2014年06月04日更新

#714『ポリス・ストーリー/レジェンド』

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『ポリス・ストーリー/レジェンド』
2014年6月6日より全国にて
配給:ブロードメディア・スタジオ
©(C)2013 Jackie & JJ Productions Limited, Wanda Media Company Limited and Starlit HK International Media Company Limited All rights reserved


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ベテラン刑事ジョンは、ひとり娘に呼び出され、
全面コンクリートのナイトクラブへとやってきた。


娘からナイトクラブの経営者ウーを恋人だと紹介された矢先、
ジョンは何者かに襲われ、ナイトクラブにいた人々も囚われの身となる。


その首謀者は、なんとナイトクラブの経営者ウーだった・・・。


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我等がジャッキー・チェンの最新作。


本作の原題は「警察故事2013 Police Story」。
確かに「ポリス・ストーリー」なのですが、
チェン刑事が活躍する「ポリス・ストーリー」シリーズ、
『ポリス・ストーリー/香港国際警察』、『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』、
『ポリス・ストーリー3』とは別物。


2004年の『香港国際警察/NEW POLICE STORY』も、
原題が「New Police Story/新警察故事」だったけど、
上記シリーズとは関連性がなかった。


今回も同じような感じ。
シリーズだけど、それぞれ別物の「仮面ライダー」みたいなもん?


因みに1993年にも『新ポリス・ストーリー』が製作されているが、
こちらの現代は「Crime Story」であり、
日本の配給会社(東宝東和)が、紛らわしい邦題を付けただけ。
(勘違いして映画館に来ちゃうお客さんを見込んだに違いない)


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さて、「ポリス・ストーリー」となれば、当然アクションを期待する。


しかし、ジャッキーは前作『ライジング・ドラゴン』で、
アクション映画からの卒業を宣言している。


なんか、拳銃を自分の頭に突きつけているメイン写真は、
“この映画はシリアスです!”という臭いをバンバン発している。


てっことは、『新宿インシデント』のような、
アクション無しの人間ドラマなのかな?と思いながら見たら、
結構早い段階でデススタント・・・。


さらに中盤には、コミカルではないが、
ガチンコアルティメッドアクションが・・・。


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おいおい!
ジャッキー、潔くないよ。


これじゃぁ、引退したのにすぐに復帰した長州力や大仁田厚、
オジー・オズボーンとかと一緒じゃん!


前田日明やアントニオ猪木のように、
男らしく一度言ったことは貫いて欲しいぜぇ。


そんだったらアクション引退なんて言わないで、
ジャイアント馬場さんみたいに、
動けなくてなっても“生涯現役”を貫き通して欲しいよ。


なんてことを思いながら見ていたんだけど、
鑑賞後に資料を読んだら、当初の脚本にはアクションシーンがなく、
撮影中にディン・シェン監督が、どんどん付け足したそうな。


ジャッキー曰く「監督に騙された」って。


この話が本当かどうかはわかりませんが、
宣言したもののいきなり完全にアクション封印よりは、
ちょいちょいアクション入れておいたほうが、
ジャッキーのファン離れの歯止めに繋がると思ったんじゃないの?


と、穿った見方をしてしまいますが、
還暦を迎えたジャッキーが(撮影時は59歳)、
アクションを頑張っている姿を見られるだけでも、ヨシとしないとね。


てか、まだまだアクション出来んじゃない?


映画全体としては、人間ドラマとミステリーとアクションが程よくブレンドされているし、
やや予定調和な感は否めないが、物語も先が読めない展開だった。


要塞と化したナイトクラブでの密室劇としても面白い。
しかも一夜の出来事。


ジャンルの構成要素、物語、シチュエーションなどなど、
ものすごく練られている。
(だからこそ、あとからアクションを付け足したとは思えない)


ジャッキーが、アクション俳優としてではなく、
演技の出来る俳優として認めてもらいたいと、
長年言い続けていたことを知っているから、
ジャッキーのシリアス演技も応援したい。


ジャッキーらしさはあるものの、
大味で全く面白くない「ラッシュアワー」シリーズなんかより、
よっぽど見応えがあった。


刑事アクション映画として、とてもよく出来ていました。


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しかしながら、世の中的には、
シリアスなジャッキーは、あまり求められていないような気がしてならない。


ジャッキーのやりたいことと、
(年齢的にやりたくてもできなくなったのかもしれませんが・・・)
世間一般の人たちが抱いているジャッキーに対するイメージの間に横たわる溝。


これはいかんともしがたい。


長い間この溝によって、ジャッキーは苦しめられてきた。
もうそろそろ、この苦しみからジャッキーを解放してあげないといけないよねぇ。


いつものジャッキー映画と違う。


これを分かった上で見れば、楽しめるはず。


こんなジャッキー見たことない。
逆に新鮮だったと感じてくれたらいいなぁ。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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