『エンド・オブ・ホワイトハウス』
2013年6月8日より新宿ピカデリーほか全国にて
配給:アスミック・エース
公式サイト
©2013 Olympus Productions,Inc
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先日、『エンド・オブ・ホワイトハウス』のキャンペーンで来日した
ジェラルド・バトラーの単独取材に行ってきた。
今回は、「エンタメ〜テレ」の番組用なので、
2011年の夏に取材した『天国からのエール』の阿部寛さん以来となる久しぶりのTVカメラ有の取材。
取材のやり方忘れちゃったよ(なんてね)。
場所は、ソフィア・コッポラ監督作『ロスト・イン・トランスレーション』の舞台となった
新宿のパークハイアット東京。
小生が映画の宣伝マンだった頃は、海外の大物俳優・監督の来日といば、
このパークハイアット東京だった。
宣伝マン時代、多くの取材の立ち合いをしてきたけど、
中でも印象深いのが、1999年の『マトリックス』だ。
キアヌ・リーブス、キャリー=アン・モス、ローレンス・フィッシュバーン、
監督のウォシャウスキー兄弟(当時※兄のラリーが08年に性転換手術をしている)、
プロデューサーのジョエル・シルバー、特撮監修のジョン・ゲイター、
コンセプト・デザイナーのジェフリー・ダローの8人+多くの取り巻き御一行で来日。
来日の時に関係スタッフに配られたサイン入りスチール。
キアヌだけサインがない!!!(ほとんどサインを書いてくれなかったらしい)
キアヌとキャリー=アンのセット。
ローレンス・フィッシュバーン。
ウォシャウスキー監督とジェフリー・ダローのセット。
ジョエル・シルバー。
ジョン・ゲイター。
以上、5つの取材部屋が同時進行で稼働。
因みに月曜日からの来日ツアーだったんだけど、
ローレンス・フィッシュバーンの来日が決まったのが、前週の金曜日。
「どんな媒体でも構わないから、とにかく埋めろ!!」という配給会社の指令の元、
電波・雑誌・新聞の媒体担当が、会議室に缶詰めになり、
媒体に電話しまくり、その日のうちに全部埋めた。
パブリシストの意地だね。
そして、ひとつの媒体が、全タレントのインタビューをこなすケースもあり、
15分ずつ割り振られた個別取材のスケジュール調整は、パズルの状態。
まさに分刻み。
取材は押すのが当たり前。
しかし、今回は押すと大変なことになる。
そして、当日。
初っ端らからジョエル・シルバーが時間通りに来なかった。
キアヌが予定にないブレイクタイムを要求し、煙草をスパァ〜。
あーだこーだと考えながら組んだタイムスケジュールなんて無意味となり、
もうてんやわんやの大騒ぎ。
当時は携帯電話がそこまで普及していないし、
インカムなる便利な代物もなく、ホテルの廊下を駆けずり回った。
決められた取材開始時間なんて、無視して、
その場にいる媒体を片っ端から取材部屋に連れて行き・・・の連続。
何度か来日取材の仕事をこなしてきたけど、
この『マトリックス』の来日が一番壮絶だった。
(『パーフェクト・ストーム』の東京国際フォーラムも凄かったけど・・・この話はいずれ)
「この来日を経験したら、今後、どんな来日があっても大丈夫だな」って、
『マトリックス』の宣伝プロデューサーと話しをした程だ。
そんな思い出の地であるパークハイアット東京には、
媒体側に回ってからも何度も行ったが、本当に久しぶりだ。
いつ以来だろと調べてみたんだけど、
2009年の『ATOM』のプロデューサー、マリアン・ガーガー以来のようだ。
3年以上ぶりに訪れたパークハイアット東京。
いやー、やっぱりアクセス悪いねぇ。
新宿駅からは遠いし、西新宿からも若干距離がある。
駅直結の六本木グランドハイアット東京、日比谷のザ・ペニュンシュラ東京に
お客(映画会社ね)を取られても仕方ないような気がするな。
エレベーター前にあるオブジェも健在。
初めてパークハイアット東京に来た時に落とし物だと勘違いした、
これまたオブジェの腕時計も以前のまま。
そして、エレベーターで一気に39階まで上がるんだけど、
気圧の変化で耳が遠くなる現象に見舞われるんだよねぇーって、
懐かしんでいたら、今回もなり、何度も唾を飲み込む。
39階でエレベーターを乗り継ぎ、指定された取材部屋に到着。
今回の取材のアテンドは古巣のレオ・エンタープライズ。
