2012年10月初旬の夕方、江戸川橋駅近くにあるキングレコードで仕事があった。
江戸川橋駅の1a出口を出てすぐ正面に江戸川橋があり、
その上には首都高速5号線が走っている。
橋の下を流れるのは神田川。
なのになぜ江戸川橋!?
という疑問にぶち当たるわけですが、その由来は以前、
本ブログの「東京の駅名の由来と日本橋」で紹介している。
改めて記述しておく。
“神田川は昔、3つの名称に分かれていた。
水源である井の頭公園から早稲田の辺りまでを「神田上水」。
早稲田から飯田橋辺りまでを「江戸川」。
飯田橋から隅田川までを「神田川」。
昭和40年に神田川で統一され、江戸川橋は、昔の川の名前の名残。”
江戸川橋には何度か来ているが、そんな由来を知ってから来ると、
なんだかちょっと訪れた際の感じ方が違います。
江戸川橋が神田川に架かる橋ということすら意識していなかったし、
この川の水源が、地元の井の頭公園というのも感慨深い。
そんな思いを胸に秘め、仕事をこなした訳ですが、
せっかく江戸川橋に来たのに散策をしない手はない。
ということで、今回は江戸川橋からスタートした散策記を綴ってみたいと思います。
仕事完了後、まず向かったのは、「東京カテドラル聖マリア大聖堂」。
今から100年以上も前の1900年に創立したカトリック系の教会で、
吉田茂元内閣総理大臣の葬儀が行われたことで知られている。
この【散策の部屋】ではいつもは寺や神社にばかり行っているのに、なんで教会へ?
というのは、ここにはフランスの聖地を模した「ルルドの洞窟」があるから。
1911年にフランス人宣教師によって作られた礼拝施設なんだが、
「ディープツアー2012 稲城」のきっかけとなった「ニッポンの洞窟」という本で取り上げられていて、
その存在を知って以来、“穴フェチ”としては一度訪れておきたい地だったのです。
キングレコードでの仕事を終え、さっそく向かったんだが、
既に時は19時で、陽は完全に暮れていた。
こんな時間に教会が開いているのか不安だったが、
目白通りを北上し、椿山荘のはす向かいにある「東京カテドラル聖マリア大聖堂」行ってみると、
幸い敷地内は解放されていた。
シーンと静まり返る厳かな教会敷地内に入ると、まずそびえ立つ塔が目に入る。
暗くて良くわからんですね。
フラッシュを焚くとこんな感じで撮れました(ピンボケですが・・・)
この塔の奥に目的の「ルルドの洞窟」があるはずなので突き進むと、
暗闇の中にうっすらとそれらしきものが浮かび上がってきた。
よっしゃっ!とばかりにデジイチ片手に近づく。
が、耳を澄ますと何やらブツブツと念じるような声が聞こえた来た。
よ〜く目を凝らしてみると、
洞窟の前のベンチに女性3人が腰かけていて、熱心にお祈りを捧げていた。
とてもじゃないが写真なんか撮れる雰囲気じゃない。
ちゅうか撮影どころか近づくことすらはばかられた。
ということで、「ルルドの洞窟」断念!!
目的が遂行できず。
無念!!
このまま帰るのも嫌なので、ほかの散策場所を考える。
iPhoneの地図でいろいろと調べてみると、歩ける距離に早稲田があった。
早稲田と言えば普通は大学なんだが、大学よりも気になるのが「戸山公園」。
第二次世界大戦期の細菌戦に使用する生物兵器の研究・開発機関であった
関東軍第731部隊による人体実験の犠牲者と思しき人たちが、多数埋められていて場所だ。
それこそ名前は伏せられていたが、
キングレコード配給の『怪談新耳袋殴り込み!劇場版 <東海道編>』で、
心霊スポットを探険し、幽霊を挑発し、
心霊現象をカメラに収める任務を担ったギンティ小林らによる“新耳Gメン”たちが訪れた地。
そこには山手線内で一番標高の高い箱根山がある。
個人的には心霊スポット云々よりも、その山に興味がある。
武蔵境の「杵築大社」、千駄ヶ谷の「鳩森八幡神社」の富士塚と、
本格的な登山は無理だが、プチ登山の楽しみを知った今、是非登頂を果たしたい山だ。
行くべ。
ルートを検索し、「東京カテドラル聖マリア大聖堂」から指示に従て移動。
目白通りを進み、「講談社野間記念館」なる大豪邸を左折すると、
今までの人生の中で1、2位を争うんじゃないか?ってぐらい急な階段が現れた。
降りだったからよかったものの、これが登りだったらしんどかっただろうなぁ。
とんでもない坂ゆえに、坂の登り口には解説板がきちんと備え付けられてあった。
写真だと読みずらいので、そのまま解説板を引用。
「<胸突坂(むなつきさか)>
目白通りから蕉雨園と永青文庫の間を神田川の駒塚橋に下る急な坂である。
坂下の西には水神社(神田上水の守護神)があるので、別名「水神坂」ともいわれる。
坂がけわしく、自分の胸を突くようにしなければ上がれないことから、
急な坂には江戸の人がよくつけた名前である。
ぬかるんだ雨の日や凍りついた冬の日に上がり下りした往時の人々の苦労がしのばれる。」
いやいや現代だって雪の日とかエグイでしょう・・・。
解説板を読んでいる間も結構人の往来があり、
中には自転車も。
もちろん、降りて登っていました。
そんな坂の隣にある「水神社」が、神田上水の守護神というこで参拝。
人気ゼロ。
手前の駐車場と鳥居の周りには野良猫たちというなかなかシビレる状況下、
独りで鳥居をくぐり階段を上がると、本殿が。
ちっちゃっ・・・とか思うとバチあたりますかね?
本殿は小さいけど、参道の両脇にそびえ立つ2本の大木はかなり立派であり、神秘的。
参拝を終え、階段を降りると最初は気が付かなかったが、
鳥居の右脇に庚申塔があった。
上の写真、庚申塔横の電柱の後ろに猫が写っているように、
ここは本当に猫が多く、猫の餌やりに対する警告文が貼られているやや物々しい空気感もあり、
なんとも言えない雰囲気が漂う場所でした。
そんな場所だからでしょうか?
「水神社」の前にある「駒塚橋」からシャッターを切ったらこんな写真が撮れちゃいました。
写真を撮ったら、必ずどんな写真が撮れたかその場でチェックするようにしている。
しかしながらこの写真は、散策後、電車の中で撮った写真を見ているときに気が付いた。
チェック時に確認した覚えが全くない写真だったので、ちょっと・・・いや、かなり戦慄でした。
以降、「早稲田 戸山公園」へと続く。