2014年07月09日更新

辰巳起点散策3 PART3 荒川河口橋〜葛西臨海公園

<辰巳起点散策3 一覧>
【1】「辰巳起点散策3 PART1 枝川」
【2】「辰巳起点散策3 PART2 越中島貨物線廃線」




「辰巳起点散策3 PART2 越中島貨物線廃線」からの続き。


辰巳の某所での用事と用事の合間が3時間もあるので、
じっとしていられず、出掛けることに。


特にあてもなく新木場方面へと向かってみた。


すると、突如、猛烈な便意に襲われた。


こ、これはかなり深刻だ。


や、やばい・・・。


夢の島公園にトイレはないかと、国道357号線から園内に。


しかし、ない。


まじで野糞がよぎる。


この辺でトイレがあるとすると新木場駅だが、
改札を通らないとならない。


糞の為に、入場料なんぞ払いたくない。


次に思い浮かんだのが、「第五福竜丸展示館」。
あそこはトレイも綺麗だ。


明治通りを曲がり、とりあず目指してみたが、ちょっと遠い。
もたん。


もう綺麗とか汚いとか言っていられない。
陸上大会を開催していた夢の島競技場へ行ってみた。


あっ、あった!
トイレマーク!!


トイレに駆け込み・・・・・・・。


いや〜、マジで危なかった!


人生最大の危機をなんとか切り抜けた後、、
一度、荒川や隅田川みたいな巨大な川に架かる大橋を徒歩で渡ってみたかったんで、
荒川方面へと向かう。


国道357号線の方へ戻り、国道に沿って夢の島公園の遊歩道を歩く。


IMGP1864_R.JPG


途中、ぶっ壊れた木の橋なんかを見ながら、
人っ子一人歩いていない道を突き進む。


木々に覆われているが、すぐ脇を国道と首都高があるので、
常に車の騒音が聞えてくる。


結構な距離を歩くと、巨大な煙突が印象的な「新江東清掃工場」へ辿り着いた。


IMGP1867_R.JPG


夢の島というと、
高井戸にある「杉並清掃工場」の建設に至った「東京ゴミ戦争」の発端にもなり、
一面ゴミだらけの島という印象が強い。


※関連記事
【散策の部屋】「杉並区PART1 吉祥院」


しかし、何度か夢の島に来ているが、ゴミの山に遭遇したことがない。


あの光景は、今は昔なのか?


以下、ウィキペディアの情報を加筆修正。


戦前の1939年(昭和14年)、東京湾に飛行場建設のために埋め立てられ始めた。
しかし、1941年(昭和16年)には資材不足で工事は中止された。


1950年代、東京都内でごみが急増し始め、
それに対応するため東京都は当地をごみ処分場として決定し、
1957年(昭和32年)12月には埋め立てが開始された。


以降、1967年(昭和42年)までこの地への埋め立ては続いた。
埋め立て終了から11年後の1978年(昭和53年)、
「東京都立夢の島公園」が開園。


整備が進み、ゴミの島という雰囲気を感じさせることはなくなっていった。


以上。


もうゴミの島とは言えないようです。


しかし、かつて【伊藤Pの部屋】で紹介した映画『グワシ!楳図かずおです』('09)で、
楳図かずお先生が、ゴミの山で叫んでいるメイン写真、
これは夢の島じゃないの!?


ずっと夢の島だと思っていた。





どこなんだろうか?


気になったので調べてみた。
多分、中央防波堤外側埋立処分場


さて、「新江東清掃工場」を過ぎた先の交差点名が「新木場」だった。


IMGP1870_R.JPG


「新木場駅」から一番近い交差点は、「夢の島」。


「新木場駅」の開業が、1988年(昭和63年)6月8日。
「東京都立夢の島公園」の開園より、10年も遅い。


既に「夢の島」という交差点名が付いていたために、
駅からかなり離れたこの交差点が、「新木場」なのかな。


そして、新木場の交差点を越えると、いよいよ荒川!


