2月14日(土)のバレンタインデーに、
モトリー・クルーのファイナルツアー@さいたまスーパーアリーナへ行ってきました。
15時過ぎに会場に着くと、物販ブースは長蛇の列。
あまりグッズを買う習性はないのですが、
今回は夏の散策用としてベースボールキャップを買うつもりでいた。
覚悟はしていたが、ここまで並んでいるとは…。
開場16:00、開演17:00まで時間はあるので、
ベースボールキャップが売っているか確認もしないまま並ぶことにしたんだが、
意外と進みが早く、30分ぐらいでブースの脇まで来ることができた。
そこには販売しているTシャツの種類が掲示されていた。
しかし、キャップがない!
もしかして売っていない?
並び損?
Tシャツは4500円もするので、手が出ない。
もしもキャップが売っていないかったら、
これも夏の散策時の必需品といえる2000円のマフラータオルでも買うか。
などと思っていたら、キャップ発見!
良かった!
並ぶこと40分で無事にキャップを購入できたんだけど、
なんとサイズの調整が出来ない仕様で、若干、キツイっす…。
キャップ購入後、本日一緒に見る大学時代のバンド仲間であるWと合流。
入場前に景気づけでビールを一本。
10日間、なんとなく禁酒していたため、
五臓六腑に沁み渡りますわぁ。
アリーナ席なので、1F脇の入口から入場。
場内は撮影禁止だけど、まぁ、始まる前だからいいだろうと、
一枚撮影。
ステージの中央からアリーナに向かって鉄筋のオブジェがせり出している。
これが噂のトミー・リーの360度回転ローラーコースタードラムセットか。
こりゃ楽しみだ。
我々の場所は、ステージ向かって左側の真ん中よりやや後あたり。
お客さんの入りは良くて、満席。
年齢層は高いと思っていたが、中には20代の人も結構見かけた。
さすがに高校生とかはいなかったが…。
どうせ押すだろうと思い、
余裕をこいて開演時間のギリギリにトイレへ行って戻ってきたら、
びっくりするぐらいのオンタイムに客電が落ちた。
オープニングSEとして、なんかわからんが可愛らしい朗らかな歌と、
何を言っているのかわからない英語のSEが流れた後、
ステージの照明が一斉に点灯され、演奏が開始された。
オープニングは、現時点での最新スタジオアルバムのタイトルソングであり、
モトリー・クルーの34年の歴史を表わすSaints Of Los Angeles。
立ち位置は、いつも通り左手にベースのニッキー・シックス、
右手にギターのミック・マーズ。
肝心の音は、微妙。
かなり高音が回っちゃている感じで、
イントロのリフとかは、音がぼやけて輪郭が捕えれないほど。
やたらとトミー・リーのドラムとミック・マーズのギターの音がデカくて、
ヴィンス・ニールの声がイマイチ聞えない。
さいたまスーパーアリーナはお初。
あまり音が良くないと聞いてはいたので、まぁ、こんなものかと。
新し目の曲だけど、会場のノリもよく、
みんなでサビで“We are,we are the saints!”と叫ぶ。
ギターの音がデカイだけあって、ミックのギターソロはかなりしっかりと聞えた。
2曲目は、4th「Girls Girls Girls」からWild Side。
この曲はイントロのミックのリフが、鮮明に聞こえ、
リフが奏でられた瞬間、会場からは大きな歓声が沸き起こった。
コーラス&ダンス担当のグラマラスなおねーちゃん2人も加わり、
ステージ上は、これぞモトリーらしい妖しい猥雑な雰囲気に。
いやぁ〜、この曲はマジでかっこいいねぇ。
スローテンポになるところなんかは、何度聴いても鳥肌ものだ。
“Wild Side!"と何度も連呼!
後半、けたたましいサイレン音合せて叩かれる
トミー・リーの振りかざすような豪快なドラミングも超気持ちいい。
そして、そのままニッキー・シックスのベースが印象的なPrimal Screamへ。
ショウの後半にやるかと思ったら、わりと早いお出ましです。
彼らの初のベストアルバム「Decade of Decadence '81-'91」収録曲で、
発表当時は、あまりモトリーらしくないなぁ〜と感じたものだが、
その後、聴き込むにつれて大好きになった曲。
ファンキーなリズムとリフで、身体が勝手に動いてしまうこと必至。
キメも最高っす!
