『戦火の馬』
2012年3月2日より全国にて
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
©2011 DreamWorks II Distribution Co., LLC A All Rights Reserved.
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第一次大戦前夜のイギリス。
貧しい農家に買い取られた一頭の馬ジョーイと少年アルバートは固い絆で結ばれる。
しかし、戦争が始まり、ジョーイは軍に徴用され、
英国軍騎馬隊の軍馬としてフランスの最前線に送られてしまう。
後にアルバートも兵士となり、フランスの激戦地へと赴く。
奇しくも共に激しい戦場に身を置くこととなったアルバートとジョーイの運命は……。
12月にCGアニメの『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』が公開されたばかりのスピルバーグ監督最新作。
『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』は、
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』以来3年ぶりとなる久しぶりの長編作だったけど、
今回は間髪入れず。
既にリンカーン米大統領の伝記「Lincoln」がポスプロ、
続いて人類とロボットの戦いを描いた「Robopocalypse」もプリプロ段階。
早撮りで、多ジャンルの多作家であるスピルバーグ監督、エンジンがかかってきました。
そんなスピルバーグ監督作品ですが、なんだか近作はどれもこれもパッとしない。
つまらないってことはないんだけど、心にドスンと来る作品がないし、
娯楽に徹した作品も「超おもしれぇ!!!!」と感激するような作品が見当たらない。
『戦火の馬』はどうなんだ?
実を言うと、『カラーパープル』、『太陽の帝国』、『アミスタッド』とかよりも、
『E.T.』、「インディ・ジョーンズ」シリーズ、『マイノリティ・リポート』といった、
エンターテイメント性の強い作品のが好きというのもあり、
文芸臭が漂う『戦火の馬』は、ちょっとどうかなぁ〜という感じだった。
とはいえ、日本で劇場公開されたスピルバーグ監督の長編作品は全部見ているので、
『ヒューゴの不思議な発明』同様、ほとんど義務という状態で見た。
結果、『ヒューゴの不思議な発明』は良い方に転んだが。
『戦火の馬』は予測の範疇を越えるに至らなかった。
まさに先述の通りで、つまらなくないけど、心に響くほどでもない。
ジョーイとアルバートの出会いと交流を一通り描いた後、
ジョーイが軍馬になってからは、馬版ロードムービーとなる。
ジョーイは戦地で様々な人たちと出会い、離別する。
その人々との出会いを通して、戦争の愚かさを炙り出していく。
もの言わない馬の目線から反戦を訴えるという演出方法は、
面白いと思うし、難しいとも思う。
多分、そこがスピルバーグのチャレンジでもあったはず。
しかし、エピソードのひとつひとつが、ぶつ切りな感じなのだ。
さらに、そこにアルバートのパートも差し込まれてくるから尚更だ。
しかもアルバートは、「母をたずねて三千里」のマルコみたいに、
ジョーイを訪ねまわることはなく、兵士としてただひたすら戦っている。
つまり、ジョーイとアルバートの話があまりリンクしていないのだ。
アルバートとジョーイの再会シーンもちょっと強引というか、唐突で盛り上がらない。
これじゃ、『南極物語』の「やっとタローとジローに会えました!生きてました!!!」
みたいに感動できまへん・・・。
馬が戦場を疾走するシーンや戦闘シーン、農村の美しい風景など、
ところどころ「やっぱり凄いなぁ」と思うところはあるんだけど、
それだけじゃねぇ・・・。
でも何度もいうけど、決して退屈なわけじゃないんだよね・・・。
ということで、あまり語れる要素もなく、
短いですが、これにて終了とさせて頂きます・・・。
(て、手抜き!?)