荒川に架かる「荒川河口橋」を登っていく。


IMGP1871_R.JPG


反対側は東京湾なんだけど、
首都高速とJR京葉線によって視界が遮られているため、良く見えない。


首都高速を挟んでいるために確認できないが、
反対車線側にも歩道があるのだろうか?
歩道があるならば、東京湾がよく見えるはずだ。


などと考えながら歩いていると、ちょうど真ん中あたりへ。


IMGP1874_R.JPG


風がそこそこ強いが、景色は良いし気持ちがいい。


一方で、トラックが通る度にかなり揺れるので、
ちょっとドキドキする。


随分前からある橋のようだが、1996年(平成8年)7月4日に完成と、
思ったよりも新しい。


IMGP1878_R.JPG


がっ!


IMGP1879_R.JPG


震災の影響か?
それとも単に老朽化か?


1996年なんてついこの前のような気がするが・・・。
(いやいや、ずいぶん前ですね・・・)


IMGP1880_R.JPG


国道357号と首都高速が、立体交差。
なんとなく好きな写真。


大きな川にかかる大きな橋を徒歩で渡りたいという欲求を満たせたし、
なかなかの絶景で気分好!だったのですが、
橋長840mを歩き切った辺りで、突如、悪臭が漂い始めた。


排泄物や腐乱系ではないケミカルな臭い。


どうやらこの建物、「葛西水再生センター」から漂っているようだ。


IMGP1896_R.JPG


明らかに身体に悪そうなので、鼻と口にタオルをあて、
足早に悪臭地帯から脱出した。


「荒川河口橋」を渡っていた際、
川縁の堤防に敷設されたジョギングコースを走っている人がたくさんいた。


自分も走ってみたくなった。


とりあずジョギングコースへ行き、
橋の下を撮影。


IMGP1883_R.JPG


左からJR京葉線、国道357号上り線、首都高速、国道357号下り線。


これだけ巨大な橋桁、橋脚、橋台の塊は、
なかなか見ることができないでしょう。


人間の建築技術の凄さが、ちょっと怖いと感じてしまうほどだ。


さてさて、ジョギングです。


前方を見ると完全に東京湾!


IMGP1884_R.JPG


行くぜ!!


と、走り出してすぐ、振り返ると、
さっき渡ってきた「荒川河口橋」の全景。


IMGP1886_R.JPG


思えば遠くへ来たもんだ。


前を向き直り、ジョギングして間もなく、東京湾が!


IMGP1887_R.JPG


右奥に、2012年2月開通の東京ゲートブリッジが、かすかに見える。


IMGP1888_R.JPG


舞浜のディズニーリゾートでしょうか?
右前方にぼんやりと浮かぶ白い物体は巨大客船。
蜃気楼みたいだ。


直進すると「葛西臨海公園」内に至る。


公園はカップル、親子連れ、ジョガーなど、
結構な人出だったが、BBQでしょうか?
ベロンベロンに酔っぱらった若い男性たちが、
千鳥足でヘラヘラ笑いながら大声を出して歩いていた。


うざっ!


と、思いながらも、「荒川河口橋」が完成した1996年頃の自分も、
その酔っぱらいとあんまり変わらなかったような・・・。


“それにしても「葛西臨海公園」ってこんなに広かったっけ?”と思いながら、
公園内を歩き「葛西臨海公園駅」へ。


IMGP1891_R.JPG


流石に午前中の枝川、昼の越中島貨物船廃線路散策の後だけに、
大分疲れた。


駅の下のコンビニで水を買い、少し休憩しながら、
JR京葉線で「新木場駅」まで戻るか、それとも歩いて帰るかを考える。


時計を見ると17時半ちょっと前。


夢の島競技場で糞をしてから、ちょうど1時間。


ってことは1時間あれば「新木場駅」まで戻れるってことだ。
18時45分辰巳某所着が、時間的にベスト。


もしかしたら新木場方面の国道357線、つまり海側にも歩道があるかも!
あれば東京湾が一望できる!


よし!歩こう!


ということで、国道357号を新木場方面へ。


しばらく歩くと、ドロドロに溶けた車が!


IMGP1892_R.JPG


IMGP1893_R.JPG


一体、なんの液体を被ったのでしょうか?


