2015年04月18日更新

#716『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃』

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2015年4月18日より全国にて
配給:東宝
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2015




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メキシコのある町に生息するサボテンの実を日本に輸入する権利を得るため、
転勤を命じられた野原ひろし。


家族揃っての引越しを決意した野原一家は、春日部のみんなに別れを告げ、
メキシコの「マダクエルヨバカ」という田舎町へ。


慣れない地で、新たなスタートを切った野原一家だったが、
なんとひろしが集めようとしていたサボテンは、人喰いサボテンだった!!


ゴールデンウィークの定番、劇場版「クレヨンしんちゃん」第23作目。


序盤は春日部を離れるしんのすけと地元の人々やカスカベ防衛隊、
特に風間君との別れが中心。


あざといというか、分かり切ったなんの捻りもないストレートな流れなんだけど、
まんまと術中にはまり、少し涙ぐんでしまった。


どうも最近、涙もろい。


日本を離れてからは、
メキシコの田舎町「マダクエルヨバカ」での日常生活を描きながら、
メキシコでの主要人物を紹介。


そして、田舎町の発展を担うはずだったサボテンが、
実は人喰いサボテンで人々を襲い始める。


ここから物語が一気に加速する。


サボテンとのチェイスシーンにハラハラドキドキ。


一体どうやって野原一家と生き残った「マダクエルヨバカ」の人々は、
この窮地を脱するのか!?


さて、この映画を見ながら真っ先に思い浮かんだのが、『エイリアン2』。


人を種の繁栄・増殖のために襲うサボテンは、エイリアン。
下っ端の兵隊サボテンを生み出す巨大サボテンは、クィーンエイリアン。


救助の光を見ながらも、結局は退路を断たれ、
孤立無援の絶望状態に陥る点も似ている。


危機的状況化にも関わらず欲を優先し、
輪を乱し事態を悪化させるマダクエルヨバカ町長は、
エイリアン(チェットバスター)を地球に持ち帰ろうとするカーター・J・バークだ。


しんのすけが通う幼稚園の先生で、サボテンに果敢に立ち向かうカロリーナは、
リプリーか?(キャラ的にはバスケスぽい)


『エイリアン2』要素に加え、


バーの籠城 ⇒『ミスト』。
サボテンの回避方法 ⇒『プレデター』。
スーパーマーケット ⇒『ゾンビ』。


などなど、定番ホラー、モンスター映画の要素が散りばめられている。


これまでも妙に不気味な初期の劇場版や、
途中が完全に恐怖映画だった『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』、
無駄に怖い『嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』など、
ホラー要素が強い作品もあった。


しかし、今回“うまいなぁ〜”と思ったのが、寸止めのテクニック。


これ以上怖がらせたら子供が泣いてしまう!というところで、
ギャグやアクションを放り込んで、恐怖を緩和させる。


絶妙でした。


劇場版「クレヨンしんちゃん」は、ファミリー映画だ。


特別感のある劇場版を初めて見るちびっ子もいると思う。
劇場版「クレヨンしんちゃん」=怖いというイメージを植え付けてはならない。


劇場版「クレヨンしんちゃん」の真骨頂であるギャグアクションに、
オマージュというよりは、過去のホラー映画のフレーバーを融合させた感じ。


あと舞台がメキシコなので、ロバート・ロドリゲスの風味も。


トータルバランスが良かった2013年の『バカうまっ! B級グルメサバイバル!!』の監督、
橋本昌和と脚本のうえのきみこが復帰しているからか、
本作は、テンポがよく全くダレがない。


『B級グルメ』同様伏線の回収もスムーズ。


光の明暗で不気味さを醸し出すなど、細かい演出も冴えていた。


『バカうまっ! B級グルメサバイバル!!』、
第18回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞し、
興行的にも18.3億円という劇場版「クレしん」史上3番目の好成績を残した
2014年の『ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』と、2年連続で良作を連発していましたが、
『オラの引越し物語 サボテン大襲撃』も、前2作に負けないグレードの作品でした。


バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発みたいな感じ。
(あれから30年とは…)

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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