『ミッション:8ミニッツ』
2011年10月28日より全国にて
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(C)2011 Summit Entertainment, LLC. All rights reserved.
乗客が全員死亡した列車爆破事件の犯人を突き止めるための極秘ミッション。
それは乗客の死の8分前の意識に潜入し、犯人を割り出すというものだった。
任務を遂行するのは、米軍エリート、コルター・スティーヴンス大尉。
果してコルターは犯人を見つけ出すことが出来るのか?
て、粗筋書いても訳がわからないですよね?
もう少し詳しく書くと、
コルターは、謎の施設にあるこれまた謎の装置によって、
死ぬ8分前の乗客の意識に入り込み、その乗客に成りきることが出来る。
8分後に爆発する列車の中で犯人捜査をするが、爆発が起きると意識は自分の元へと戻る。
そして、その8分間で得た情報を踏まえて、また乗客の意識へと潜入する。
この8分間を繰り返し、真犯人に近づいていく。
よくこんな設定思いつくなという感じなのですが、
列車内での8分間が何度もループするので、見ているこちらは飽きそうなもの。
しかしながら、少しずつアングルや編集を変えているし、毎回必ず進展がある。
退屈どころかどんどん先が知りたくなる。
更に犯人探しのミステリーだけでなく、コルターがいるポッドみたいな装置がなんなのか、
彼とモニター越しにやり取りする女性オペレーターや、時たま姿を見せる黒人男性が何物なのか、
そして、なぜコルターがここにいるのかという謎が、次第に分かってくる過程も面白い。
更にサスペンスやミステリーだけでなく、ドラマとしても優れている。
特に終盤にコルターがかける一本の電話が泣ける。
この電話の後、怒濤の展開が繰り広げられ、一気に結末へと向かっていくんだが、
この結末がまた一筋縄ではいかなくて、あれこれと考える必要がある。
実はちょっと納得がいかない部分があるといえばあるんだが・・・。
理詰めで見ちゃいけないのかもしれない。
あと、このシーンで終わっていたらもっと切なくて感動的だったのになぁ〜と思うところもあった。
とはいえ、展開が読めず見始めたら一気に引き込まれるし、
謎解きはもちろんのこと、結末が分かった後にあれこれ考える楽しみもある。
美術やセット、編集で、他人の意識に潜入できるという未知のテクノロジーを
違和感なく表現をしている点もポイントの一つ。
置いてけぼりを食らわないために集中して見る必要のある作品だが、上映時間94分!
エンドロールを除いたらもっと短い。
そして、恐らく多くの人がそのエンドロールで、
“あーでもない、こーでもない”と頭を働かすことになると思う。
鑑賞後は辻褄合わせが必要になる作品なので、
1人ではなく2人以上で見に行くことをお勧めします。
映画を見た後に、いろいろと議論できる作品です。
コメント (1)
いつも楽しく読ませていただいてます。
コメントは初めてになります。よろしくお願いします。
昨日この作品を鑑賞してきました。サスペンスかと思っていたのですが、ドラマ部分も多くてたくさん泣いてしまいました。
私的な思いなのですが・・・最後のシーンがないほうが感動的だったかな?と感じました、が、最後のシーンがなければ観終わったあとに色々考えることもなくてあっさり忘れちゃいそうだったので、それはそれで良かったのかなっとも思ったり。複雑です(笑)
たくさん疑問があったのですが、一番大きな疑問は、結局コルターは過去を変えたという解釈でいいのかな?というところです。
または過去という捉え方ではなくて、全部別々に空間がある、と捉えたらいいのか・・・。
このあたりがとってもモヤモヤしました。そしてまとまらないままです。
「この映画観ようかな、どうしようかな」と悩んだときはよく伊藤P様の感想を参考にしてます。これからも楽しみにしてます。失礼いたしました。
投稿者: ふうこ | 2011年11月26日 16:09