「浜名湖 PART1」からの続き。
上うな重をいただいた「志ぶき」からすぐの小道を入ると程なく浜名湖の畔に出て、
舘山寺温泉のシンボル「浮見堂」が見えてくる。
趣のある東屋で桟橋を渡って浜名湖を眺めたいところだが、
14時20分までに瀬戸港まで辿り着く必要があるため、そのままスルー。
こちらはロープウェイで有名な「大草山」。
ロープウェイや山頂からの景色はさぞかし素晴らしいのでしょう。
湖畔の静岡県道320号引佐舘山寺線を1キロほど走り、
浜松市動物園入口を左折するとしばらく浜名湖とお別れとなる。
で、この後、写真を撮る気もなくなるほど、
かなりえげつない坂が待ち受けていた。
丸で囲った辺りです。
暑さも手伝って、さすがに汗ダクダク。
なんとか坂を登り切ると、後は坂道。
車も通っていなかったので、ノンブレーキで一気に走り降りた。
ちょー気持ち良かったっす。
坂を下ると再び浜名湖に面した道を激走。
途中、奥浜名湖に流入する都田川にかかる、
「みおつくし橋」と呼ばれる赤いアーチ橋が見えた。
沢口靖子主演のNHK連続テレビ小説「澪つくし」(1985年)と同じ名前ですが、
ドラマとは関係なくて、澪標(みおつくし)という航路を示す標識が由来のようです。
(因みにドラマの舞台は千葉県銚子)
「みおつくし橋」の近くには、
慶長6年(1601年)に徳川家康によって建てられた「気賀関所」があるんだけれども、
このサイクリングにはリミットがあるので、断念。
まぁ、現在の建物は平成2年に再建されたものだから、良しとしよう。
諦め大切。
広大な敷地面積を誇る本田技研工業浜松(製)細江工場を右手に見ながら、
浜ちゃん1号を走らせていると、浜名湖の向こう側に東名高速の浜名湖橋が見えた。
随分、遠くへ来たもんだ。
やがて交通量の激しい国道362号に到達。
しばらく進むと右手に天竜浜名湖線の「西気賀駅」があったので、ほんのちょっと休憩。
昭和13年3月建設で、登録有形文化財として登録されている歴史ある駅です。
駅前の自動販売機で水を購入し、水分補給。
小まめに水を飲まないと熱中症で倒れてしまう。
水を飲みながら天竜浜名湖線が来ないかと待ってみたが、
来なさそうなので出発。
この後も線路沿いをそこそこ並走したんだけど、
結局、一度も天竜浜名湖線とは出会いませんでした。
車の往来が激しく、あまり気持ちの良くない国道362号線を走っていると、
途中で「うなぎ 一休」といううなぎ屋を通り過ぎた。
「うん?うなぎ 一休?どこかで聞いたことがあるなぁ・・・」と記憶を辿ると、
浜名湖に行くと言った時に、会社の同僚Eが勧めてくれた店だったことを思い出した。
流石にもううなぎは無理っす。
国道362号から外れてしばらく走ると、
さっきまで遠くに見えていた東名高速浜名湖橋が、こんなに近くに!
時計を見ると13時きっかり。
遊覧船の出発まで1時間40分。
このペースだと十分間に合いそうだ。
東名高速浜名湖サービスエリアの傍の坂道を通り、
天竜浜名湖線の踏切を渡り、再び国道326号へ出て、
東名高速と天竜浜名湖線が交差する静岡県道310号瀬戸佐久米線を左折。
丸で囲った辺りです。
あとは道なりに進めば、浜名湖遊覧船瀬戸港に着くはず。
そう・・・着くはずだったのですが、
なんと途中でルートを間違えてしまい、
浜名湖ではなく、浜名湖と繋がっている猪鼻湖の方に通じる遠回りの道を走っていた。
そんなことも知らずに、呑気に史跡らしさ皆無の「一色堂」の案内板を撮影。
この直後に、道を間違えていることに気が付いた・・・。
できれば湖畔の道が良いので、iPhoneのマップを駆使しながら、
浜名湖側の静岡県道310号瀬戸佐久米線に戻ろうと試みたものの、
かなり入り組んだ細い道で迷い、時間を奪われてしまった。
ちょっとヤバイ。
諦めて猪鼻湖沿いに抜けて、瀬戸港を目指して浜ちゃん1号を飛ばす。
そして、14:00に新瀬戸橋に到着!
地図を見てもイマイチ瀬戸港の場所がわからなかったので、
橋の近くのうなぎ屋さんの店員に道を尋ねると、
新瀬戸橋を渡ってしばらくすると瀬戸港があるという。
狭いうえに車がガンガン通る危険極まりない新瀬戸大を駆け抜けると、
すぐに遊覧船のりばに到着。
時刻は14:10分。
遊覧船出港の10分前だ。
我ながら無駄のない完璧な時刻に到着したなぁーと思う。
トイレで用を足して、待つこと数分。
遊覧船がやって来ました。
浜ちゃん1号と共に乗船。
船に乗るのなんて何年振りだろうか?
