『グレイヴ・エンカウンターズ』
2012年6月1日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ、池袋シネマサンシャインほか全国にて
配給:アルバトロス・フィルム、インターフィルム
%copy;2010 DIGITAL INTERFERENCE PRODUCTIONS INC. and TWIN ENGINE FILMS LTD.
1960年に閉鎖された廃病院に潜入した心霊番組のスタッフが、
不可解な現象に次々と見舞われるホラー映画。
かつての『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や、
近年の「パラノーマル・アクティビティ」シリーズと同様、
ポイント・オブ・ビューの手法を用いたフェイク・ドキュメンタリー。
もはやなんの新鮮味もないジャンルだが、心霊好きとしてはついつい気になり手を出してしまう。
『パラノーマル・アクティビティ』は135万円という製作費の安さが話題になったが、
本作の場合はYouTubeにアップされた予告編が、「怖すぎる」と呼び水になった。
確かに予告編はなかなかの雰囲気を醸し出しているし、
最後にはドキッとするような刺激的なショットが収められている。
しかしながら、いざ本編を見てみたら、
“予告編のショッキングなシーンしかありませんでした”なんてオチもありえるので、
別の意味で恐る恐る見た。
まず、怪奇現象は徐々に徐々に、じわりじわりとやってくる。
予告編にあった衝撃的なシーンがなかなか出てこないので、
「いつ出てくるのか?」とちょっと違ったドキドキ感を味わえる。
また、予告編では当然のごとく描かれていない「その後」がどうなるのか?という点も楽しみになる。
で、その予告編のドッキリシーン以降も、劇中の番組スタッフたちは、恐ろしい目に遭うんだが、
その理由も他のこの手の映画よりは、納得がいく。
彼らは仕事で行くわけで、面白半分というわけでもないんだが、
あくまでもテレビ屋さんであり、どこかしら舐めた節がある。
誠意なく、このような場所に行ってはいけないってことだ。
またテレビ番組の収録という設定なので、手持ち、定点、赤外線暗視など、
多数のカメラが違和感なく用意される。
このお陰でシーンにバリエーションが生まれ、あまり退屈しない。
若干、番組のプロデューサーのランスが、傍若無人で気障りだが、
意外と男前なところも見せてくれるので、そこまでイライラしないのも好ポイント。
フェイク・ドキュメンタリー・ホラーって、
必ず見ているこちらの神経を逆なでするようなキャラが登場するんだよね。
ショックシーンはラストに一発!ということはなく、サービス精神も旺盛だ。
見たら「意外とこんなもんか?」ってのが多いジャンルだけど、
普通にホラー映画として、楽しく鑑賞することが出来ました。