今朝、朝刊を開き死亡欄に目を向けたら、
ジョーン・フォンティーンが亡くなったことを伝える記事が載っていた。
前日のピーターオトゥールに続く訃報に、思わず落胆の声を上げてしまった。
享年96歳。
死因は老衰。
アカデミー主演女優賞を受賞した『断崖』('41)
かつて「好きな女優は?」と聞かれたら、
ジェニファー・コネリー、ダイアン・レイン、ソフィー・マルソーといった
当時人気のあった女優さんの名前を挙げずに、
「ジョーン・フォンティーン」と答えていた時期があった。
特に映画好きと自称する人にはね。
「映画好きならジョーン・フォンティーンぐらい知ってるよな?俺は知ってるぜ」
てな感じ。
映画通を気取っていたわけですが、
ジョーン・フォンティーンが好きだったことに嘘偽りはなかった。
初めて見たのは、確か『レベッカ』だったかな。
「この世にこんなに綺麗な人がいるのか?」って思った。
以来、彼女の出演作は全部ではないが、代表作と呼ばれるものは一通り見た。
清楚で美しい容姿とアカデミー賞を受賞するほどの実力の持ち主であるがゆえ、
ジョーン・フォンティーンが好きだったわけですが、
ファンになる理由がもうひとつあった。
ジョーン・フォンティーンに興味を持ち始めた頃、
彼女のプロフィールをロードショーかなんかの付録の俳優名鑑で調べたら、
なんと出身が東京都虎ノ門。
著名なハリウッド女優が、日本で生まれたということに驚いたのを今でも良く覚えている。
なんだか親近感が湧いた。
1966年の『影なき裁き』を最後に銀幕から身を引き、
主にテレビで活躍していたようだけど、
フィルモグラフィーを見ると、
94年のTV映画「Good King Wenceslas」が最後の仕事のよう。
以降、公の場に姿を現さなくなったという。
日本でいうところの原節子みたいな感じだ。
もうかなりの高齢のはずで、訃報を見過ごしている可能性もあり、
ふっと思い出した時にネット検索をして、生存確認をした。
没年が明記されていないのを見る度に、ホッとした。
しかし、遂に亡くなってしまった。
表立った活動もなかったし、
年齢的にも大往生なので、酷い落胆はないが、
やはり一抹の寂しさを覚えました。
合掌。