遊覧船の屋上へと登り、浜名湖の景色を楽しみながら、
舘山寺温泉方面を撮影。
2時間ちょい前にあそこでうなぎ食べていたのだ。
乗船時間は30分。
舘山寺港で下船。
遊覧船は間もなくフラワーパーク港に向かって出発。
宿泊予定のホテルはフラワーパーク港のすぐ傍なので、
このまま乗っていきたいところだけど、
浜ちゃん1号を返却しなくてはならないのだ。
遊園地とプールとホテルが併設されている浜名湖パルパルの近くにある
舘山寺ターミナルへ。
ここで今日一日、苦楽を共にした浜ちゃん1号とお別れだ。
ありがとう。
浜ちゃん1号。
君がいなければ、この旅行は成立しなかった。
浜ちゃん1号と別れを告げ、
1キロほど離れたホテルへと徒歩で向かう。
途中、浜名湖パルパルのジェットコースターの乗客の絶叫を聞く。
最近、ジェットコースター乗っていないなぁ。
若い頃は、これっぽっちも絶叫マシーンを怖いと思ったことがなかったけど、
中年になった今、ちょっとは怖いと感じるのだろうか・・・。
浜名湖を左手に見ながら、先ほど自転車で通った静岡県道320号引佐舘山寺線を歩くこと10程度で、
本日の宿泊先である「浜名湖グランドホテル さざなみ館」に到着。
チェックインを済ませ、窓から景色を見る。
び、微妙・・・。
でも、仕方がないのです。
旅行を決めたのが割とギリギリで、
部屋に空のあるホテルを探したらほとんど全滅。
なんとか空室を見つけたのが、この「さざなみ館」の1室。
もっと早くに宿を取っていたら、
これよりも景色の良い部屋だったのでしょう。
一息ついて、温泉へ。
この温泉がちょうど部屋の真下に位置しており、
露天風呂から見える景色が、部屋からの景色とほぼ一緒だった。
普段から烏の行水なので、長湯が苦手なんだけど、
この日は、浜ちゃん1号を漕ぎまくったので、いつもより長めに浸かった。
もしも瀬戸港に14時20分までに辿り着くことが出来ず、
次の15:45発の遊覧船になっていたら、こんなにのんびりはできなった。
温泉から出て、マッサージ機で体をほぐした後、部屋に戻る。
浴衣を着ていたんだけど、
浴衣ははだけるからあまり好きではないし、
風呂上りで汗をかいたので、Tシャツ短パンに着替えることに。
帯を解き、浴衣を脱いだところで、
温泉に入る際に室内常備の金庫から、
「ビヨン、ビヨン、ビヨン」というドキッとする音が聞えてきた。
緊急地震速報。
慌ててテレビを点け、高校野球をやっているNHKにチャンネルを合わせると、
数秒後に、奈良県と大阪府で最大震度6弱から7程度の揺れが起きるとのこと。
そもそも浜名湖は津波によって海と繋がった、
先ほどの浜名湖湖畔のサイクリング時に見かけた津波に注意の看板、
そういった情報が瞬時に頭をよぎり、
「このホテルは大丈夫のか!?」という恐怖心が芽生えるとともに、
「なんでよりにもよって、震源地の近くに来るかなぁ」という己のアンラッキーさを恨めしく思う。
しかも現在、パンイチの格好。
どうすることも出来ず、地震に備えて裸同然で突っ立っていたんだけど、
いっこうに揺れが来ない。
結局、周知の通りこの緊急地震速報は、誤報だったんだわけですが、
焦りました。
そして、誤報で良かった。
そんなこんなで夕飯。
女中さんが配膳してくれている間、
窓の外を見ると、さっきとはまるで違う光景。
そして、どんどんと暗くなる。
料理の準備が整い、頼んでおいた瓶ビールをグビッと頂き、
いただきまーす!
料理の写真を撮影するつもりだったんだけど、、
女中さんがちょいちょい料理を運んできてくれるので、
なんだかそれをバシャバシャ撮るのもどうかと思い自粛。
料理は浜名湖や近隣の食材を生かしたものを中心に、
12品目と盛りだくさん。
どの料理も手が込んでいて美味しかった。
昼の上うな重に続いて、贅沢この上ない。
腹を満たしたところで、ゴロンと横になりたいところだが、
この日はもうひとつお楽しみがある。
それがこちら!
花火。
先程の宿の部屋から撮った写真に写っていた遊覧船奥浜名船に乗船し、
真っ暗な浜名湖を数十分遊覧した後、
浜名湖パルパルから打ち上げられる花火を見るという夏限定のクルーズ。
夜風に吹かれながら湖上から見る花火。
ものの数分のイベントだったけど、
楽しかったです。
宿に戻り、この日の思い出を肴に一杯やり、就寝。
以降、「浜名湖 PART3」に続く。