『ピラミッド 5000年の嘘』
2012年2月18日より新宿バルト9、丸の内TOEIほか全国にて
配給:スターサンズ
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世界4大文明(メソポタミア、エジプト、インダス、黄河)のひとつの象徴である
エジプトのギザの大ピラミッド。
このドデカイ建築物は、紀元前2700〜2500年代に建造されたと伝えられ、
クフ王の墓として知れている。
しかし、このギザのピラミッドの通念が、実は全くのでたらめだったら?
本作は、ギザの大ピラミッドに関して37年間にも渡る調査と研究を実施、
6年間徹底的に検証し、今までの定説を覆す“真実”を導き出すドキュメンタリー映画。
小学生の頃、「ツタンカーメンの呪い」ってのが流行った。
古代エジプト王ツタンカーメンの墓の発掘に関わった人たちが、
次々と死んだため流布された話なんだけど、
ネッシー、ビッグフット、UFOといった未確認生物、飛行物体と同様、
この手のオカルトネタは、今みたいに情報過多ではない時代のジャリどものハートを鷲掴みにした。
(いい時代だったなぁ)
そんな折、「ツタンカーメン展覧会」が開催され、みんなで見に行った。
展示スペースには、テレビで見た黄金の仮面が光り輝いていた。
ツタンカーメンに魅了された流れから、
当然のごとくピラミッドにも惹かれて行くわけで、
小さい頃は、吉村作治先生のピラミッドに関する番組をよく見た。
テレビ番組で説明していたピラミッドの作り方は、良く覚えていないけど、
採石場から石を切り出し、ピラミッドの横に傾斜のついた坂を築いて、
石を引き上げて積んでいく、そんな感じだったと思う。
そして、ピラミッドがエジプト王の墓であり、
上記のような方法で建てられたことに対して、
何の疑いもないまま今まで過ごしてきた。
そこにこの映画の登場だ。
「えっ?違うの?」って。
興味津々になり、見てみることに。
この映画では、考古学者、物理学者、エンジニアといった様々な分野の専門家の意見を取り入れ、
ギザのクフ王ピラミッドに対して、幾つかの疑問を投げかけてくる。
■建設期間は20年と言われているが、無理ではないか?
ギザのピラミッドは200万個の石が使われている。
1日12時間365日間働いて、20年間で200万個の石を積み上げた場合、
1つ数トンの重さがあう石を積むために要する時間は、2分30秒しかない。
■本当に王の墓なのか?
クフ王の統治期間は20年未満と言われており、
クフ王の墓という説を守るために建設期間を20年にしているのではないのか?
■4面体に見えるが、実は8面体だった?
春分と秋分の日のみ、ピラミッドが8面体に見える。
これは現代の地理学・天文学・建築学の見地から見ても驚異的な技術。
■石は適当に積み上げられたわけではない?
不規則に見える積み方にはちゃんと法則があるうえ、
とんでもない精度で積み上げられている。
現代の建築技術・天文学の知識を駆使しても、
ギザのピラミッドの建設は容易ではないことが語られる、
では、果たして、ピラミッドは、誰が、何のために、どうやって作ったのか?
これらの疑問を答えるために、本作のスタッフは、
エジプトを離れ、なんとモアイ像で有名なイースター島、ペルーのマチュピチュ、ナスカなど、
エジプトから遥か離れた地にある遺跡を訪れ、
さらに中国にある知られざるピラミッドにまで言及し、
ギザのピラミッドとの類似点を導き出す。
それぞれ別々に栄えたはずの文化。
その点が線になった瞬間、鳥肌が立った。
次いで、レオナルド・ダ・ヴィンチで有名な黄金率(黄金数)や円周率など、
ピラミッドにまつわる偶然とは思えない数字にまつわる真実が次々と明らかにされる。
正直、ピラミッドの4面の総面積を底面積で割ると黄金率、
高さを底辺の2分の1で割ると黄金率の平方根、
2辺の和を高さで割ると円周率など、
矢継ぎ早に見せられるので、全部が理解できたかといわれるとできてない。
それでも、紀元前2700〜2500の時代に、黄金率、平方根、円周率の知識があり、
その数字をピラミッド建築に取り入れているという点は、驚きを禁じえない。
そして、本作の最後に告げられる全く予想だにしない結論に、戦慄。
いや、この結論には無理がある。
そう思いたい。
でも、もしかしたらありえるのかも・・・。
ニコラス・ケイジ主演の某作品を思い出しました・・・。
字幕版でみたので、字幕を追っかけるのがかなり大変だったし、
構成も分り難いドキュメンタリー映画だったけど、
そんな些細なことは、ぶっ飛んでしまいました。