2012年02月29日更新

#648 『ヒューゴの不思議な発明』

ヒューゴの不思議な発明


『ヒューゴの不思議な発明』
2012年3月1日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
©2011 ParamountPictures. All Rights Reserved


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『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のような、
子供を主人公にしたファンタジーアドベンチャーを喚起させるキービジュアル。


ヒューゴの不思議な発明


そして、3D。


なぜ、マーティン・スコセッシがお子様ランチのような映画を撮るのだ!
と、見る前は不思議で仕方がなかった。
それこそ「スコセッシの不思議な映画」だ。


ファンタジーがあんまり好きじゃないうえに、嫌いな3D。
うーん・・・見たくない・・・。


でもドキュメンタリー以外、マーティン・スコセッシ監督作品はほとんど見ているし・・・。
ということで、スコセッシだからという義務感にかられて見た。
もちろん、いつもの様に予備知識なしでね。


そんでもって、騙された。


確かに子供を主人公にしたファンタジーだけど、
所謂アドベンチャーファンタジーではない。


主人公の孤児ヒューゴの冒険がいつ始まるのか?と見ていても、
いっこうに始まらず・・・。


そして、とある人物が、ある有名な人物だったと判明して以降は、
見る前には決して予測できないであろう展開が繰り広げられる。


こ、こういう映画だったのか!!
と驚かされた。


あまり語るとネタバレになるし、楽しみが半減してしまう恐れがあるので、
深くは触れないが、とにかくキービジュアルからは想像できないような内容だった。


ヒューゴの不思議な発明


で、騙されたって書いたけど、これが良い意味での騙しだったのですよ。


本当に素晴らしい映画でした。


ホントかどうか知らないが、本作を見たジェームズ・キャメロン監督が、
「マスターピース」とコメントしたのも頷ける。


3Dでなくてはならなかった意味もよ〜くわかった。


空撮から一気に駅構内へとカメラが移動していくファーストシーンとか、
「おぉ!!!」と唸らされるショットも多かった。


ヒューゴの不思議な発明
別嬪さんに成長したけど、早くも小じわが目立ちます・・・


スコセッシ監督の映画への愛情が溢れ出ている作品であり、
スコセッシ監督だからこその説得力がある作品。


今のスコセッシ監督が、こういう映画を撮ることの意味を見ている最中何度も考え、
目頭が熱くなること数回。


マスコミ完成披露試写会で本作を鑑賞したんだが、
完成披露では上映終了後、たまに拍手が起きることがある。


関係者がサクラで手を叩いているケースもあるようなので、
滅多に賛同して拍手をすることはないんだが、
『ヒューゴの不思議な発明』では、無意識のうちに拍手をしていた。


しかもエンドロールが始まった時と本編の上映が終了した時の2回。


映画が好きという人に、強くオススメしたい。
特にご年配の映画好きの方は、物凄くブッ刺さると思います。


ヒューゴの不思議な発明


しかしなんですねぇ・・・、
スコセッシは、興味がないのに撮ることになってしまった凡作『ディパーデット』なんかで、
功労賞的にオスカー受賞しなけりゃよかったのに・・・。


『ディパーテッド』でアカデミー賞を受賞していなければ、
恐らく『ヒューゴの不思議な発明』が作品賞、監督賞を受賞していたに違いない。


『ヒューゴの不思議な発明』でのスコセッシ受賞の方が、相応しいよ。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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