『ダイ・ハード/ラスト・デイ』
2013年2月14日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて
配給:20世紀フォックス映画
©2013 Twentieth Century Fox
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感想を問われれば、「“『ダイ・ハード4.0 PART2』”」と答えます。
今から5年前に書いた『ダイ・ハード4.0』の記事に、
「ダイ・ハード」シリーズのお約束条項を書いた。
(A)主人公のジョン・マクレーン刑事は事件に巻き込まれる“世界一運の悪い男”である
(B)マクレーン刑事はアクション・ヒーローではなく普通の人である
(C)マクレーン刑事はボヤきながらもその場その場で機転を働かせ窮地を脱する
(D)ウィットに富んだ会話 → ネタ系が多い
(E)伏線を張りまくり、最終的に全て回収する手法を取る
(F)限られた場所でテロリストと戦う
これらのシリーズの特徴は、シリーズを追うごとになくなり、
遂に『ダイ・ハード4.0』で、その大部分が無視され、
「ダイ・ハード」である意味合いが、かなり薄れてしまった。
故に『ダイ・ハード4.0』は【裏部屋】行きとなったのですが、
今回の『ダイ・ハード/ラスト・デイ』は、この『ダイ・ハード4.0』があったお陰で、
ある程度、割切って鑑賞することが出来た。
つまり、前作でシリーズたる所以を破壊してくれたので、
“俺の求める「ダイ・ハード」は、既に終わった”という前提で見ることができたのだ。
そして、今回も滅茶苦茶でした。
家庭を顧みなかったために、長年疎遠になっていたジョン・マクレーンの息子ジャックが、
モスクワで事件を起こし捕まってしまう。
その身柄を引き取るために遠路はるばる異国の地にやって来たジョンは、
息子ともどもトラブルに巻き込まれてしまう。
(厳密に言うとこの表現は正しくないんだけど、まぁ、いいや・・・)
序盤の爆発シーンから、サービス精神旺盛のカーチェイスへと突入。
やっと一息と思ったのも束の間、今度は銃撃戦。
逃走劇の末、敵に身柄を捉えられ・・・と、
次から次へと2人に苦難が降りかかり、息つく暇もない。
ジョンもジャックも「ダイ・ハード=絶対にくたばらない」を超越し、
もはや不死身の領域。
『ダイ・ハード4.0』がそうであったように、
どんなに怪我をしようが、疲れようが、次の段では元気モリモリ!
どんな回復力だ!と突っ込みのひとつも入れたくなるんだが、
これは『ダイ・ハード4.0 PART2』だからね。
頭からお尻まで、ド派手なアクション満載。
そういった点では満足なんだけど、
やっぱり「ダイ・ハード」って冠が付いている以上、
「ダイ・ハード」を意識してしまう。
でも、それは作品の出来、不出来ではない部分だったりする。
『ダイ・ハード』を観たのは、中学3年の初春、受験を終えたばかりの頃。
地元・吉祥寺の映画館で一人で鑑賞したんだけど、
その時は、25年後にそのパート5が製作されるなんて、これっぽっちも思っていませんでしたよ。
25年・・・、25年ですよ!!
ブルース・ウィリスの頭には髪の毛があった。
敵役アラン・リックマンもまだセブルス・スネイプにはなっていなかった。
ちゅうか、スネイプなるキャラクターすら存在していなかった。
ブルース・ウィリスと死闘を繰り広げた故アレクサンドル・ゴドゥノフも生き生きとしていた。
俺も童貞だった。
みんな若かった。
そんな感慨に耽るところもあり、ちょっと複雑な感情を抱きながら観てしまいました。
シリーズへの思い入れが強ければ強いほど、様々な感情を喚起させる作品のような気がします。
息子のジャックを演じたジェイ・コートニーが、『アウトロー』に引き続きよかったけど、
地味だから日本では到底ブレイクしないだろうとか、
『エネミー・ライン』のジョン・ムーア監督の演出はそつがないとか、
クライマックスの戦場が、今の日本人にとってはちょっと心中穏やかじゃないないなぁ〜とか、
他にもいろいろとあるんですけど、結局のところ、
“この手の映画はつべこべと御託を並べずに見る!”に限るのかなと。
上映時間は、シリーズ最短の1時間38分。
ということで、このブログも短めに切り上げるとしよう。
(決して、やる気がないわけではない)