2013年06月01日更新

皇居

つ、梅雨だぁ!!!!!!


ってことはもう1年の半分に差し掛かっているの?
この前正月じゃなかったっけ?


そんな折、この【散策の部屋】もようやく2013年に実行した散策に辿り着きました。


さて、先日、柳家喬太郎の「東京タワー・ラヴストーリー」という落語を聴きました。



サムネイルは「名探偵コナン」だけど、「東京タワー・ラヴストーリー」です。


38歳のメタボ野郎が、ネットで知り合った青森に住む21歳の女性と東京タワーに行く新作落語なのですが、
小生は東京に39年間暮らしているけど、一度も東京タワーに登ったことがない。


小学生の時にオープンした東京ディズニーランドも大学生になってからデビューしたし、
ディズニーシーに至っては行ったことがない。


東京スカイツリーも遥か遠方から拝むだけ。


所謂、東京の観光名所と呼ばれているところには、あまり積極的に足を向けていない。


そして、皇居もそのひとつとして挙げられる。


もちろん、ランナー(結構若くてかわいい子が多い)が、ガンガン走る皇居の周りを歩いたことはあるけれど、
一般開放されている「皇居東御苑」を参観したことがない。


以前はなんの意識もしていなかったけど、
歴史に興味を持つようになった今は、元江戸城だった場所に行ってみたいと常々思っていた。
ということで、行ってみることに。


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内堀通りと日比谷通りの日比谷交差点近くから撮影。


日比谷通りの馬場先門交差点を左折すると、一気に視界が開ける。
東京のど真ん中とは思えないような贅沢な空間で、ゆったり、のんびりした感じ。


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この道を直進し、内堀通りの二重橋前交差点を渡ると「正門」に辿り着く。
「正門」の前に架かる橋は、石で造られた「正門石橋」。


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「正門」は当然の如く、固く閉ざされ、
バリケードが施されているうえ、皇居護衛官が目を光らせており、
ここが“特別な場所の入口”であることを物語っていた。


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厳重な警備の「正門石橋」ですが、毎年1月2日の参賀と12月23日の天皇誕生日に渡ることが可能。
いつか機会があったらトライしてみたい。


そんな「正門石橋」の奥にあるのが、有名な「二重橋」。


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元々は木造で橋桁が上下二段だったこから「二重橋」と名付けられるようになった。
現在の橋は、鉄橋で昭和39年(1964年)に架けかえられたもの。


この橋も参賀と天皇誕生日に渡ることが出来る。


右手の木の奥に見える屋根は、三代将軍家光が、
京都の伏見城の櫓を解体して移築させた「伏見櫓」(別名:月見櫓)。


ところで、千代田線に二重橋前という駅がありますが、駅から結構遠いです。
(馬場先門駅と改名した方が良いかも!?)


二重橋を後にし、「二重橋濠」に沿って砂利道を北上していくと「桔梗門(内桜田門)」がある。


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この日は皇居内のどこかが工事中らしく、バンバントラックが出入りしていたうえ、
周辺には皇居護衛官ではなく、警察官がうようよといて、とても近づける状況ではありませんでした。


「桔梗門」の右手にあるのが「巽櫓(桜田二重櫓)」。
よく映画やテレビドラマで使われる櫓です。


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一階の一部分がせり出しているのは、敵の侵入を防ぐため。
皇居がかつて江戸城という要塞であったことを思い出させる櫓だ。


「巽櫓(桜田二重櫓)」を越えて内堀通りを進むと「皇居東御苑」の入口となる大手町門があり、
いよいよ、念願の皇居!と思ったら、入園は午後3時30分まで。
既にその時刻を回っており、参観不可!
※シーズンによって入園終了時間は異なります。詳しくはHPで。


む、無念じゃ・・・。


仕方がないので、「大手町門」近辺を散策。
この辺は、たまに会社帰りに散歩がてら訪れているんだけど、日中来るのは初めて。


まずは「巽櫓」にほど近い、「和田倉噴水公園」の北東にある石垣を見に行った。


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夜と明るい時間帯とでは目に映る景色は大違いだし、写真の撮影も楽だ。


初めてこの石垣を見たのはそれこそ夜だったんだけど、
この石が、秋川の石切り場から切り出され、五日市街道を通って、江戸まで運ばれたのかなぁ?
なんて思いに耽りました。


この石垣と日比谷通りを結ぶ橋は、
映画『テルマエ・ロマエ』で、阿部寛が現代にやってくるシーンに登場します。


そして、写真の奥に写っているのが「和田倉橋」。


正面から見るとこんな感じ。


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かつて「和田倉門」を形成していた石垣が左右にあり、なんとも趣のある風景だ。


この橋の由緒に関しては、案内板に譲ります。


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橋を渡ると、右手、正面に石垣があり、
「和田倉門」は、かつて江戸城の門が枡形であったことを偲ばせる。


