『カウボーイ&エイリアン』
10/22より丸の内ピカデリーほか全国にて
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
(C)2011 PARAMOUT PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.
日活の「The SUSHI TYPHOON」みたいなちょっといかがわしいタイトル。
西部の時代にエイリアンが襲撃!という内容。
パッと見、B〜C級の映画のようだが、この映画のために集結したメンバーが凄まじい!
製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ
製作:ロン・ハワード&ブライアン・グレイザー(『ダ・ヴィンチ・コード』等々)
監督:ジョン・ファブロー(『アイアンマン』、『アイアンマン2』)
出演:ダニエル・クレイグ、ハリソン・フォード
今までにトータルで天文学的な数字を稼ぎ出してきたプロデューサー陣!
大人も楽しめる娯楽作「アイアンマン」シリーズを手掛けた敏腕監督!
ジェームズ・ボンドとインディ・ジョーンズの夢の共演!
これだけのスタッフとキャストが揃えば、
ちょっと奇天烈な題材でもS級の作品に仕上げるはず!
ということで、期待値も高く、とても楽しみにしていたんだが・・・。
『マイティ・ソー』など、以前「入り口を間違えて見てしまった」というケースを何度か綴ってきたが、
またやってしまった・・・。
『カウボーイ&エイリアン』は、期待を大きく裏切るB級テイストたっぷりの珍作だったのだ。
ダニエル・クレイグ扮する男が、荒野で覚醒するシーンから始まる。
男は記憶喪失で、腕には謎の金属のブレスレットがはめられ、腹部には大きな切り傷が。
荒くれ者に取り囲まれた男は、野郎どもを叩きのめし、服と拳銃を奪い、
ハリソン・フォード演じるダラーハイドという男に支配された田舎町へと辿り着く。
訪れたバーで、知らない女から「あなた、何も覚えていないの?」と声をかけられた瞬間、
男はダラーハイドは囚われの身となってしまう。
そして、その夜。男が連邦保安官のところに連行されようとした時、
夜空に突如として未知の飛行物体が襲来。
町は炎に包まれ、住民たちが次々とさらわれて行く。
阿鼻叫喚の最中、男がはめていた銀のブレスレットが青い閃光を放ち・・・。
この辺までは、ダニエル・クレイグがカッコイイし、物語も謎めいていて面白い。
ワクワクドキドキする。
流石、超一流のスタッフとキャストの手に掛かれば、奇想天外な物語もお手の物だなぁって。
しかし、男がはめていたブレスレットによって打ち落とされた飛行物体から逃走した
操縦士(エイリアン)の追跡が始まってから、
段々と雲行きが怪しくなり、「アレレレ?ひょっとして・・・これってB級?」という思いがつのり始める。
その後も、「えっ?そういう設定なんですか?」というご都合主義が連発。
登場人物の一人が死んでしまった後、復活するシーンとか、愕然ですよ。
「これは確信犯的にB級テイストにしたに違いない」と気持ちを切り替えたんだが、
クライマックスとなるカウボーイ軍団とエイリアンの戦いは単調だし、
男がエイリアンのアジトに侵入してからは、もう何がなんだかの物凄い展開に。
オマケにハリソン・フォードが全く活躍しないというオマケまで付いてくる。
うーっ・・・、最初からS級スタッフ・キャストが作った珍品というのを知った上で見たかった。
であれば、この馬鹿馬鹿しい内容を相当、笑いながら見ることが出来たんだろうな。
「ハリソン、活躍しねぇーし!!!」とかいいながらね。
まっさらな状態で映画が見たいので、
普段から映画を見る前にあまり内容に関する情報を得ないようにしているんだが、
本作に限っては予備知識が必要だったかも。
コンパクトでわかり易い映評が素晴らしい野島孝一さんのサイトを覗いてみたら、
本作に対して下記、一文が。
「あまりの荒唐無稽にばかばかしいと思わないわけではないが、
映画のおもしろさは常識破りにある。楽しめればそれでいい。」
おっしゃる通りです。
『カウボーイ&エリアン』は、映画界を牽引する大御所たちが、
大枚叩いて、(多分)わざとB級テイストに仕上げたハチャメチャな作品です。
これからご覧になる方は、入り口を間違えずに、その破天荒さを存分に楽しんじゃってください!