部屋に入ると、レオ時代隣に座っていた『マトリックス』の宣プロのHさんがお出迎え。
Hさん、レオの取締役になったはずですが、未だに現場に赴くのですね。
今回は、単独取材のトップバッターなので、
取材部屋の隅っこで、時間までHさんと映画業界、特に洋画の今について語り合う。
後5分ぐらいで取材開始時間になる頃、
ジェラルド・バトラーの入りが遅れるかも・・・という知らせが。
結果、取材開始時間を15分過ぎても来ない。
悪いことに、小生の次の媒体さんが、ケツカッチンだという。
わしもこの後ミーティングなんで、ケツカッチンといえばケツカッチンなんだが、
元宣伝マンとしては、宣伝側の気持ちもわかるわけですよ。
ということで、良い人ぶって先に譲りましたよ。
結局30分押しでジェラルド・バトラーが到着。
Hさん等現場のスタッフたちが、この30分をどうやって巻くかを話し合っていた。
で、代わってあげた媒体の後、取材部屋へ入室。
通訳は、その場の雰囲気を読んで、臨機応変に対応をしてくれる大倉さん。
先日のウォルター・ヒルのインタビューの通訳も大倉さん。
今まで何度も通訳をしてもらったんだけど、本当に素晴らしい通訳さんです。
通訳が大倉さんだと安堵するぐらい。
前の媒体さんが2つカメラを回し必要があったのに対して、
こちらは1カメなので、セッティングを変更。
その間、大倉さんは、小生が英語を喋れないのを知っているからか、
自分に代わって、「次のインタビュアーは、Kazuyuki Itoh」と先に紹介してくれた。
残念ながら、ジェラルド・バトラーは、セッティング変更しているカメラ班と会話を開始し、
聞いていなかったんだけど、こういう配慮ってなかなかできないと思う。
でもって、ここでトラブル発生。
ICレコーダーの電源を入れたら、「電池を変えてください」というアラートが表示された。
おい!おい!会社出る前に確認した時は、電池満タンの表示だっただろう!!
替えの電池もなく、どうしようと思っていたら、
「iPhoneで録音しては?」という提案が。
な・る・ほ・ど!
機内モードに設定し、カメラの動画で録音するってことですね。
ICレコーダーいらないじゃん。
そうこうしているうちにセッティングが完了。
挨拶となるわけですが、ウォルター・ヒルの来日取材の反省を踏まえて、
握手の後の自己紹介は、「My name is Kazu Itoh」。
「Kazuyuki」じゃなくて「Kazu」ね。
結果、効果覿面。
「Oh!Kazu」って。
下手糞な発音でも「Kazu」は通じる!
そして、1問目は「本作に関わった経緯」を聞いたんだけど、
大倉さんが、「Kazuからの質問は」という風に
ジェラルド・バトラーに伝えていたのを聞き逃さなかったよ。
大倉さん、マジで凄いっす。
ウォルター・ヒルの取材の時のやり取りと、今回、小生が「Kazuyuki」ではなく、
「Kazu」と自己紹介したのを考慮しての「Kazuからの質問」であることは間違いない。
「大倉さん、ありがとう!」の気持ちでスタートしたインタビューですが、
正直、やりにくかった。
ジェラルド・バトラーが話した後、
大倉さんが日本語に訳すわけですが、その間、ジェラルド・バトラーが、やたらとおどける。
カメラ目線で、キメてみたり、こちらを見据えて笑ってみたり、
「俺はこんなに喋ったのか」という感じで、口に手を当ててパクパクジェスチャーしてみたり。
まぁ、私が英語を喋ることが出来たら、ジェラルド・バトラーを退屈させることはないわけで、
明らかに自分の英語力不足に起因するものなんだけどね・・・。
やっぱね、この仕事に英語はマストですよ。
(そうすると通訳さんの仕事がなくなっちゃうんだけどね)
不甲斐ない、不甲斐ない・・・。
ダメなインタビュアーの持ち時間は15分だったんだけど、
取材部屋には巻きモードがプンプン漂っていたし、
実際にあからさまな巻きが入った。
取材前のHさんたちの会話も頭の片隅にあったので、早目に切り上げた。
iPhoneで録音(録画)時間を確認したところ、実質8分だった。
今回は状況が状況だったから、意識して大分巻いたけど、
過去の取材の時も、持ち時間を越えないように心掛けてきた。
取材が押すのは当たり前。
だったら時間いっぱい使えばいい。
もっと言えば、多少オーバーしてもいいんじゃない?