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この後は、近くにある「平将門の首塚」に参拝して、今日の散策は終わりかなと思っていたのですが、
「和田倉」という地名から、フッと盟友のナレーターで、
駒澤大学文学部歴史学科日本史学専攻卒業生である佐藤アサトが、以前に教えてくれた言葉を思い出した。


その言葉は、「旃檀林(せんだんりん)」。


「旃檀林」は、駒澤大学の前身のひとつで、
仏教の研究と漢学の振興と専門家の育成を目的とした学寮のこと。


これが小生が住んでいる吉祥寺と縁があるのです。


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室町時代の1458年。
太田道灌が江戸城内の「和田倉門」付近に、「吉祥寺」という禅宗派である曹洞宗の寺院を創建。


武蔵野市の「吉祥寺」は「きちじょうじ」ですが、
この寺院の「吉祥寺」は「きちじょうじ」ではなく、「きっしょうじ」と読む人が多い。


なぜならば、寺の名前が、
江戸城内の井戸から発見された「吉祥(きっしょう)」という金印に由来するから。


「吉祥」は、ヒンドゥー教の女神で美と豊穣の神ラクシュミーが、
仏教に取り入れられた神である「吉祥天」のこと。


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「ウィキペディア」より


「吉祥天」のことを「きちじょうてん」とは読まないですよね。


さて、この江戸城内に建立された「吉祥寺」は、
1590年の徳川家康の入府の際の拡張工事に伴い、駿河台(文京区本郷)に移転。


そして、1592年、「吉祥寺」内に学寮「学林(吉祥寺会下学寮)」が創立される(創立者不明)。


その後、1597年に、日本を訪れていた中国の僧・陳道栄が、
禅の根本的な思想を詩の形で端的に表現した書物「証道歌」に記されていた
「栴檀林無雑樹。鬱密森沈獅子住」という言葉から、「学林」を「旃檀林」という名称に変更する。


「栴檀林無雑樹。鬱密森沈獅子住」は、「旃檀林に雑樹なし、鬱密深沈として獅子のみ住す」の意で、
もっと砕くと、「栴檀の林には混じった木はない。
栴檀の林がうっそうとしていて、奥深く静寂に包まれ、獅子しか住まない」となる。


「栴檀」とは落葉高木のこと。
植物には詳しくないので、「栴檀」を調べてみてところ、
葉、実、花の形が合致する木が、近所の本田北公園にあったような気がした。


行ってみたところ、多分ネットで調べた諸条件に符合するこの木が、栴檀だと思う。


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そんな栴檀の林を雑念がない僧侶の集まりと重ね合わせ、
「栴檀林」という学寮名になったということのようだ。


因みに獅子はライオンのことですが、中国では宮殿を守る獣とされ、
それが日本の狛犬のルーツになっている。


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「鶴ヶ峯神社」より


また、僧侶の養成所で、仏教学の研究が行われた施設を「檀林」という。


「栴檀林」には、「栴檀」「檀林」の両方の意が込められている。
「栴檀林」という言葉は、なかなか奥深い。


さて、「栴檀林」という学寮を擁した「吉祥寺」ですが、
明暦の大火(1657年)、江戸の大火(1968年)をきっかけに駒込に移転し、現在に至っている。


でもって、この駿河台の「吉祥寺」近辺に住んでいた人たちが、
大火の後の区画整理で移住を余儀なくされた。


その移り住んだ先が、当時は一面原っぱであった現在の武蔵野市吉祥寺。
※詳しくは【散策の部屋】「武蔵野市(全8巻)」にて。


一方、駒込の「吉祥寺」は、明治15年(1882年)に「栴檀林」が離れ、
麻布(現在の六本木ヒルズ周辺)へと移り、
「泉岳寺(!)」や愛宕にある「青松寺(せいしょうじ)」の学寮と統合して「曹洞宗大学林専門本校」に改称。


さらに「曹洞宗大学」という名称を経て、1913年に駒沢に移転し、1925年に「駒澤大学」となる。


ということで、「和田倉門」から「栴檀林」、「栴檀林」から駒込の「吉祥寺」が連想された次第。


以前より駒込の「吉祥寺」の存在や歴史を知ってはいたが、行ったことがない。
己の地元のルーツである「吉祥寺」には、いずれ行かなくては思っていた。
皇居散策が出来ず、「和田倉門」を訪れ、閃いた駒込「吉祥寺」。


そうだ、駒込に行こう。
思い立ったらすぐ駒込。


ということで、駒込の「吉祥寺」へ行くことに。
しかし、ネットで調べたら17時で閉門のようだ。


時期的にも17時になると日没で、写真を撮るのが困難。


急げ!!


と言いながらも、やっぱり皇居の「大手町門」から近い「平将門の首塚」に参拝することに。


以降、「平将門の首塚&鎌倉橋」に続く。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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