『アベンジャーズ』
2012年8月14日より全国にて
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
TM & ©2012 Marvel & Subs.
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国際平和維持組織シールドの基地に、神々の国アスガルドを追放された邪悪な神ロキが現れ、
世界を破壊するパワーを持った四次元キューブが奪われてしまう。
シールド長官ニック・フューリーは、最強の力を持つヒーローたちを呼び寄せ、
“アベンジャーズ”を結成し、ロキと戦うことを決意する。
マーベル・コミックに登場するヒーローたちが、一堂に会するアクション超大作。
スターク・インダストリーズCEOにして天才発明家のトニー・スターク=アイアンマン。
神の国アスガルドの王オーディンを父に持つ最強の戦士ソー。
第二次大戦時、超人兵士計画によって強靭な肉体を手に入れ、
70年ぶりに覚醒したスティーブ・ロジャース=キャプテン・アメリカ。
天才科学者であり、超人兵士計画の実験中にガンマ線を浴びたため、
怒りの感情を抱くと緑色の巨人へと変貌するブルース・バナー=ハルク。
『アイアンマン』、『アイアンマン2』、『マイティ・ソー』、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』、
『インクレディブル・ハルク』といった過去の映画化されたヒーローに加え、
『アイアンマン2』に登場した魔性のスパイ・ブラック・ウィドウ=ナターシャ・ロマノフ、
『マイティ・ソー』にほんの少しだけ顔を見せる弓の名手ホークアイ=クリント・バートンが、
メインキャラクターの一角を担っている。
この6人のヒーローたちによる“アベンジャーズ”の他にも、
シールド長官のニック・フューリー、
『アイアンマン1&2』、『マイティ・ソー』に顔を出しているシールドのエージェント=フィル・コールソン、
シールドの副司令官で、今回ニューカマーとなるマリア・ヒル、
『マイティ・ソー』で重要な役割を担ったシールドの天才科学者エリック・セルヴィッといった面々が登場。
更に敵役となるロキもいる。
これだけのキャラクターを集めていながらも、それぞれそれなりの見せ場を作り、
それぞれ緻密に絡み合わせて、物語に奥行きを出している。
一方で、そこまでマーベルとかに詳しくないライトな観客にも理解できるような工夫が成されている。
ヘビー、ライトのどちらにも対応可能というオールラウンドな映画だ。
大風呂敷を広げ過ぎて、ポンコツ映画に成り得る可能性だってあったはずだが、
そうならないのは、最近のハリウッド映画が熟練してきている証拠か?
単なるヒーロー寄せ集めの映画に陥っていない点が凄いね。
凄いといえばキャスト。
ロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス、クリス・ヘムズワース、
マーク・ラファロ、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、
サミュエル・L・ジャクソンというビッグネームが共演。
これだけでもスゲェ〜。
登場時間は短いが、グウィネス・パルトロウも出演しているし、
ステラン・ステラスガルドだっている。
分かり難いですが、ロバート・ダウニーJr.は、ブラックサバスのTシャツを着ています!
主役クラスの俳優たちであり、他の映画の撮影とかも当然あるわけで、
スケジュール調整だけでもかなり大変だったはず。
アクションも多いので俳優たちは、撮影前にトレーニングをする必要もある。
そう考えると、本当に奇跡のような映画だ。
因みに『インクレディブル・ハルク』でハルク役を演じたエドワード・ノートンは、
ギャラと製作陣営との方向性の違いで衝突し降板。
代わりにマーク・ラフォロがハルクを演じている。
エドワード・ノートンがハルクを演じる『アベンジャーズ』も見たい気がするが、
まぁ、仕方がない。
それはともかく、スター至上主義的なところがあるので、
この大スター豪華共演だけでも大興奮だ。
個人的には、やっぱりブラック・ウィドウ演じるスカーレット・ヨハンソンがよかった。
あと、フィル・コールソンが超良い味出しています。
続いてアクションだが、シールドの基地が崩壊するという衝撃的なド頭から、
アクションのつるべ打ち。
ロキ率いる敵と戦い、時に味方(?)同士でも戦っちゃう。
あの手この手で観客を楽しませてくれる。
映像も流石はハリウッド大作。
素晴らしい。
なんちゃってなCGは、あまり見受けられない。
クライマックスとなる市街地での戦いでは、
全キャラクターの活躍をワンカットで見せるシーンがあり、
動きのある長回し好きとしては、たまりませんでした。
ということで、娯楽映画として申し分のない一級品。
が、欲を言えば、もう少し心に残るというか・・・、
感情を揺さぶられるような何かが欲しかった。
ヒーローたちの仲違いから一致団結に至るまでの過程が弱いし、
ヒーローたちと一般人たちとの関係も一歩踏み込みが足りない。
ヒーローは、弱きを助け、巨悪と戦うのが基本だと思うので、
もう少し市井の人たちが窮地に陥る様を描かないと、
ヒーローたちがただ単に頑張っているだけになってしまい、
ラストの大団円が盛り上がらんのだ。
とはいえ、「日本よ、これが映画だ。」というキャッチコピーに嘘偽りはなく、
日本映画ではまず作ることの出来ないであろう作品です。
大きなスクリーン、音響設備が整った劇場で見るべき映画。
そう、まさに本来あるべき姿の映画なのですよ。
間違ってもケータイなんぞで見ちゃいかんです。
あっ、上記に出てきた『アベンジャーズ』の関連作品ですが、
出来ることならば、全て見ておいた方が良いです。
とかいっちゃうと、一気に鑑賞へのハードルが高くなってしまいますが、
“出来れば”です。
見ていなくても、十分楽しめます。
いや・・・でも・・・『マイティ・ソー』だけでも見ておいた方が良いかなぁ・・・。
『マイティ・ソー』だけ、ちょっと世界観が違うので、
いきなりだと戸惑うかもしれません。
見る気がしないのならば、せめて【伊藤Pの部屋】の『マイティ・ソー』を読んで下さい。
少しは鑑賞の手助けになるかもや・・・。
実は、『アベンジャーズ』でちょっとがっかりしたことがあった。
それはソーが、意外と“まとも”になってしまったこと・・・。
中西学のように永遠の“バカ”であって欲しかった。