昨年の12月に中学時代の同級生であり、
現在は作家として活躍している恒川光太郎と、
中学校卒業以来、約25年ぶりに再会を果たした。
【関連記事】
「同級生」
「スタープレイヤー」(恒川光太郎)
「ヘブンメイカー スタープレイヤーII」(恒川光太郎)
沖縄在住の恒川光太郎が、東京に帰省した際に、
地元・吉祥寺のラム酒バー・スクリュードライバーで落ち合った。
25年間のブランクを感じさせることなく、
2時間半に渡り色々と語り合ったんだが、
鎌倉に関する話題が出た。
恒川光太郎は一時期、藤沢に住んでいたことがあり、
故に彼の著作「ヘブンメイカー スタープレイヤーII」に藤沢が出てくる。
登場人物が切通しへ行くシーンもある。
大船に居を構えたこともあり、
藤沢、大船から近い鎌倉へ何度か訪れたことはあったものの、
観光らしい観光もしないまま、移住をしてしまったという。
そして、1年半前、小生との交流が始まり、
それきっかけで本ブログの「鎌倉ディープツアー」を読んでくれた。
【関連記事】
「ディープツアー2011」
「ディープツアー2012」
「ディープツアー2013」
「ディープツアー2014」
※2015年はお休み
そこで“魔界・鎌倉”を知り、行ってみたいと思ったと。
であるならば、次回、東京に来る機会があったら、
一緒に鎌倉へ行こうということになった。
彼の作品の中には、森や林、草といった自然が多く出てくる。
自然に対する敬意と畏怖を表した描写は、
テレンス・マリック監督作品のそれに近い。
恒川光太郎に自然豊かであり、神秘的な鎌倉を一度見てもらいたい。
きっと何かインスパイアされ、何がしかを持って帰ってもらえるはず。
そして、半年後、恒川光太郎より5月に上京するという連絡が入り、
2016年5月中旬の平日、鎌倉散策ツアーへ行くことになった。
散策の日、天気予報によると生憎の雨。
今回行く場所のことを考えると、それなりの雨対策が必要なので、
前日に慌ててアウトレットの安いトレッキングシューズを購入。
荷物は防水対策として、ジップロックで密封しリュックへ詰めた。
まさかの晴れを期待したが、朝起きたら既にかなりの雨量。
萎えるぜ…。
アディダスのドライTシャツの上にミズノの野球用長袖トレーニングウェア着用し、
下半身はユニクロのドライ半ズボン、野球用のハイソックスにトレッキングシューズ。
帽子も散策には必需品なので、メタリカのキャップを被り、
アウター、カバン、靴に防水スプレーを大量に吹き付け、いざ鎌倉へ!
平日の朝、中央線上りはスーツに身を包んだ通勤の方々がほとんど。
そんな中に上記の出で立ち。
完全に浮いてるが、気にしない。
「俺はこれから会社ではなく、魔界・鎌倉へ行くのだ。
ケッケッケッ!」
意味不明な優越感に浸り、
アイアン・メイデンの「Somewhere In Time」を聴きながら終点の東京駅へ。
ここから横須賀線で鎌倉入りをするわけですが、
下りなので余裕で座れると思っていたら、
東京駅のプラットホームへ侵入してきた横須賀線は、
中央線の比じゃないぐらいの大混雑。
東京駅から乗車する人もかなりいて、結局、乗るのを断念。
これ、日常なの?
だったら異常だ。
次の電車が品川止まりだったので、
もう1本待ち、これまた結構な混雑の横須賀線に乗る。
新橋、品川でかなり降りるだろうと予測したら、
案の上で、横須賀線は大量の乗客をホームへと吐き出した。
シートに身を委ね、レッド・ツェッペリンの「Physical Graffiti」を聴きながら、
ボォーとすること1時間弱、9時過ぎに鎌倉駅到着。
携帯のやり取りで、
どうやら同じ横須賀線に乗っていることが判明した恒川光太郎と、
鎌倉駅東口改札で待ち合わせ。
雨が恨めしい…
共に朝飯がまだということで、駅前のマクドナルドで腹ごなし。
そこそこ降っていた雨が、さらに酷くなる可能性もあるので、
初っ端から恒川光太郎の要望にお応えして、朝比奈切通しへ行くことにした。
「ヘブンメイカー」に切通しが出てくるので、
鎌倉七口の切通しのどれかひとつには連れて行きたい。
となるとやはり切通しの中で最も距離が長く、
ワイルドな朝比奈切通しが良いだろうと思ったのだ。
9時51分発、金沢八景駅行きの京浜急行バスに乗り込み、
いよいよ恒川光太郎との鎌倉ツアーがスタートした。
以降、「ディープツアー2016 特別編 朝比奈切通し」へと続く。