『ポリス・ストーリー/レジェンド』
2014年6月6日より全国にて
配給:ブロードメディア・スタジオ
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ベテラン刑事ジョンは、ひとり娘に呼び出され、
全面コンクリートのナイトクラブへとやってきた。
娘からナイトクラブの経営者ウーを恋人だと紹介された矢先、
ジョンは何者かに襲われ、ナイトクラブにいた人々も囚われの身となる。
その首謀者は、なんとナイトクラブの経営者ウーだった・・・。
我等がジャッキー・チェンの最新作。
本作の原題は「警察故事2013 Police Story」。
確かに「ポリス・ストーリー」なのですが、
チェン刑事が活躍する「ポリス・ストーリー」シリーズ、
『ポリス・ストーリー/香港国際警察』、『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』、
『ポリス・ストーリー3』とは別物。
2004年の『香港国際警察/NEW POLICE STORY』も、
原題が「New Police Story/新警察故事」だったけど、
上記シリーズとは関連性がなかった。
今回も同じような感じ。
シリーズだけど、それぞれ別物の「仮面ライダー」みたいなもん?
因みに1993年にも『新ポリス・ストーリー』が製作されているが、
こちらの現代は「Crime Story」であり、
日本の配給会社(東宝東和)が、紛らわしい邦題を付けただけ。
(勘違いして映画館に来ちゃうお客さんを見込んだに違いない)
さて、「ポリス・ストーリー」となれば、当然アクションを期待する。
しかし、ジャッキーは前作『ライジング・ドラゴン』で、
アクション映画からの卒業を宣言している。
なんか、拳銃を自分の頭に突きつけているメイン写真は、
“この映画はシリアスです!”という臭いをバンバン発している。
てっことは、『新宿インシデント』のような、
アクション無しの人間ドラマなのかな?と思いながら見たら、
結構早い段階でデススタント・・・。
さらに中盤には、コミカルではないが、
ガチンコアルティメッドアクションが・・・。
おいおい!
ジャッキー、潔くないよ。
これじゃぁ、引退したのにすぐに復帰した長州力や大仁田厚、
オジー・オズボーンとかと一緒じゃん!
前田日明やアントニオ猪木のように、
男らしく一度言ったことは貫いて欲しいぜぇ。
そんだったらアクション引退なんて言わないで、
ジャイアント馬場さんみたいに、
動けなくてなっても“生涯現役”を貫き通して欲しいよ。
なんてことを思いながら見ていたんだけど、
鑑賞後に資料を読んだら、当初の脚本にはアクションシーンがなく、
撮影中にディン・シェン監督が、どんどん付け足したそうな。
ジャッキー曰く「監督に騙された」って。
この話が本当かどうかはわかりませんが、
宣言したもののいきなり完全にアクション封印よりは、
ちょいちょいアクション入れておいたほうが、
ジャッキーのファン離れの歯止めに繋がると思ったんじゃないの?
と、穿った見方をしてしまいますが、
還暦を迎えたジャッキーが(撮影時は59歳)、
アクションを頑張っている姿を見られるだけでも、ヨシとしないとね。
てか、まだまだアクション出来んじゃない?
映画全体としては、人間ドラマとミステリーとアクションが程よくブレンドされているし、
やや予定調和な感は否めないが、物語も先が読めない展開だった。
要塞と化したナイトクラブでの密室劇としても面白い。
しかも一夜の出来事。
ジャンルの構成要素、物語、シチュエーションなどなど、
ものすごく練られている。
(だからこそ、あとからアクションを付け足したとは思えない)
ジャッキーが、アクション俳優としてではなく、
演技の出来る俳優として認めてもらいたいと、
長年言い続けていたことを知っているから、
ジャッキーのシリアス演技も応援したい。
ジャッキーらしさはあるものの、
大味で全く面白くない「ラッシュアワー」シリーズなんかより、
よっぽど見応えがあった。
刑事アクション映画として、とてもよく出来ていました。
しかしながら、世の中的には、
シリアスなジャッキーは、あまり求められていないような気がしてならない。
ジャッキーのやりたいことと、
(年齢的にやりたくてもできなくなったのかもしれませんが・・・)
世間一般の人たちが抱いているジャッキーに対するイメージの間に横たわる溝。
これはいかんともしがたい。
長い間この溝によって、ジャッキーは苦しめられてきた。
もうそろそろ、この苦しみからジャッキーを解放してあげないといけないよねぇ。
いつものジャッキー映画と違う。
これを分かった上で見れば、楽しめるはず。
こんなジャッキー見たことない。
逆に新鮮だったと感じてくれたらいいなぁ。