「怪談新耳袋 殴り込み!<地獄編 前編>」
2013年7月10日発売
3,990円税込
発売元:キングレコード
©2013怪談新耳袋殴り込み!製作委員会 BS-TBS/キングレコード
____________________________________________________________
“新耳Gメン”とよばれるメンバーが、
実話怪談集「現代百物語 新耳袋」に収録されている心霊スポットを探険し、
幽霊を挑発、心霊現象をカメラに収めるという罰当たりドキュメンタリー「怪談新耳袋殴り込み!」。
当初はDVD発売だったが、2011年と2012年にはシアターN渋谷で劇場公開され大ヒットを記録。
新たな「新耳袋殴り込み!」ファンを獲得してきた。
しかし、2012年12月をもって、東京のメイン館シアターN渋谷が閉館。
2013年は、劇場公開が危ぶまれたが、渋谷シネパレスが救いの手を差し伸べ、
3年連続劇場公開が決定した。
例年通り前後編の構成で、『怪談新耳袋殴り込み!劇場版<魔界編 前編・後編>』と題し、
それぞれ1週間限定でレイト上映される。(前編:7/13〜、後編:7/20〜)
今回ご紹介するのは、劇場公開を目前にした7月10日にDVD発売が開始となる「地獄編」で、
こちらも前編・後編の2本立て。
DVD+劇場版という痛風級に贅沢な、2013年の「殴り込み!」は、
「地獄編」から今までとは一味違う趣が施されている。
それは、Gメンの中で一番若く、立場もアルバイトということから、
メンバーの中でも人一倍酷い目にあってきた市川力夫が、なんと現場監督に昇格したのだ。
現場での監督の指示は絶対。
その権限をより明確化するために、力夫はメンバーたちに血判状を書かせて服従を誓わせ、
過去の鬱積を晴らすべく、他のメンバーたちに究極のミッションを突きつける。
そんな下克上状態のGメンたちが殴りこんだのは、以下のスポット。
■東京都○○渓谷
都心の渓谷といえば、東京23区で唯一の渓谷であるT渓谷しかない。
T渓谷が心霊スポットだったとは初めて知ったぞ。
それなりの怪異がGメンたちを襲う!
■東京都内○○墓地
映像に映し出された景観から、港区にある超有名な墓地と判明。
今年の1月、夜に恵比寿から表参道にある某所を目指して歩いた際に、無心だったのか、
ふっと我に返ったら、この墓地の中を歩いていたという変な経験をした。
一本向こうの通りは大通りだけど、とにかく静かな場所。
Gメンたちが訪れた時間帯は、恐らく夜中。
さらに静かだったと思われる。
仏が眠る静寂の地で、Gメンたちはやっぱり不謹慎なミッションを敢行するが、
これといった怪異もなく、どちらかといえば、笑いに貢献。
■東京都内○○トンネル
当時、日本中に衝撃を与えた幼女連続殺人事件の死体遺棄現場として有名なトンネル。
よって、少女の霊の目撃情報が多いという。
現在は新トンネルが開通しており、
事件の舞台となったのは旧トンネルの方で、トンネルへと続く道は廃道となっている。
知名度抜群。
事件度抜群。
雰囲気抜群。
ただねぇ・・・、
あの事件をモロにリアルタイムで接した身としては、
心霊スポット大好きだけど、このトンネルだけはちょっとねぇ・・・
今でも殺害された少女たちの顔を思い浮かべることが出来ちゃう。
25年前に起きた事件だけど、未だに生々しい。
殺人事件があって、少女の霊が目撃されて・・・という怖さよりも、
殺害された少女やその親の気持ちを考えると、切なさが込み上げてくる。
もしも自分だったら、この地で挑発的な行いは、心情的に出来ないだろうなぁ。
でも、Gメンたちはそんな感情に流されない。
やっぱりやるのである!
■東京都○○病院
こちらも超有名な廃病院なんだが、
映像業界の人には、撮影用スタジオとしてよく知られている。
ここには10年ぐらい前に、一度、夜中に行ったことがある。
上記の通りスタジオなので、しっかりと管理されており、
中に入ることは叶わなかった。
建物には電気が通っていて、明るかったし、
写真を数枚撮ったけど、特に変な写真も撮れなかった。
そんな個人的にはちょっとガッカリなスポットで、
Gメンたちは、毎度よく考えるなぁーというミッションを敢行する。
以上が、前編。
以下、後編。
■東京都○○ロープウェイ
どちらかといえば、ノスタルジックな廃墟として有名。
○○渓谷と同様、心霊スポットだとは思ってもみなかった。
廃線となったロープウェイのゴンドラが、未だにぶら下がっていることから、
廃墟マニアが多く訪れていると聞く。
廃墟好きとしては、一度は訪れてみたい地ではあった。
事実、昨年の夏に行った佐藤アサトとのディープツアーの行き先の候補として、
このロープウェイが挙がった。
しかしながら、地元の人が廃墟探索者を快く思っておらず・・・
というのをなんかの本で読んだことがあり、
結局、散策の地を稲城と鎌倉にしたという経緯があった。
Gメンたちが、そんな地元の声を聞くはずもなく、
ゴンドラの中で、女性の幽霊とツーショット写真を撮ろうとする。
■東京都雑居ビル
「地獄編」は、心霊ファンだったら誰もが知っている有名スポットが多く、
Gメンたちが殴り込んだ場所の特定は、結構、簡単だったんだけど、
この雑居ビルだけは判らなかった。
■千葉県○○トンネル
千葉県の某ダムの近くにあるトンネルで、そもそも霊的な類の話はないが、
その雰囲気が異様なため、その手のスポットとして知られるようになったトンネル。
いくつかあるトンネルのうち、一番長いトンネル内には、
坑道なのか、小さなトンネルが2つあり、
Gメンメンバーのうち2名がそのトンネルに置き去りにされる。
■山梨県○○淵
山梨県の心霊スポットの中でも高い知名度を誇っている。
戦国時代、徳川家康に滅ぼされた武田家が、
同地の金山の秘密を知る遊女55人を口封じのために殺害した場所と言われている。
ここでは、「殴り込み!」シリーズの顔ともいえるギンティ小林が、大活躍。
リアルに死ぬ可能性がある危険なミッションをとんでもない格好で遂行する姿は、
感動的でさえある。
ちゅうか、本当に良くやるわ・・・。
■栃木県○○病院廃墟
「地獄編」の最後を飾る栃木県の廃病院。
Gメンたちが潜入する前に、ギンティ小林が車の中で、
この廃病院にまつわるあるエピソードを披露する。
霊的な話ではないんだけど、別の怖さでゾッとさせられる。
小生も何度か心霊スポットと言われる史蹟を訪れたことがあるけど、
霊的な怖さよりも、別の怖さの方に恐怖を感じる。
そして、ミッション遂行中にGメンたちに様々な怪異が襲い掛かる。
その怪異とギンティ小林が話した内容が、そこそこリンクしており、
Gメンたちは霊的な怖さと別の怖さの両方に怯えることになる。
今まで「殴り込み」シリーズを見続けてきたけど、
この○○病院廃墟は、シリーズ屈指の怖さと面白さだった。
それにしても、現場監督の市川力夫は鬼だ。
今まで以上にしんどいミッションを次々と掲げ、メンバーたちを追い込み、
時に墓穴を掘る。
劇映画でも、主人公たちが乗り越えなくてはならない壁が高ければ高いほど、
見ている側としては面白い。
力夫は、ハードル高=面白いという方程式を理解し、実践する。
続く「魔界編」も力夫が現場監督を務めている。
果たしてどんな最恐ミッションが指示されるのか!?