバート・プラントを「金儲けしようぜ!」と誘って、
レッド・ツェッペリンを結成したというのは知っていた。
しかし、今回、スタジオミュージシャン時代に感じていたことを露呈する。
こんな話は聞いたことがなかったから、とても興味深かった。
更に当時の貴重な映像や写真が出てくるので、ファン必見だ。
正直に言うと、見始めたとき、ジミー・ペイジのエピソードの合間に、
他の2人の話がインサートされるのが、ちょっと嫌だった。
“ジミーの話が聞きたい!”って。
でも、暫く見続けると、ジ・エッジとジャック・ホワイトの話しにも興味を抱き始めた。
「あんたオタクでしょ」と言いたくなるぐらい、
ジ・エッジはエフェクターとアンプを通した後に聞えてくる音に対して、
偏狂的なこだわり持っている。
このジ・エッジが生み出すサウンドがないと、U2がU2ではなくなってしまう。
自分のリフをノンエフェクトで弾きながら、
スカスカだとぼやくし、
ジミー・ペイジ同様、ジ・エッジの若かりし頃の赤面映像が登場した際には、
自らが「下手糞な演奏」と発言している。
ジ・エッジ、面白いっす。
更に、初めて買ったギターであるエクスプローラーを今でも大切にしている。
ジ・エッジ、物持ちいいっす。
更に更に、ジ・エッジは海辺にギターとエフェクターとアンプを持って行って弾くのが好きだという。
ジ・エッジ、ロマンチストっす。
エフェクト掛け捲りの洗練されたギターサウンドが特徴のジ・エッジに対して、
ジャック・ホワイトのプレイスタイルは、
その場の勢いで、ガァッー!!!ってギターを掻き毟りながら吠える感じで、
生々しい。
サウンドだけでなく、ギターも赴くままで、
好きなようにカスタマイズ(今回登場するギターが凄い!!)し、
終いにはマイクまで仕込んじゃうという独創的な発想の持ち主だ。
ザ・ホワイト・ストライプスは、ギターとドラムだけというツーピースバンドというのも、
“普通の人とはちょっと感性が違いまっせぇ〜”という感じ。
今回、初めて聴きましたが、どちらかというと好きなタイプのギタリストでした。
ギターそのもののサウンドというよりも、エフェクターを使って理想の音を出すジ・エッジ。
そのギターが持つ本来のサウンド(改造しまくりだけど)を奏でようとするジャック・ホワイト。
ジミー・ペイジは二人の中間あたりか?
ギターの個性を生かしつつ、エフェクターも上手く活用。
単にギタリストといっても、様々なタイプがいるけど、
この3人は、判りやすいぐらい全くスタイルが違う。
そして、そんな3人が集った時、
一体どんなマジック&ミラクルが生まれるのか!?
本作では、各自のモノローグだけでなく、
3人が空っぽのステージに集うというファン垂涎のパートがある。
ギター談義に華を咲かせ、曲を教えあい、
そして、ジャムセッションへとなだれ込む。
何を演奏するかはここでは書きませんが、
エンドロールに使用されている演奏曲が、たまりません。
この3人で、この曲ですか!?
意外な選曲でしたが、感動しました!
