2012年06月20日更新

#667 『アメイジング・スパイダーマン』

アメイジング・スパイダーマン


『アメイジング・スパイダーマン』
2012年6月30日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©2012 Columbia Pictures Industries, Inc. MARVEL, and all Marvel characters including the Spider-Man character & TM ©2012 Marvel Characters, Inc. All Rights Reserved.


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本公開は6月30日からですが、23日、24日に先行上映があるので、
今週紹介したいと思います。


2012年にサム・ライミが手掛けた『スパイダーマン』から早10年(!)。
キャスト、スタッフを一新して、新たにスタートした新シリーズの第一弾。


確かに『スパイダーマン』から10年経っているけど、
最終章の『スパイダーマン3』が公開されたのは、2007年。


そうはいっても、記憶に新しい。


「なんでまたスパイダーマンなの?」
という疑問を抱く人は沢山いると思う。


「スパイダーマン」が1962年にマーベル・コミックに初登場してから50周年だから、
という大義名分があったりするのですが、
ハリウッドはやっぱりネタ不足なんじゃないかな?、なんて邪推したりして。


抜群の知名度を持つ「スパイダーマン」でもう一儲けってしよう!という製作意図は、
当然あるんだろうけど、テキトーに作ったのでは、ファンから総スカンを食らってしまう。


ちゅうことで、かなり気合を入れて、リニューアルを施している。


前3部作にはなかった要素や描かれなかった物語が盛り込まれているし、
スパイダーマンから発射されるクモの糸が機械化されるなど、設定が変わっている。
新たな技術も導入されている。


amazingspidermankumoito.jpg


例えば、サム・ライミ特有のユーモア、B級臭さがない。
今回の物語は、“ピーター・パーカー”の秘密がテーマになっている。


前3部作の時代にはまだ未熟だった3Dの技術を駆使して、
「スパイダーマン」の躍動感を伝えるというチャンレンジもしている。


最初は、どうしても前3部作と比較しながら見てしまったが、
これらの新機軸が巧く作用したからか、途中から自然に別物だという気持ちに切り替わった。


『(500)日のサマー』を手掛けたマーク・ウェブらしく、
前半はドラマ色が強く、ちょっとモタモタしたところがあったが、
このドラマパートが後半生きてくるはずと信じ、とりあえず我慢。


で、案の定、ピーター・パーカーを中心にして、
様々な物語がバランスよく描かれていることがわかってくる。


amazingspiderema.jpg


ピーターの父親への複雑な思い。
ピーターのベンおじさん、メイおばさんへの感謝と申し訳ないという思い。
ピーターとグウェインの恋。
ピーターとグウェインの父ステイシー警部との微妙な関係。
ピーターと敵対することになってしまうカート・コナーズ博士。


これら主要なパート以外も、
ピーターと同級生の男の子やベンおじさんを殺害した犯人など、
今後、シリーズが進むにつれ、きっと重要になってくるであろう人物もちゃんと配している。


これだけの物語をアクションとうまくブレンドして、
中盤からクライマックスにかけて一気に盛り上げていく。


ピーターが妙に優等生だったり、あんまり葛藤しなかったりと、
足りない部分もあるっちゃるが、これがなかなか凄かった。


「スパイダーマン」の活躍には、アクション的な高揚感とドラマチックな悲壮感が漂い、
超ベタなんだけど、グッとさせられた。


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それから役者ですが、トビー・マグワイアに変わって、
今回は『ソーシャル・ネットワーク』で知名度を上げたアンドリュー・ガーフィールドが、
ピーター・パーカーを演じている。


様々な表情を見せてくれるので、
高校生に見えないけど、まぁ、いいんじゃないでしょうか?
大役を演じるプレッシャーも相当あったことでしょう。


この他、マーティン・シーン、サリー・フィールドといった、
ベテランが脇を固めていて、厚みを出している。
映画ファンとしてはこの2人の共演は、嬉しい限り。


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あと、演じたリース・イーヴァンスが、
カート・コナーズ博士を時にクールに、時に熱く、時に激しく演じている。
醒めた演技、熱演、怪演を使い分ける必要があり、とても難しい役だと思う。


いつの間にか表記がリス・エヴァンスから、
リース・イーヴァンスに変わっていたんだが、
体系も激しく変わっていた。


『ノッティング・ヒルの恋人』や『リプレイスメント』の時は、
もやしみたいに細かったのに、貫禄が出ていました。


amazingspiderrish.jpg


概ねキャスティングは、いい感じなのですが、
ひとりどーしても微妙なのが、グウェイン・ステイシー役のエマ・ストーン。


グウェインは『スパイダーマン3』にも登場するが、
この時も苦手な女優であるブライス・ダラス・ハワードが演じていた。
どうやらこの役とは馬が合わないようだ・・・。


もっというと、前3部作のヒロインであるキルスティン・ダンストにもまったく魅力を感じないので、
「スパイダーマン」シリーズのヒロインとは相性が悪い。


こればっかりは好みの問題なので、仕方がない・・・。
でも、エマ・ストーンの足は好きです。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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