『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』
10/14より丸の内ルーブルほか全国にて
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
(C) 2010 MVLFFLLC. TM & (C) 2010 Marvel Entertainment, LLC and its subsidiaries. All rights reserved.
6月『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』、7月『マイティ・ソー』、9月『グリーン・ランタン』と、
この夏から秋にかけて、アメコミを原作とした映画がほぼ毎月公開されてきた。
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』は、その〆となるマーベル・コミックの実写映画化。
アメコミは、マーベル・コミックとDCコミックの2つに大きく分けることが出来る。
先に立ち上がったのは、DCコミックで、その始まりは1930年代と結構古い。
DCコミックの人気ヒーローといえば、スーパーマン、バットマン、グリーン・ランタンが挙げられ、
彼等は1930年代に全員デビューを果たしている。
一方のマーベル・コミックは、1939年に前身となるTimely Comics社が設立されて以降、
スパイダーマン、X-メン、ハルク、アイアンマン、ゴーストライダー、
ブレイド、デアデビル、ファンタスティック・フォーといったヒーローを生み出してきた。
キャラクターの知名度や映画化された作品の多さからすると、
マーベル・コミックの方が日本では接触率が高いかもしれない。
そして、そのマーベル・コミックの最古参といえるのが、
1941年に初登場した今回のキャプテン・アメリカだ。
第二次世界大戦時。
青年スティーブ・ロジャースは兵士になって国に尽くしたいと思っていたが、
背も低く痩せっぽちのため不適格とされてしまう。
しかし、スティーブは自らの意思で軍の秘密実験を受け、
極限の身体能力を持った体を手にする。
“キャプテン・アメリカ”として生まれ変わったスティーブは、
戦場の最前線へと赴き、大活躍をする。
という筋はコミックも映画も一緒なんだが、細かい設定は若干、異なるようだ。
コミックを全く読んでいないので、どこがどう違うのかは判らないけど、
小説と映画が異なるように、コミックと映画もまた別物なので、
映画は映画として見ちゃえば良い。
そもそもアメコミと聞いただけで、拒絶反応を示す人も多いと思う。
でもアメコミの映画化作品は、アメコミの知識がなくても楽しめるものが多い。
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』もその1本。
逆にコミックのファンは、原作との違いを気にするかもしれないけど、
多分、その世界観は破壊されてはいないのでしょう。
本作がファンの期待を裏切るような作品だったら、全米だけで1億7千万ドル以上も稼ぐはずが無い。
ハリウッドは海外のコミックやアニメを映画化するときは、メチャクチャにしちゃうくせに、
自国のものは大切にするんだよね。
それはさておき、肝心の中身ですが、
バカ映画だった『マイティ・ソー』やそこそこだった『グリーン・ランタン』よりは、
数段楽しむことが出来ました。
『アイアンマン』のトニー・スタークの父親が出てきたり、
お決まりのサミュエル・L・ジャクソン扮するニック・フューリーも登場。
アクションも目新しさはないが、手堅くまとめていて、とても見易かった。
ただ、アメリカン・ヒーローの中でも“強いアメリカの象徴”色が強いので、
その辺はちょっといけすかねぇ〜って思ったりして・・・。
コミックが誕生した1941年は第二次世界大戦下。
主人公のスティーブ・ロジャースはナチスに憎悪の念を抱いていて、
それが自ら“キャプテン・アメリカ”になる動機にもなっている。
1941年当時、コミックそのものがプロパガンダ的な役割を果たしていたことは想像に難くない。
映画では戦争の士気を高めるためにキャプテン・アメリカが利用される様を少し滑稽に描いており、
アメリカの象徴として扱われていた過去のキャプテン・アメリカを払拭しようと試みてはいるけどね。
それと途中で結末が判ってしまうような内容なので、南極でのプロローグは無い方が良いように思う。
あと、どうも主演のクリス・エヴァンスが地味なんだよねぇ・・・。
パッとしない。
イケメンだとは思うんだけど、ヒーローだぞ!って感じはしないし、
ロバート・ダウニー・Jrのような渋さもない。
筋肉ムキムキという点では同じなのに、
何故だがソーを演じたクリス・ヘムズワースばりのインパクトもない。
それからヒロインが大分いただけなかったっす・・・。
ヘイリー・アトウェル。
うーん・・・
フィリップス大佐を演じたトミー・リー・ジョーンズは、それなりの存在感を出してはいるが、
2人の穴を埋めるまでの活躍はしていない。
(脇役だから仕方ないけど)
今回、一番気を吐いているのが、宿敵レッド・スカルを演じたヒューゴ・ウィーヴィングだろう。
後半は赤いドクロのマスクを被っているので、ヒューゴの顔そのものは出てこないんだけど、
それでもヒューゴが演じていることがわかる。
それだけ個性的な役者さんなのでしょう。
まぁ、なんにしてもここ日本での興行は、厳しいだろうなぁ〜。
来年には、ハルク、アイアンマン、ソー、そして、キャプテン・アメリカといった
マーベルの主要キャラクターが、一同に会する『アベンジャーズ』が公開される。
ラストに『アベンジャーズ』への布石が流れるんだけど、
これがもう超期待感が高まるような内容で・・・。
これが見れただけでも、嬉しい。
超早くみたい!!!
