2013年10月19日更新

Def Leppard 「VIVA!Hysteria」Disc2

10月9日に発売されたデフ・レパードの超名盤「Hysteria」の完全再現ライブを収録した、
Blu-ray(DVD)+2CDの「VIVA!Hysteria」。


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前回のDisc1に引き続き、今回はDisc2を紹介したいと思います。


Disc2には、デフ・レパードのメンバーが、Ded Flat Birdというバンド名で、
本公演の前座を務めた2日間の模様が収録されている。


このバンド名の由来は、フィル・コリンの奥さんが友人に、
「あなたの旦那さん、バンドマンなんですって?なんてバンド」と聞かれ、
「デフ・レパード」と答えたところ、聞き間違えて、
「潰れて死んだトリ?」と答えたことによるとのこと。


で、このパロディバンドDed Flat Birdによる前座公演は、
マニアックな選曲らしいという噂を耳にし、
収録曲の情報を完全シャットダウン。


何を演奏したのか知らない状態でCDを聴いた。


1曲目。


「?????」
デフ・レパードにこんな曲あったっけ?


聴いたことがない曲なんだけど・・・カバー?ということで調べてみたら、
「The Def Leppard E.P.」収録曲「Good Morning Freedom」だったのね・・・。


一応、持っているけど音があまりによろしくないので、
ほとんど聴いてないから完璧に忘れていたよ。




改めてオリジナル盤を聴き直したけど、音ワル。
ブチブチいっている。


でもカッコイイ。


そうカッコイイんだけど、これ1曲目?
あまりにもマニアック過ぎて、ベガスの観客は置いてけぼりじゃないのか?


そんな光景が目に浮かぶ中、やや唐突に2曲目がスタート。
聴き慣れた五度コードのリフが奏でられる。


「Wasted」!


走れ!走るんだ!
疾走チューン。


ジャパニーズ・ファンとしては、馴染み深い曲だけど、
ベガスではどうなんだ!?


普段、弾きまくれないから、
ヴィヴィアン・キャンベル(以下、ヴィヴ)が、ここぞとばかりソロ弾きまくり。





ザッツ・ブリッティッシュな「Wasted」の後は、
フィードバックに続き、「Stagefright」!!


「Hysteria」ツアーの1曲目であり、
ライブソフト「In the Round In Your Face」でも先陣を切った、
「I say welcome to my show」の“幕開けソング”。


3曲目という位置が微妙っちゃ微妙だけど、これは嬉しいセレクト。


デフ・レパードのライブのエターナルなオープニング・ソングになって頂きたいぐらい好き。
でも、ちょっとテンポ遅くない?
もたついた感じがする。


この曲は、「In the Round In Your Face」ぐらいの勢いとノリがあってもいいように思う。





「Stagefright」の後、
これまたマニアックな「High 'N' Dry」収録の「Mirror,Mirror(Look Into My Eyes)」に乗せて、
ジョー・エリオット(以下、ジョー)によるMC。


この曲、久しぶりに聴いたけど、中盤のギターソロ、ユニゾンがカッチョいいねぇ。


「High 'N' Dry」って、「Pyromania」や「Hysteria」と比べると、
粗削りだし、音色からなにからなにまで違う。


「Hysteria」を聴きまくっていた頃は、あまり好きなアルバムじゃなかったけど、
最近、その認識が物凄く変わった。


自由な演奏がし難い楽曲が多いデフ・レパード。
「High 'N' Dry」は、ロック然としたシンプルな曲が満載。


アドリブ入れ放題なところがあるので、
メンバーも演奏していて楽しいんだと思う。


音楽とは音を楽しむもの。


メンバーが笑顔なら、聴き手も笑顔だよ。


なんてニマニマしていたら「Action」。


これも「Stagefright」同様、もう少しテンポアップして、
走った方が良いように思うんだが・・・。


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この曲はSWEETのカバー。収録アルバム「甘い誘惑」日本盤は、そこそこ高値。


「Action」の後は、ファースト収録の「Rock Brigade」。
いいねぇ。
掘り起し。


デフ・レパードのファーストアルバムって、
それほど聴きたいとは思わないけど、
こうやって33年の時を経て、新たな息吹を吹き込まれライブ収録される。


で、ライブ盤を耳にしたら、
やっぱりスタジオ盤、久しぶりに聴き直しちゃうもんなぁ。


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んでもって、ファーストの次に、
一番新しいスタジオ収録曲「Undefeated」。


1980年の曲と2011年の曲が違和感なく繋がる。
すげぇ。


Ded Flat Birdの1日目の演奏のラストを飾るのは、「Promises」。
なんかちょっと走り気味。


この曲こそ、もう少しテンポを落として、
どっしりした方が良いんじゃないかな?


この速さを「Stagefritght」「Action」に導入して欲しかった。


そんなテンポの速い遅いはさておき、「Promises」。
大好きなんだよねぇ。


失望させられた「Slang」の次作「Euphoria」。
ファストソングの「Demolition Man」に続いてこの曲を聴いた瞬間、
歓喜したことを今でも覚えている。


これぞデフ・レパード・サウンド!


このアルバムを持って北海道に行き、
サロマ湖周辺をドライブしながら聴いた。


故に、イントロが奏でられたら、瞬く間に脳内シアターに北海道の光景が広がった。


音楽の力は偉大です!



最恐にカッチョ悪いPV


ここまでが、前座1日目の収録曲。


CDだとそのまま続いて、2日目の1曲目「On Through The Night」へと雪崩れ込む。


きっと観客はドン引きなんだろうなぁ。
アメリカ、ラスベガスでしょ?


