『インモータルズ−神々の戦い−』
2011年11月11日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて
配給:東宝東和
(C)2010 War of the Gods, LLC. All Rights Reserved.
『ザ・セル』、『落下の王国』のターセム・シン監督と、
『300<スリーハンドレッド>』の製作陣によるギリシャ神話を題材にしたスペクタクル巨編。
語るべき点が多い作品なのだが、まず、物語が面白い。
闇の神の復活をもくろむイラクリオン王国のハイペリオンによって、
村を焼かれ、目の前で最愛の母を殺された勇者テセウスの復讐を軸に、
ギリシア軍とイラクリオン軍の戦い、
さらにはオリンポスの神々とタイタン族との戦いが、壮大なスケールで描かれる。
オリンポスの神々だ、タイタン族だと、この手の話に疎い人は、
それだけで敬遠してしまいそうな作品だが、そんなものは知らんでも十二分に楽しめる。
本作はギリシャ神話をそのまま描いているわけではなく、
ギリシャ神話に登場する人物やエピソードを用いて、全く新しいストーリーを作り上げている。
次に本作の最大のウリであるアクション。
『300<スリーハンドレッド>』チームによる作品なだけあって、
ストップモーションを駆使したアクションが満載。
殺戮殺陣シーンワンカットなど、ゾクゾクするシーンがふんだんにある。
また、テセウスとハイペリオンの一騎打ち、
ギリシャ軍とイラクリオン軍による大群戦、
オリンポスの神々とタイタン族によるチーム戦と、
いろんな単位での戦いが楽しめる。
テセウスとハイペリオンの戦いは、ねっとりとした重厚な肉弾戦、
ギリシャ軍VSイラクリオン軍は、大勢によるチャンバラ・スペクタクル、
オリンポスの神々とタイタン族の戦いは、CGを駆使した華麗なる撲殺粉砕戦と、
その戦い方もバリエーション豊かた。
しかもクライマックスでは、この3つの戦いが同時進行するのだ。
た、たまらん!!!!
たまらんと言えば、テセウスを演じたヘンリー・カヴィルほか、
若くて活きの良いムキムキ筋肉マッチョがあっちにもこっちにも登場する。
まぁ、わたくしは、そちらの気はないので、
「わぁー、すごい体だなぁー」ぐらいにしか思わないけど、
男の肉体美が堪能できるので、好きな方はきっと最初から最後まで悶絶でしょう。
あんまり美男子は好かない。
もっと荒々しくて野生的な男が好いという方も安心です。
むさくて、ちょっと崩れかけた肉体が魅力的なミッキー・ロークが、ハイペリオンを演じています。
若過ぎるのも、オッサンもダメという方も大丈夫です。
その中間として盗賊のスタブロス役でスティーヴン・ドーフが出演しています。
ちゅうことで、守備範囲、広いです!
男の裸なんて興味ないがな!という男子には、
『スラムドッグ$ミリオネア』のヒロイン役で注目を浴びたフリーダ・ピントが用意されています。
なんと、最近のメジャー映画では珍しく、ヌードを披露!
意外と尻がでかいんだなぁ〜と思いつつ、スタイル抜群の美しい女体が拝めて、
素直に嬉しかったです。
(ボディダブルじゃないことを祈る)
美しいといえば、衣装が素晴らしい。
あまりファッションに興味がないので、
今までこのブログで衣装について触れたことはほとんどないけど、
石岡瑛子による奇抜な衣装の数々は、この作品にとって重要な存在だ。
特にオリンポスの神々が見にまとっている衣類や冠は、独創的だと感じた。
物語、アクション、キャスト、衣装といった要素をトータルで包み込む、
全体的な世界観も秀逸で、
これぞビジュアル・モンスターと言われるターセム・シンの成せる技。
因みにタイトルの「インモータル」とは“不死の存在”という意味で、
ギリシャ神話に登場する神々を指すんだけど、
劇中、神様が人間と同じように殺されて死にます。
しかも、神様同士が戦っちゃったりして・・・。
そんな設定も面白かった。
頭をカチ割るシーンとかのせいで、R-15+指定とのことで、
今後の興行を担って欲しい子供たちが、見ることが出来ないのがとても残念です。
残酷なシーンも、美しいアートとして楽しめる作品だと思うのだが・・・。
コメント (1)
血統上、ゼウスのおじにあたるハイペリオンが、ある人間から「my king」と呼びかけられてイラっとするのとか、よくできてるなぁと思いました。
もっともハイペリオンはギリシャ神話の旧来の読み方にならって、ヒュペリオンと表記して欲しかったですが…
投稿者: 通りすがり | 2013年04月02日 16:56