何かを愛し、こだわり、追求し続けるということは、
とても大切なことなんだなと改めて思いました。
それが音楽でなくて、仕事とか他のことであってもね。
愛を持って追求することは、
大変だけど、得るものも大きい。
そんなことを教えてくれるドキュメンタリー映画でした。
しかし、幾つになってもジミー・ペイジの演奏は、
危なっかしい。
「ヨレるんじゃないか?」ってハラハラしながら見ていました。
■余談
本作には、ジ・エッジが、初めて買ったギター、エクスプローラーが登場する。
ジ・エッジは、その後、数多のギターを手に入れているが、
そのギターを未だに大切にしている。
オイラはジ・エッジほど、必要性も金もないから、
エレキギターは2本しか持っていないが、
初めて買ったギター、
フェンダージャパンのストラトキャスター(レースセンサー搭載のクラプトン・モデル)を
ここ最近まったくいじっていなかった。
ジ・エッジに感化され、久しぶりに「ストラトちゃんを愛(め)でなければ」と、
クローゼットの奥底から取り出し、数年ぶりに弦を張った。
アクティブ(電池を使って音を拾うギター)だから、9ボルトの電池も買ってきた。
9ボルトの電池を買うのも超久しぶりだった。
で、準備万端となり、
ストラトをアンプに繋ぐと、ピッー、ガァー、ガリガリとノイズが酷い。
ジャックを見ると錆びている。
何年も使っていないから、多少のノイズは覚悟していたが、
思った以上だ。
やっぱり、日々、愛でないとダメだね。
銀座山野楽器に行って、接点復活剤を買って、サビを取り除き、
「これでどうだ!」とシールドのピン部分をジャックに突っ込むと、
悲しいかな、さっきよりもっと酷いノイズが発生。
愛でなかった日数の長さを痛感する。
更に、何もしていないのにシールドが、ジャックからボトリと抜け落ちた。
もう一度突っ込んでみると、なんの抵抗感も感じない。
スカスカだ。
ジャックのカバーを外してみると、シールドのピンを支えるプラスチックのパーツが、
ガッツリ割れていた。
瞬間強力接着剤を持ってしても修復不可能だったので、
ジャックそのものを交換することにした。
二日連続で銀座山野楽器に行って、症状を説明しすると、
「フェンダーもいろいろあるので、ギター持ってきてください。
その方が確実です」と言われた。
翌日、ギターを持って、三日連続で銀座山野楽器に行って、
ギターを見せ、交換可能なジャックのパーツをご教授いただいた。
修理に出すと金がかかるし、これぐらいなら自分で出来るだろうと、
どこをどう繋げば良いか配線の仕方を教えてもらった。
その日の晩、家に帰って、ハンダゴテ片手にジャックの交換を行ったんだが、
なかなかハンダ付けが難しい。
すぐ済むと思ったら、アッという間に時が過ぎていた。
なんとか取り付けるも、あまり美しいとは言えない溶接だ。
ギター職人は凄いなぁーと思いつつ、
なんとか交換完了!
シールドを差し込むとしっかり固定された。
スイッチをフロント状態にして、
アンプの電源をオン。
音を出すと、ノイズは全く出なかった。
「よしよし」とスイッチを切り替えて、
センター、リアを確認。
音はちゃんと出るんだが、何かが変だ。
スイッチをフロントにすると、音はマイルドになり、
リアに切り替えると高音が強めなシャリシャリした音になるんだが、
ものの見事に逆さまだった。
どうやら配線を間違えた模様。
しかし、またハンダ付けをする気力もない。
そして、ここでジャック・ホワイトが、
好きなようにギターをカスタマイズしていたことを思い出す。
「ジャック・ホワイトがギターを自分仕様にカスタムしたように、
このフロントとリアの音色が逆さまなギターは、俺様仕様だ」
ということで、
『ゲット・ラウド』のジ・エッジとジャック・ホワイトに感化された結果、
生まれて初めてカスタマイズギターを手に入れました。
今週末、海に行くので持っていて、
ジ・エッジの様に海辺で愛でながら弾こうと思います。
エフェクターは持って行かないので、
U2の曲は弾きません。
酒飲むので、きっとジミー・ペイジ以上にヨレヨレでしょう。
ちゅうか、シラフで弾いてもヨレヨレです・・・。
コメント (1)
いつも楽しいコメントをありがとうございます・・毎回楽しみにしています!!
私もU2のフェイドアウトは伊藤Pと同じ見解です・・・もう一つ私も久しぶりに9Vの電池を買いました。やっぱり接触不良のノイズがあって、30年物のJazz Chorusが原因なのかシールドか、ギターなのかと迷いました・・・
今度は古いエフェクターのcheckもしてみようっと
投稿者: Immigrant | 2011年09月13日 15:15