愛情を持ってセカンド収録のこの曲を迎え入れてくれるとは思えない。


そんな心配はさておき、うーん、ザクザクいっているリフがたまりません。
サビでのジョーのボーカル、コーラスもスタジオ盤に比べ、円熟味を感じる。


して、「Slang」!!が2曲目とは、驚きの「チンカス、アイセイ」。
(ド頭の歌詞の「Think Us」が「チンカス」に聴こえる)


アルバムとしての「Slang」は、グランジ病を感じるけど、
こうして単体で聴くと悪くない。
というか、前から言っている通り、好きです。


短いのも良い。


ジョーのボーカルは大分サボっているけど、前座だからね。
数十分後に「Hysteria」を丸々歌うのだから、恐れ入る。


続いて奏でられたのは、「High 'N' Dry」のオープニングナンバー「Let It Go」。


何度聴いても痺れるリフだ。



もはや誰も語らないピート・ウィリス時代。


フィルもヴィヴもギターソロ弾きまくり!


2011年の来日公演同様、
このまま「High 'N' Dry」の収録曲順に進んでいくのかな?と思ったら、
案の定「Another Hit And Run」。


CDで聴くと、Aメロのリフをフィルとヴィヴが、交互に弾いてることがわかる。
新たな発見。


それにしても見事な演奏力だなぁ。


短いMCの後、「High 'n' Dry(Saturday Night)」。
これは完全に、このバンドが時たまやるセカンドアルバム順繰り演奏だな。


頭のリフの素敵さは今更説明する必要なしだが、
その後のリズム隊の音色が良い。


そして、何よりもヴィヴのギターソロが面白い。


んでもって、「Bringin' On The Heartbreak」なのですが、
ここ最近はアコースティックで演奏されることが多かったけど、
今回はエレクトロニック・バージョン。


甘みを得てしまうアコギよりも、
エレキならではの枯れた哀愁が漂うコッチのバージョンの方が断然好きだな。


ヴィヴのギターソロは、すまん、物足りない!
相当音数減らしている。
この曲は、ほぼほぼ完コピして欲しかった。


アウトロのソロで相当好き勝手弾いているのだから、尚更・・・。


と、やや不満を感じつつ、ロック史上に燦然と輝くインストの名曲「Switch 625」へ。





フィルとヴィヴの演奏は完璧です!


最後のサブとリックのソロもライブだからこそ。
息、ピッタリ!!


この曲が、Ded Flat Birdの2日目の締めくくり。


前座だから何でもアリという開き直りが伺える、
何が飛び出すかわからない選曲が楽しい。


演奏曲の情報を得ないでCD聴いて正解でした。


「Hysteria」完全再現は、曲順が分かっているので、
あえて自らパロディバンドで前座として出て、
意外性に満ちた曲をたくさん演奏したのでしょう。


こういうファン心理をくすぐる遊び心は、
とても良いと思います。


2日間分収録されていて、
1曲も重複していない。


よって実際には2日間分の演奏が収録されているわけだけど、
1公演分のライブとして聴けてしまう。


この後、「Hysteria」全曲を演奏するので、
「Hysteria」から1曲も演奏されていない。


代表作であり、デフ・レパードのライブの要となる「Hysteria」からは、ゼロ、
さらに大ヒットアルバム「Pyromania」からは、「Stagefright」のみ。


にもかかわらずライブが成立してしまうという、
このバンドの懐の深さを改めて認識させられました。


もっというと2作連続新作がライブ盤なのですが、
前作「Mirror Ball」とかぶっている曲が、
「Hysteria」収録曲を除くと、とても少ない。


「Hyseria」収録曲以外だと、
「Rock Of Ages」、「Pohtograph」、「Bringin' On The Heartbreak」、
「Switch 625」、「Action」とたった5曲だけ。


しかも「Bringin' On The Heartbreak」は、今回エレキバージョン。


アルバムを多く出しているベテランバンドならば、
定番曲を排したセットリストを組むことも可能でしょう。


でもそれだとマイナーな曲ばかりのつまらないライブになってしまう。


デフ・レパードにはそれがない。


一時期、セットリストから外されまくったセカンドからの曲を復活させたりと、
今まで蓄えてきた財産をきちんと資産運用させてきたバンドの頭の良さ。


多分、ジョー・エリオットの提案なんだろうなぁ。


KISSのポール・スタンレーとジーン・シモンズ、
メタリカのラーズ・ウィルッヒと同じぐらい、
ジョー・エリオットって切れ者のなんだなってことを学べるDisc2でした。


そんな頭のいいジョーのボーカルが心に染み入る
アコースティックメドレーが、CDの最後に入っています。


「Two Steps Behind」って良い曲だなぁ〜。


最後に、「VIVA!Hysteria」に収録されていない曲(最後のアコースティックメドレーを除く)、
且つ、今までのライブで演奏されたことのある曲で、
セットリストを組んでみました。


01.Rock Rock(Till You Drop)
02.Demolition Man
03.C'mon C'mon
04.Too Late For Love
05.Foolin'
06.Make Love Like A Man
07.Die Hard The Hunter
08.Now(Acoustic)
09.Two Steps Behind(Acoustic)
10.From The Inside(Acoustic)
11.Billy's Got A Gun
12.Have You Ever Needed Someone So Bad
13.Ring Of Fire
14.Nine Lives
15.Let's Get Rocked
<encore>
16.When Love & Hate Collide
17.Tear It Down


アコースティックパートの後の後半がちーと弱いが、
それでもそれなりにメリハリのあるセットリストが組めた。


良い曲をたくさん持っているバンドなんだなぁ。


Ded Flat Birdと一緒にジャパンツアーをして欲しい。
そして、ヴィヴの癌が完治して欲しい。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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