でも取材をセットする側の気持ちもわかってしまう。
だからあまり時間的な無理が出来ないんだよね。
両方の気持ちがわかるというのも。、なかなか難しいものですが、
出来る限り、与えられた取材時間内に収める努力をし続けたことによって、
宣伝側の信頼を得ることが出来たから、
断続的とはいえ、10年以上もインタビュー取材の仕事が出来たと思っている。
確信犯的に持ち時間を守らない常習犯インタビュアーがいる。
そういう人は、100パー宣伝の現場スタッフから好意的に思われてないからね。
さてさて、久しぶりの大物外人俳優さんのインタビューだったんだけど、
やや消化不良に終わってしまった。
それも自分のせい。
次のインタビューでは、もう少し満足感を得られるようにしたいところですが、
果たして、インタビューの仕事、またあるかな・・・?
【『エンド・オブ・ホワイトハウス』】
主演・製作ジェラルド・バトラー来日インタビュー
今回、プロデューサーも兼ねていますが、本作に関わった経緯を教えてください
■ジェラルド:テロリストがホワイトハウスを襲うという大胆な脚本が気に入ったんだ。あとは対外的な脅威というタイムリーなテーマにも興味を持ったね。この今日的で面白い企画を映像化できるのは、友人であるアントワーン・フークアしかいないと思って、彼に監督を頼むことにしたんだよ。
以前よりアントワーン・フークア監督とは交流があったのですか?
■ジェラルド:元々、アントワンとは別の企画を考えていたんだ。本作の主人公のマイク・バニングと同じようにテロのエキスパートなんだけど、もう少しダークで、何者にも邪魔されないような孤高の人物という設定だった。このキャラクターの要素が、少しマイク・バニングにも入っていると思うよ。
では、マイク・バニングという人物をどう捉えましたか?
■ジェラルド:誇り高くて、勇気があって、妥協を許さない男らしい男だね。日々の鍛錬も怠らない。でも悩みや葛藤もある。ホワイトハウスが陥落した時に、彼が持っているそれらの要素が、うまくブレンドされて生きてくるんだ。
演じる際に心がけたことは?
■ジェラルド:今回、シークレットサービス、ネイビーシールズといった特殊な任務に就いている人たちに協力してもらったんだ。彼らと過ごした時間が、役作りに大いに役立ったよ。考え方、行動のし方、プライドといった彼らの様々な思いが、全て瞳に映っているんだ。彼らは実際に首を切られたり、腹を撃たれたりしている。そこまでして国のために戦う彼らの瞳を入り口にして、キャラクターを考えていった。
本作が今までのアクション映画と違うところは?
■ジェラルド:私が新鮮だと感じたのは、本作が昨今の北朝鮮問題と重なる部分が多いところだね。あと、我々がテロに対していかにもろいかということを意識させられる事件が、このところ多かった。だからこそ本作に信憑性が生まれるし、逆に信憑性を持たせることだ重要だった。そして、それは上手くいっていると思う。だからホワイトハウス陥落という異常事態が、絵空事とは思えなくなるんだ。
プロデューサーとしてどういう作品を目指したのでしょうか?
■ジェラルド:ホワイトハウスが陥落するシーンは、観客にその場にいるかのような臨場感を味わって欲しかった。実際に起こりうる事件だと感じてもらえるようにね。あとは、政治家が協議しているシーンにもこだわったよ。遠い存在の政治家ではなく、ひとりの人間として葛藤している姿を見せたかった。とにかくエキサイティングな映画にしたかったんだ。
最後にこれからご覧になる方に、メッセージをお願いいたします。
■ジェラルド:『エンド・オブ・ホワイトハウス』は、信じられないほどエキサイティングで、スリリングで、エモーショナルな映画です。是非、見てください。楽しいひと時を!