『エクスペンダブルズ2』
2012年10月20日より全国にて
配給:ポニーキャニオン、松竹
©2012 Barney's Christmas, Inc.
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シルベスター・スタローン(スライ)の呼びかけによって、
豪華スターが集結したアクション映画『エクスペンダブルズ』の続編。
前作同様、スライ演じるバーニー率いる最強の傭兵軍団エクスペンダブルズ(消耗品軍団)の激闘を描く。
傭兵軍団のうち、スライ以下、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、
ドルフ・ラングレン、テリー・クルーズ、ランディ・クートゥアが続投。
残念ながらミッキー・ロークが不参加となっているが、
その代わりに、前作でカメオ出演だったブルース・ウィリスとアーノルド・シュワルツェネッガーが本格参加。
さらに敵役として、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、
さらにさらに『地獄のヒーロー』チャック・ノリスまで登場。
アクションスターがこれだけ揃うだけでも、
万々歳ではあるのだが(80年代だったら絶対に有り得なかった)、
その分、前作からエクスペンダブルズの一員として頑張っていたレギュラーメンバーの影が、
俄然薄くなってしまったのは、いただけない。
唯一、見せ場らしい見せ場が用意されているのは、ジェイソン・ステイサムぐらいで、
ジェット・リーは、早々に姿を消しちゃうし(撮影スケジュールが合わなかった?)、
ドルフ・ラングレンは、ボケキャラに成り下がってしまった。
テリー・クルーズとランディ・クートゥアに至っては、
アクションシーンでたまに短いカットが入るぐらいで、存在感がまるでない。
まぁ、でも仕方ないか・・・。
ブルース・ウィリスもシュワちゃんも、マシンガンぶっ放しているだけなんだが、
それだけで絵になっちゃうからね。
格が違うというか・・・。
プロレスで言うと引退後のアントニオ猪木みたいなもんですよ。
会場に現れるだけでも、場内は盛り上がる。
それと一緒で、スライ、ブルース、シュワの3人が、そろってマシンガンを撃つシーンとか、
アクション映画で育ってきた者としては、震えるものがある。
チャック・ノリスは、もう70を過ぎているんだが、あまり年を感じない。
相当顔をいじっているって話だが・・・。
顔のしわを伸ばしすぎたせいか、意外と声が高くて、可愛らしかった。(関係ない?)
こんな声だっけ?と思ったんだが、
よくよく考えたらチャック・ノリスをスクリーンで見たのははじめてかも。
『テキサスSWAT』も『地獄のヒーロー』も『野獣捜査線』も『デルタ・フォース』も、
みんな「日曜洋画劇場」か「ゴールデン洋画劇場」で見た。
つまり全部吹替え版で見たってことだ。
そんなチャックじいさんは、おいしいところを掻っ攫っていきます。
ほとんどギャグ化していました。
もう1人、ジャン=クロード・ヴァン・ダムは、悪役に徹していて良かったんだが、
スライとの一騎打ちは、もう少し戦いにバリエーションを出して欲しかったな・・・。
多分、二度とない肉弾戦だと思うんだよね。
最初で最後だからもっと凄いのを!!!と期待し過ぎたかも・・・。
とはいえ、キャストに厚みがでれば、運動量、火薬量も増加。
この2人の格闘のほか、本作の大半はアクションばかり。
ただ、特に凝ったアクションシーンはなく、至ってオーソドックス。
出ている俳優たちを考えると、これが最良の選択ではないでしょうか?
本作の監督、サイモン・ウェストのアクション演出は、手堅いです。
何度もこのブログで述べていますが、
アクションシーンは、誰がどこにいて、何をしているのかが観客に伝わらないと、
ただ騒がしいだけになってしうまうケースが多い。
アクション映画の鑑賞の際には、必ずこれは意識して見るようにしているんだが、
サイモン・ウェストはこの位置関係が、しっかりと分かる。
とても見やすい。
あと、前作はスライが監督をしたこともあり、
『ランボー 最後の戦場』のような肉片粉砕ショットがたくさんあったが、
今回は、サイモン・ウェストに代わり、残酷なショットが控えめになった。
よって、R15+からPG12にレイティングが落ちた。
PG12は、「12歳未満(小学生以下)の鑑賞には不適切な表現が含まれるため、
12歳未満の年少者の観覧には、親又は保護者の助言・指導が必要」と映倫が定めている。
大人の助言、指導が必要なだけだ。
ということで、是非、子供たちに、特に少年にこの映画を見て欲しいな。
で、面白いと思ったら、出演している人たちの過去作も見て欲しい。
今のアクション映画に比べたら、地味でチープかもしれないけど、
その分、生身の人間がアクションをこなしているし、カースタントも、
爆発もほとんどが本物ですよ。(中にはミニチュアとかもあるけど)
さて、この「エクスペンダブルズ」シリーズですが、第三弾の構想もあり、
それにはニコラス・ケイジの出演が決定したとかしないとか・・・。
また、スティーブン・セガールや服役中で出演が叶わなかったウェズリー・スナイプスや、
なんとクリント・イーストウッドにまで、オファーがかかっているなんていう噂もチラホラと。
さらに、女性版「エクスペンダブルズ」もあるらしい。
大スター共演の奇跡の映画だったわけですが、
しっかりフランチャイズ化されております。