“Primal Scream! & Shout!!!”
ヴィンスとの掛け合いも楽しいし、
聴きどころのミック・マーズのギターソロも素晴らしい。
曲が終わるとヴィンスが“How do you do Tokyo!”と挨拶。
残念!ここ埼玉!!
幕張メッセでライブを行ったKISSは、ちゃんと“ちぃばぁ〜”と言っていたぞ。
簡単な挨拶のあと、ヴィンス・ニールがギターを手にする。
ま、まさか、4曲目であの曲を!?
Same Ol' Situation (S.O.S.) !!
モトリーの中でも屈指のパーティーソング!
この曲で盛り上がらないわけがない。
会場はもうお祭りですよ!
“セーモォー!セーモォー!シチュエーション!
セーモォー!セーモォー!ボール・アンド・チェイン!”
この曲はギターソロの前とソロ間のニッキーのベースラインが、
たまりません!
「第5回MAメタラー5人によるBEST5 SONGS:モトリー・クルー編」で、
第2位に選ぶほど好きな曲に続いて、間髪入れずにLooks That Kill。
この曲でも会場は“シーズ・ガット・ルックス・ザッ・キル!”と大合唱!
途中と最後にトミー・リーがボォ〜ンと鐘の音を入れる。
日本のみの演出か?
※後日、スタジオ版を聴いていたら、うっすらと鐘の音が入っていた!
何度も聴いている曲だけど、全く気が付かなかった。
鐘の音の後は「Too Fast For Love」からOn With The Show。
聴いている場所のせいなのかどうなのかわかりませんが、
やはりヴィンスの声が、ほとんど聞こえないし、
全体的にももやもやした音像で、
続いて演奏されたToo Fast For Loveも同じ状況。
まぁ、それでも“Too Fast for Love!”と叫んだけど。
お次は、ゲイリー・グリッターのRock And Roll(Part2)からの
Smokin' In The Boys' Room。
跳ねたビートで会場はノリノリ。
これまた“Smokin' in the Boys' Room!”と何度も大合唱。
改めてモトリーの曲は、キャッチーなんだなぁと思った。
Rock And Roll(Part2)に戻して終了。
ヴィンスが“マザーファッカー!”を連呼し、
「Saints Of Los Angeles」からMutherfucker Of The Year。
正直、お客さんの反応は微妙だった。
その後、ニッキー・シックスが、
自身の思いをしっかりと伝えたいということで、通訳を呼び込んでのMC。
「1981年にモトリー・クルーは結成した。
一番最初に行きたかった国は日本だったけど、
ようやく1985年に日本に来ることができた。
『Theatre Of Pain』の時だけど、みんな覚えているかい?
初めて日本に来て、日本に恋してしまったんだよ。」
と、嬉しいことを言ってくれたんだが、
「じゃぁ、バンドのメンバーを紹介しまーす」と
唐突に話題を切り替えるニッキー。
「リードギターに、17歳の時からの付き合いミック・マーズ」
短いギターフレーズを奏でた後、小さく手を振るミックが超可愛い。
そんなミック・マーズは、63歳。
「ドラマーも17歳の時に知り合ったクレイジー・マザー・ファッカー、
トミー・リー」
という紹介を受け、トミー・リーは明るく元気に「コンニチワァ!!」
「ヴォーカルは、唯一無二の声の持ち主、ヴィンス・ニール!ブラザー!」
でも、一回クビにしたけどね…。
なんてちょっと思ったりして。
「これはお別れじゃない。モトリー・クルーの音楽は、
君たちが、ファッキンに死ぬまで心の中に生き続けるんだ!
マザー!ファッカー!!!」
やたらとF*cKという単語が飛び出し、
最後のシメもF*cKだったニッキーのMCに続いて奏でられたのは、
Anarchy In The U.K.。
なんで、このMCの後にこの曲!?
「Theater Of Pain」収録曲か、もしくはLive Wireでしょ!
と思わんでもないが、感傷に浸らせないこのバンドならではの選曲なのかも。
ヴィンスの声は、比較的出ていたし、
ミック・マーズのギターソロもナイス!
何よりも観客も盛り上がっていたので、良しとしましょう。
照明が落ちSEが流れ、ステージの両脇に設置されたモニターに、
心電図の波形が!
やがて救急車のサイレンが鳴り、バタン!