なんとなく『ロボコップ』を思い出しながら、
国道357号線を歩き、「荒川河口橋」の近くに辿り着いた。


車道は坂道となり、橋を渡るための準備段階に入るものの、
歩道は地べたのまま。


先を見ても橋の上に行ける階段やスロープはない。


つまり「荒川河口橋」には、歩道は一つ、
さっき渡ってきた東京湾とは反対側の歩道しかないと悟った時、
またあの異臭が・・・。


しかもその濃度は、先ほどの比ではない。


人生でこんなにケミカルな臭いを嗅いだことがない!
ってぐらいの臭さ。


慌てて鼻と口にタオルをあてて、ダッシュ!


その悪臭は広範囲に及んでいた。
近隣から苦情はないのだろうか?


結局、「荒川河口橋」上下線のうち下り線にしか歩道はなく、
復路も往路と同じように荒川上流方面を見ながら歩くことに。


IMGP1897_R.JPG


もう夕暮れです。


テクテク歩いて、悪臭を放つ「葛西水再生センター」を見ると、
よく判らんパイプ施設に螺旋階段が張り付いていた。


IMGP1898_R.JPG


結構な高さだ。


仕事で登る人もいるんだろうなぁ。
高所恐怖症だったらまず無理だ。


橋の中央部分から下を覗いてみました。


IMGP1901_R.JPG


写真だと高さまでは伝わらないですね。


中央分から少し歩いたところから撮った一枚。


IMGP1906_R.JPG


3歩ほど進んで撮った1枚。


IMGP1905_R.JPG


煙突の裏から東京スカイツリーが、「こんばんわ!」と顔を出しました。


昔なんかの児童書で読んだオバケ煙突を思い出した。


位置によって、煙突の本数が異なって見えるという話。


実在したオバケ煙突として有名なのが「千住火力発電所」


4本の煙突が場所によって、1本、2本、3本に見える。


多くのサイトで「千住火力発電所」のことを紹介しているけど、
なかでもコンパクトにまとまっていて、面白いのが「昭和からの贈りもの」


IMG_4513_R.JPG


IMGP1908_R.JPG


夕暮れ2連発。


「荒川河口橋」には夕陽が似合う。


「金八先生」のせい?


冗談半分で「金八先生 荒川」で検索したら、
下のYoutbueの映像がヒットした。





素人の方の撮った手振れの酷い1996年の映像なんだけど、
軽い衝撃を受けた。


映像にはほとんど高い建物が映っておらず、空が見える。


311の震災以降、空を見上げることが多いんだけど、
今の東京は、空が見えない。


20年前、こんなにも高層ビル・施設がなかったんだなぁ。


そんなに昔ではなく、自身の記憶もメチャクチャある時代なのに・・・。


なんか切なくなってきた・・・。


気を取り直して、続きを書こう。


復路の「荒川河口橋」を渡り切り、新木場交差点を曲がって、
上り線に歩道がないか確認してみた。


IMGP1909_R.JPG


ない・・・。


ここから「新木場駅」方面に向けて、
国道357号線沿いのJR京葉線の高架下を走った。


IMGP1910_R.JPG


そして、3週間後、“京葉線高架からコンクリ片17キロ落下 老朽化か”
というニュースが飛び込んできた。


場所は「葛西臨海公園駅」と「舞浜駅」の間なので、
ここではないんだけど、高架建設年は大差ないはずで、
“老朽化か”という文言に恐怖を覚えた。


この後、ほぼ予定通り、18:38に辰巳某所へ到達。


IMGP1912_R.JPG


いやー、この日は、歩き、走った。


ジョギングシュミレーターで調べみた。


午前中の枝川:約5.8km
昼の越中島貨物廃線:9.6km
夕方の荒川河口橋:10.2km


合計:25.8km


これに自宅から辰巳までの往復の歩行距離をオンすれば、
28〜9キロぐらいか?


多分、人生で一番の歩走行距離。


あんまり深く掘らなかったけど、枝川の歴史を知り、
一度、散策を試みながらも暗闇に負けた越中島貨物廃線を追うこでき、
そして、大きな橋を徒歩で渡れた。


とても充実した散策でしたが、
午前、昼、夕方とどの散策も、なんとなく切なさを感じました。


江戸以前の史跡に触れると、教科書とか歴史書の範疇だけど、
自分が生きていた時代が、すでに遺構と化している事実。


今年40歳。


あと10年生きることが出来たら、半世紀だ。


まぁ、認めたくないけど、オッサンだよなぁ。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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