で、『アイアンマン2』、『マイティ・ソー』、『キャプテン・アメリカ』の日本の配給は、
パラマウント ピクチャーズ ジャパン。
(『アイアンマン』、『インクレディブル・ハルク』はソニー・ピクチャーズ)
『アイアンマン2』も『マイティ・ソー』も興行的に大成功を収めたかといえば否だ。
『キャプテン・アメリカ』も苦戦するでしょう。
それでも一生懸命宣伝して、知名度上げて、ヒットさせて、『アベンジャーズ』に繋げたい!!
と言いたいところなのですが、
マーベルがディズニーに買収されたため、『アベンジャーズ』はディスニー配給となる。
下地だけ作って、ディズニーに美味しいところを掻っ攫われるパラマウント・・・。
せつねぇ・・・。
モチベーション下がりそう・・・。
【余談】
今回、この記事を書くにあたっていろいろ調べたら、このキャプテン・アメリカ、
過去に実写映画化されたことがあったと知るに至る。
1990年に製作されたキャプテン・アメリカ誕生50周年記念『キャプテン・アメリカ 卍帝国の野望』だ。
プロデューサーを見るとメナハム・ゴーラン。
映画通だったらもうこれだけで「ダメな映画」だと思うだろう。
メナハム・ゴーランは、キャノンフィルムという製作会社を立ち上げた人で、
そのフィルモグラフィーを見ると、多くのB、C級映画が・・・
スタローンの『コブラ』、『オーバー・ザ・トップ』、
トビー・フーパーの『スペースインベーダー』、『悪魔のいけにえ2』、
チャールズ・ブロンソン主演の『ロサンゼルス』、『スーパー・マグナム』、
チャック・ノリス主演『地獄のヒーロー』、『デルタ・フォース』などなど、
個人的には大好きなんだけど、作品としては多分駄作の部類に入る作品を多く生み出している人。
この他、ブルック・シールズ主演『サハラ』、ショー・コスギ主演『ニンジャ』、
ドルフ・ラングレン主演『マスターズ 超空の覇者』、『スーパーマン4/最強の敵』、
ポワロの『死海殺人事件』、ヴァンダムの『サイボーグ』、『情熱のランバダ』など、
かつての「日曜洋画劇場」が好んで放送するようなトホホ作品をプロデュース。
ってことで、『キャプテン・アメリカ 卍帝国の野望』もダメだろうと思ったんだが、
youtubeにUPされていた映像を見て、それは確信へと変った・・・。
コメント (1)
ゴーランの名前でトホホ認定の映画通なんて、一番ヤなタイプの映画通ですよ。
そんなクズは一生、「風と共に去りぬ」とか「カサブランカ」とかだけ延々観てりゃいいんです。
でそんなカスに限って「タランティーノの『キルビル』のキャラダインはいいよな」なんて寝言ほざいて「テキサスSWAT」のキャラダインを知らず、
「『ジャッキーブラウン』のロバート・フォスターはいい」なんて当たり前のことをぬかす前に、そもそも「デルタ・フォース」のフォスターさえ知らない。
本当に地獄に落ちろと言いたい。
ヘンリー・シルヴァを知らず、悪役俳優を語る「レオン」ヲタクの腐れ。
「633爆撃隊」の素晴らしさを知らず、「スターウォーズ」を語るバカ。
終いには「コロンボ」を「古畑」のパクリじゃんなんて言いかねないレベルのバカです。
この類が一丁前に映画通ぶって評論の真似事をしてるのが、今のネットの実情です。
投稿者: キミドリ | 2011年10月15日 02:58