2016年06月22日更新

#719『10 クローバーフィールド・レーン』

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『10 クロ―バーフィールド・レーン』

2016年4月18日より全国にて
配給:東和ピクチャーズ
©2016 Paramount Pictures. All Rights Reserved.




このブログに洋画の感想を掲載するのは、
2014年7月23日の【裏部屋】『GODZILLA ゴジラ』以来。


約1年ぶりとなるわけですが、
その間洋画を全く見ていなかったというとそうではなく、
少ないながらも『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『オデッセイ』辺りは見ていた。


でも、公開終了間際での鑑賞だったり、
すでに本ブログが映画情報サイトとして機能してないから、
別に書かんでもいいかなって。


で、『10 クローバーフィールド・レーン』(以下、『10』)ですが、
『クローバーフィールド/HAKAISHA』(以下、『HAKAISHA』)が公開された2008年に、
3つの記事をあげたところ、大変大きな反響があったんで、
まぁ、“関連作品”だし、見たし、あげとこうかなって。


【関連記事】
『クローバーフィールド/HAKAISHA』 
『クローバーフィールド』ネタバレ感想編
『クローバーフィールド』 “HAKAISHA”ネタバレ分析編


『HAKAISHA』“関連作品”と書きましたが、
本国の制作サイドは『10』について、『HAKAISHA』の続編だとか、
スピンオフだとかは、一切謳っていなかったようだ。


関連性と言えば、J.J.エイブラムスら『HAKAISHA』の製作陣が、
『10』の製作スタッフに名を連ねているぐらいだ。


とはいえ、『クローバーフィールド』というタイトルが付いてる以上、
“続編か?”“関連作品なのか?”って気になるのは必然。


『10』の特報が公開されたと聞き、早速見た。





ポイント・オブ・ビューじゃない。
『HAKAISHA』は無名キャストで固めていたが、ジョン・グッドマンが出ている。


これは『HAKAISHA』とは、大分テイストが違うなと。
“別物?”という思いが宿りつつも、特報で描かれているシャルターの外が気になるし、
そもそもなんで、この3人がシェルターにいるのか興味が引かれた。


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数ヶ月後、試写状が手元に届いた。


キービジュアルに、思いっきり宇宙船が写っていた。


『HAKAISHA』は、僕の中では怪獣映画であり、エイリアンの侵略系映画ではない。
故に、“これは違う”と思った。


でもキャッチコピーが、「奴らはあらゆるフォームでやってくる。」。
『HAKAISHA』を喚起させる。


しかし、予告編を見て、前者だと確信した。





結果的にそれは正しかった。


『HAKAISHA』の続編、もしくは物語の中に関わりを見出したかった人は、
「続編じゃない!」「関係ないじゃん!」って思うだろうなぁ。


逆に関連性がないだろうと察していた人や、
そもそも『HAKAISHA』なんて見ていないし、知らないって人は、
普通にスリラー映画(の珍品)として楽しめるんじゃないかな。


冒頭のものの数分で、主人公のミシェルが事故に遭い監禁され、
一気に物語に引き込む流れはなかなか秀逸。


追ってミシェルを監禁した主であるハワードなる謎の男が現れ、
さらにはエメットなる若者も登場。


ミシェルは誘拐されたと思い抵抗を試みるが、
ハワードは「外は攻撃を受けていて危険。ここに居れば安全。お前を助けた」という。


エメットも「ここへ逃げてきた」という。


ここから観客はミシェルと一緒に、
“ハワードは親切なのか?それとも悪人なのか?
ハワードの言っていることは本当なのか?”
という疑心暗鬼に陥りながら、奇妙な共同生活を体験することになる。


不信感→安心→でも怪しい


というアゲサゲも上手い。


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そして、何よりも仮にここから脱出できたとしても、
どうやら外は安全じゃないらしいというのが効果的だ。


このシチュエーションこそ、本作の醍醐味でしょう。


そんな中、ハワードやエメリットのセリフやちょっとしたアイテムが、
かなり重要でひとつひとつが、その後の物語に大きく関わってくる。


全てに意味があり、無駄がない。


多少こじつけ的な部分もあるけど、
脚本・構成が練られている証しの一つだと思う。


まぁ、回収されていない伏線もある。


特にハワードのキャラクター造詣が、かなり説明不足。


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でも、そのわけのわからない部分が、
気持ちが悪くて怖いのかなって。


未知なる状況の中で、
“生きるために立ち向かわなくてはならない”という点は、
『HAKAISHA』のテーマと合致するような気がする。


ミシェルは、ハワードの後に、
更なる得体の知れない戦いが待ち受けている訳ですが…。


この未知との戦いを蛇足と取るかどうかは、
人とそれぞれかな。


個人的には、いろいろと突っ込みどころがあったけど、有りでした。


きちんと緊迫感を維持していたし。


あと、ところどころ過去の名作のオマージュが入っていて、
これもJ.Jらしいなって。


ド頭のガソリンスタンドのシーンは、『激突!』。





本当にJ.J.ってスピルバーグLOVEなんだね。


ラストは、ネタばれるなるから書かないけど、
超有名な名作のラストシーンだ。


その映画のスコアが勝手に脳内補填された。


「俺、この映画が好きなんです」っていう、
オマージュという名の下の自己主張も嫌いじゃないっす。


そして、映画を見てからわかったんだけど、
この映画のキャッチコピーの原文は、
「MONSTER COMES IN MANY FORMS」。


「奴らはあらゆるフォームでやってくる。」


上手く訳したねぇ〜。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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