Dr. Feelgood!!!
きった!
モトリー・クルーで最も好きな曲!
イントロの這うようなギターのリズム、アーミング、
死ぬほどかっこいいリフ!
最後までメロディを歌い切らないヴィンスの歌い方が気になりはしたが、
それでもやはりこの曲は燃える!
ミックのギターソロで、昇天!
興奮醒めきらない大声援の中、再びSEが流れる。
In The Beginning!
もうこのShout At The Devilまでのタメが堪らない。
で、ギャッギャギャーン!
みんなでこぶしを振り上げて、“Hey!Hey!Hey!”。
そんな光景を見て、
なんかシルヴェスター・スタローンの『コブラ』のオープニングを思い出すのは、
俺だけか…。
原曲よりも一回し長いイントロからAメロと来て、
サビで、文字通り“Shout!Shout!Shout!”と叫びまくる!
キメキメのエンディングが、これまた鼻血が出そうなぐらい凄まじくかっこ良かった。
個人的には、Dr. Feelgood、Shout At The Devilの2曲が、
本公演中盤のハイライトだった。
続いて、ヴィンスがアコースティック・ギターを手に取る。
ということは、Don't Go Away Mad (Just Go Away)だ。
これまた大好きな曲で、イントロのアルペジオを聴いた瞬間、
グッと来るものがあった。
チャリ通だった高校生の時、
この曲が収録されている「Dr. Feelgood」を聴きまくりながら通学した。
瞬時に通学路の光景が蘇る。
ちょっとオセンチな感じになったんだけど、
やはりヴィンスの声が聞えず、そんな思いも霧散。
今までは音圧がある曲ばかりだから、仕方ないと思ったが、
割かし静か目なこの曲でもダメってことは、相当声が出ていないってことだ。
実は「Saints Of Los Angeles」にボーナストラックとして収録されている
Kickstart My Heartのライブバージョンを耳にした時、
ヴィンスの声があまりに出ていなくて、ビビった。
正直、ヴィンスの声の出なさ加減を心配していたんだが、
まさかここまで出ないとは…。
ヴィンス・ニールは54歳。
まだまだ声枯れるには早くねぇ?
なんて思っているうちにDon't Go Away Mad (Just Go Away)が終わり、
照明が落ち、荘厳なCarmina Buranaが流れる。
そのままBack To Back!へっ!
って、そんなことがあるわけなくて、トミー・リーのドラムソロタイム!
ファンキーな曲の合せてドラミングを開始するトミー。
ドラムキッドがステージ中央に設置されたコースターを、
ゆっくりと上がっていく。
ずんずんと上昇し、曲は何故かジョン・コラビ時代のHammeredへ。
その後、ドラムキッドは動かなくなり、
よくわからない曲に合わせてドラミングを続けていたトミーが、
左斜め下の方に向かって「Fuckin'Stop!」と叫び、
唐突に曲が終わってしまった。
えっ?ドラムソロこれだけ?
すぐにミック・マーズの名前が呼ばれ、ミックのギターソロタイム。
なるほど、ミック・マーズのギターに合わせて、ドラムを叩くんだ。
と思っていたんだが、長々とミックがソロを弾き、ドラムと絡むことなく終了。
これは後で知ったことなのですが、なんと機材トラブルで、
ドラムソロは途中で終わっていたのでした。
ミックのソロの間、トミーの救出作業が行われていたとのこと。
全く気が付きませんでした。
思っていたのと大分違うなぁ〜とちょっとガッカリしながらも、
こういうドラムソロの演出なんだと思っていたほど。
こんなことあるんですねぇ。
さてさて、ライブですが、
アーミング、タッピング、フルピッキングと、
いろんなテクニックを駆使した長いミックのギターソロから、
そのまま続けてLive Wire。
ソロとイントロのリフの切れ間が曖昧で、
ガツンと来なかったのが残念ではあったが、
モトリーの代名詞的な名曲により会場のテンションは最高潮。
スタジオ盤よりもファストになっており、疾走しまくり!
