『ホーボー・ウィズ・ショットガン』
2011年11月26日よりシアターN渋谷ほか全国にて順次公開
配給:ショウゲート
(C)2011 HOBO INC. / 3243988 NOVA SCOTIA LIMITED
貨物列車に乗ってやって来た流れ者(ホーボー)が降り立った街は、
残忍な親子ドレイク一家が牛耳る暴力と狂気に満ちた無法地帯だった。
ひょんなことからドレイク一家に目をつけられた流れ者の男は、
ショットガンを手にし、悪の権化に毅然と立ち向かっていくが・・・。
クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスの『グラインドハウス』の北米公開時に開催された、
フェイク予告編コンテストでグランプリを受賞した作品を長編化。
監督は、これがデビュー作となるジェイソン・アイズナー。
主演は『ブレードランナー』のルトガー・ハウアー。
作品の中身は『グラインドハウス』からの派生作品ということで、
映倫からR18+の指定を食らうのも納得の過激なバイオレンス描写がてんこ盛り。
この手の作品って、描写が行き過ぎてしまって、
それが逆に笑いを誘うとか、ちょっとしたユーモアがあったりする。
本作も過剰なまでに下品なんだが、下品なまま終わってしまっている。
そこが残念ではあるが、色彩感覚が80年代ぽくって、妙に懐かしさを感じてしまった。
80年代に『ヒッチャー』、『WANTED/ウォンテッド』、
『サルート・オブ・ジャガー』などB級作品にも出演していたルトガー・ハウアーが、
主演というのもその思いを加速させてくれる。
主人公の流れ者は、やや型にはまたった新鮮味に欠けるキャラクターなんだが、
ルトガー・ハウアーが演じることで、味が出てしっかりと見る者を感情移入させてしまう。
ヒロイン(結構、美人)とのプラトニックな関係も良い。
無名の新人監督のデビュー作品であるがゆえ、
ダメ元でルトガー・ハウアーにオファーをしてみたら、
まさかのまさかのOKの返事が!
67歳にしてこんな作品に出てしまうとは、ハウアー様、粋です!
ルトガー・ハウアーを得ることが出来たのは、本作にとってとても幸運だったといえるでしょう。
彼が出ていなかったら、単なるB級映画以下で終っていた可能性が高い。
内容的に観客を選ぶ作品だし、有り得ない展開もそこかしこに見受けられるので、
全ての人にお薦めはしないが、この手の作品が好きな方は是非。