3月21日(金)春分の日。
風が強いものの天気が良かったので、
チャリで散策に出かけることにした。
とはいえ、14時までに家に戻ってこなくてはならず、
あまり遠出は出来ない。
地元・吉祥寺を起点とすると武蔵野市、三鷹市、練馬区、杉並区あたりが無難。
武蔵野市は行き尽くした。
三鷹市もほぼ攻めた。
練馬区か杉並区で調べてみたところ、
杉並区教育員会による「杉並区史跡散策地図(コース別)」というサイトがあった。
A〜Nコースのうち“Nコース 玉川上水周辺”にある「吉祥院」という寺が気になった。
「明治16年(1883年)に開創された吉祥院の境内には、
成田山を模した築山があり、多数の石造物があります」
“多数の石像物”!
高井戸なら何度か自転車で行っているので、距離感もつかめる。
ここにしよう。
ということで、長袖Tシャツに薄手のジャンバーを羽織って、チャリで出発。
高井戸までは、五日市街道か井の頭通りを都心方面に進み、
環八を南下というルートが最も簡単だけど、面白みに欠けるので、
三鷹台駅から神田川に沿って行くことに。
昨年残念な事件があった三鷹台駅の住宅地を抜け、
神田川沿いに出るべくチャリを走らせていると、遊歩道に出くわした。
こういう道は、かつて川で、今は暗渠であることが多い。
昭和22年の地図を見るとこの辺りは、一面畑だったから、
川というよりは用水路程度のものだったのかもしれない。
なんてことを気にするのは、小生の友達では佐藤アサトぐらいだろうなぁ。
遊歩道を進み左手に曲がると神田川に到達。
桜の木の幹を見るとパンパン。
春の到来を感じます。
(この記事をアップした時はすでに桜の花は散ってしまいましたが・・・)
今冬はとにかく寒かったので、春の訪れが有難い。
この日も風は強いが、日向はポカポカの陽気だった。
そんな中、神田川沿いの道を疾走。
久我山駅を過ぎると鉄ちゃん垂涎、井の頭線の車庫へ。
正式名称は「富士見ヶ丘検車区」。
元々は永福町駅にあった車両基地で、昭和41年(1966年)に移転。
永福町駅にあった車両基地は、現在、京王バスの永福町営業所。
永福町駅から見える京王バスが大量に停まっている場所だ。
そのまま突き進むこと数分で、
杉並清掃工場の煙突が見えてきた。
煙突、高架駅、井の頭線、神田川、桜。
今や高井戸のランドマーク的な存在の煙突ですが、
“東京ゴミ戦争”と呼ばれる東京都の廃棄物処理紛争を経て建設された。
更に、昭和51年(1976年)の建設工事前の発掘調査で、
旧石器時代の石器など様々な遺跡が発見されている(高井戸東遺跡)。
煙突撮影スポットから「吉祥院」へ行くために、
一旦、環八に出て緩い坂道を登り、高井戸西交番前を右折。
こんなところに寺があるのか?
と思っていると、ほどなく「吉祥院」に到着。
さてさて、成田山を模した築山や多数の石造物を拝もうと、
早速境内に足を踏み入れると、まずはこちらの石像がお出迎え。
女の子が赤ん坊をおんぶしている“こもり娘”。
こんな石像見たことない。
“こもり娘”の左隣に、築山を発見。
一番天辺にいるのは、何度もこの【散策記】に登場している不動明王。
その他は、不動明王に仕える眷属(けんぞく)と呼ばれる家来、八大童子の像。
詳しくは、「成田山大仏」のサイトをご参照ください。
右奥に進むと、今度はもう少し大き目な築山。
不動明王の眷属は、先の八大童子以外にも36の童子がおり、
こちらはその三十六童子の像を祀った築山のようだ。
そして、本堂。
両脇にいる石像のうち向かって右側は、制た迦(せいたか)童子、
左側が矜迦羅(こんがら)童子。
この二つの童子は、常に不動明王の両脇に仕える存在で、
先の八大童子の築山も然り。
本堂には不動明王が祀られているから、
このような配置になっているのでしょう。
本堂の右脇にも築山があったんだけど、
こちらはなんだかよくわかりません。
富士山の神である大日如来像が祀られているし、
浅間大社と思しき社もあるので、富士塚かな?
左下にある石像はなんざんしょう・・・。
この他にも六地蔵とかがあった。
数多ある石像群の中で、一番印象に残ったのがこれ。
水盤に水を注ぐ龍の口。
龍に似た自然な溶岩を龍に見立てた感じが良い。
こちらは参道。
奥に見える通りは環八。
高井戸付近の環八は、幾度となく通ったけど、
こんなところにお寺があるとは、今日の今日まで知らなかった。
小生以外にも観光と思しき方々いて、ちょいちょい賑わっていた。
以上が「吉祥院」なのですが、時計を見ると11時ちょい過ぎ。
家に帰るにはまだ少し早い。
どこに行こうかと考えた結果、「和田堀公園」の傍にある「杉並区立郷土博物館」を思いついた。
数年前、「和田堀公園」へ行った際は、まだ歴史や郷土史に興味がなかったし、
その存在自体を知らかったが、今となっては行っておきたいスポットの一つだ。
調べたらここから4キロ。
行くべ。
以降、「杉並区PART2 杉並区郷土博物館」へ続く。