中盤のスローになるテンポチェンジもスムーズで、
動と静のメリハリがついていた。
再びアップテンポになってからは怒涛。
一旦演奏を止めてのカウベルも良いアクセントになっていた。
これだけかっこよくカウベルを使った曲は、他に見当たらない。
続いて、トミーのズッシリとしたドラムのビートから、
こちらはスタジオ盤よりも若干スローなToo Young To Fall In Love。
この曲もリフがかっこいい。
前から思っていたことだけど、ミック・マーズは優れたリフ・メイカーであり、
メロディーメイカーだ。
もっと高く評価されて良いはず。
さて、ライブもいよいよ終盤。
バイクのエンジン音が鳴り響き。
ヴィンスがエアでバイクのスロットルを捻る。
Girls, Girls, Girlsだ!
観客が最も弾んだのは、この曲だったかも。
それぐらいみんな激しくノリノリだった。
エンディングからそのままミックのアーミング。
グウィィィィィィン、ヴゥィィィィィィン、ドゥィィィィィィン
Kickstart My Heart!
アンコールのラストでやらずにここで出してきたかっ…。
“アンコールはHome Sweet Homeと、後なんだ…、
他に曲無いぞ…。
Red Hot?
Piece Of Your Action?
もしかしてアンコール1曲だけ?”
という思考が頭によぎったが、
いかん、ここはKickstart My Heartに没頭せよ!
ガァーガ、ガッツク、ガッツク、ガッツク、ガガァーと刻むギターリフ。
いやー、とんでもなくかっこ良い。
相変わらずヴィンスの声が聞えないが、
観客たちの掛け声とコーラスが、見事にそれを補填。
“Oh!Yeah!”
この曲でもミックは、良い仕事をしまくり。
ラストのタメにタメたアーミングも最強!
大盛り上がりのKickstart My Heartで、本編終了。
一旦、メンバーがステージから姿を消す。
数分後、シンセサイザーのサウンドに乗って、
コースターの前面に設置されたゴンドラ部分にメンバーが登場。
そして、トミー・リーが、あの名フレーズを鍵盤で奏でる。
観客は携帯電話の電源をONにしてかざす。
なんとも幻想的で感動的なシチュエーション。
がっ、しかし、ヴィ、ヴィンス…。
この曲もダメか…。
歌い上げるどころか、掠れまくり。
う〜ん!残念!
で、Home Sweet Homeであっけなく終了。
やって欲しい曲は、全部やってくれた。
「あぁ、あの曲やってくれなかった」というのは皆無だ。
なのに何かスッキリしないのは、やっぱりヴィンスのせいかしら?
Girls, Girls, Girlsで本編終わらせて、
アンコールをHome Sweet Home、Kickstart My Heartにした方が、
良かったような気もするし…。
てな感じで、大満足とはいかないまでも、
ファイナルツアーにも関わらず、しんみりとならずに、
あっけらかんとしたモトリー・クルーらしいライブで、楽しかったです。
何よりもお客さんのノリの良さにかなり救われた。
モトリーのライブは騒がないとね!
終了後、本公演を別の席で見ていた大学の後輩ゴッチと、
その同僚と落ち合い、浦和で「ヴィンス・ニール反省会」。
ヴィンスの声も、突っ込み所ってことで、
ネタにしながら飲みました。
それもまた楽しい。
そして、翌日もさいたまスーパーアリーナへと足を運ぶのであります。
2015年2月14日(土)@さいたまスーパーアリーナ セットリスト
01.Saints Of Los Angeles / Saints of Los Angeles
02.Wild Side / Girls, Girls, Girls
03.Primal Scream / Decade Of Decadence '81-'91
04.Same Ol' Situation(S.O.S.) / Dr.Feelgood
05.Looks That Kill / Shout At The Devil.
06.On With The Show / Too Fast For Love
07.Too Fast For Love / Too Fast For Love
08.Smokin' In The Boys' Room / Theatre of Pain
09.Mutherfucker Of The Year / Saints of Los Angeles
10.Anarchy In The U.K. / Decade Of Decadence '81-'91
11.Dr. Feelgood / De.Feelgood
12.In The Beginning 〜 Shout at the Devil / Shout at the Devil
13.Don't Go Away Mad (Just Go Away) / Dr.Feelgood
14.Drum Solo
15.Guitar Solo
16.Live Wire / Too Fast For Love
17.Too Young To Fall In Love / Shout at the Devil
18.Girls, Girls, Girls / Girls, Girls, Girls
19.Kickstart My Heart / Dr.Feelgood
-Encore-
20.Home Sweet Home / Theatre of Pain