<ディープツアー2016 記事一覧>
「ディープツアー2016 特別編 序章」
「ディープツアー2016 特別編 朝比奈切通し」
「ディープツアー2016 特別編 天園ハイキングコース」
「ディープツアー2016 特別編 天園ハイキングコース」からの続き。
勝上献展望台から階段を下ると半僧坊。
もう受付は閉まっていた。
<br>
時計を見ると16時20分。
天園ハイキングコースに入ったのが、13時20分だったので、
約3時間も歩いていたことにある。
さて半僧坊ですが、様々な鎌倉の本やネットで縁起を調べたんだけど、
イマイチ理解が出来ない。
自分なりにまとめられないので、縁起は公式サイトに譲ります。
受付の横に門のようなものがあったが閉まっていたので、
門の上部にカメラをかざして内部を撮影。
右奥の岩壁に何か彫られているようだ。
額縁のようなものも気になるが、一体なんだろう?
でも一番目を引くのは、梯子や三角コーン、猫車といった乱雑に置かれた品々。
なんか残念な気分になる。
同じく切ないのが、門の前にあった割れた石碑と崩壊した燈篭。
修繕とかしないのかね。
さらに残念なのが、富士見台。
なんも見えん…。
きっと澄んだ冬の朝とかじゃないと富士山は見えないんだろうな。
富士見台の脇にある階段の両脇には多くの天狗。
半僧坊の鎮守の大権現が天狗とのこと。
権現とは神の仮の姿。
天狗の群れを見ながら恒川光太郎は、
「これに囲まれてカツアゲされたら怖いなぁ」みたいなことを言っていた。
やっぱり発想が面白い。
天狗の前の参道。
鎌倉屈指の観光スポットなのに、誰もいない。
とても静かでよろしい。
平日、雨というのが作用しているのでしょう。
この時ばかりは雨に感謝。
よく見ると半僧坊の門の中にあったのと同じ三角コーンが、
階段の脇に置いてある。
誰もいない参道を歩く。
途中、見所ポイントが多々あった。
しかし、恒川光太郎もお疲れ気味だったし、
小生は履き慣れないトレッキングシューズのせいか、
かなり前から足が痛くて、見所ポイントに足が向かなかった。
途中、普通の道みたいなところを歩いていると、
モミジと思しき木が。
5月なのに紅葉?
植物に詳しくないので調べたら、
春先にも赤くなる品種があるようだ。
野村紅葉かな?
なんで野村?
濃紫(のうむら)が転じて野村になったそうな。
そんな紅葉の近くの家屋。
廃屋。
窓際に置かれた段ボールに、
「ウォータークリーナー 天竜 SFR」と書かれている。
検索したら庭園用の噴水がヒットした。
かつては、噴水があるぐらい立派な庭があったのだろうか?
鎌倉に限らず、全国各地で空家問題が勃発している。
住みたい街ナンバー1の地元・吉祥寺にも、
長らく人が住んでいない廃屋がいくつかあるが、
最近、軒並み解体され新たな家が建てられている。
確かに廃屋は倒壊の恐れがあるし、
街の景観を損ねるけど、なぜかロマンを感じる。
なので、解体されるのはちょっと寂しい。
<br>
廃屋から歩いて数分、建長寺に到着。
まず目を奪われるのが唐門。
平成23年(2011年)に解体修理されたばかり。
ネットで「建長寺 唐門」で検索すると、
修繕前の唐門の画像がいくつかヒットしたので、
見比べてみたが、その輝きはまるで違う。
どこまで忠実に再現されているのだろうか?
唐門の脇を進むと建長寺の大庫裏(だいくり)。
庫裏(庫裡)とは、僧侶の居住する場所。
台所を兼ねるケースもある。
“大”が付くだけあって、まぁ、デカいっす。
流石、鎌倉五山第一位。
鎌倉時代の建長5年(1253年)の創建。
開基は第5代執権北条時頼で、開山は宋の高僧・蘭渓道隆(らいけんどうりゅう)。
開基は平たく言うと、建立に際して金を出した人。
開山は初代の住職。
禅寺の呼称が使われたのは、建長寺が初めてだという。
中国の僧侶を迎え禅宗を取り入れたのは、
京都の貴族たちへの対抗心があったからと言われている。
大庫裏を通り過ぎると龍王殿があり、
襖絵の龍王図が特別公開されていた。
作者は白浪(はくろう)。
いつの時代の人かというと、なんと現代。
中国人で、青梅市在住。
ちゃんとサイトもありました。
龍王殿の裏には庭園が。
庭園を眺められる用、通路にはベンチが用意されていた。
建長寺の境内には数名人がいたが、ほとんどが西洋人で、
ここでも2組の西洋人が、ベンチに腰かけて庭園を眺めていた。
蘭渓道隆が作庭し、中央の池の名前は、さん碧池(さんぺきち)。
庭園は改修されているようで、現在のものは創建750年を記念して、
平成15年(2003年)に造園されたもの。
恒川光太郎と一緒にベンチに座り、
庭園を眺め、疲れを癒していると烏が池の水面をかすめ飛んできた。
なんと池の中にいたザリガニを捕獲して、食べ始めた。
外国人観光客も「おぉぉぉ」と声を上げ、
ザリガニを食べる烏にカメラのレンズを向けていた。
龍王殿を出て、境内をブラブラ。
殆ど人がおらず、西洋人カップル2組ぐらい。
超人気スポットが貸切状態。
好きなところをゆっくりじっくり見られる!
屋根がスーパー美しい鐘楼。
そもそも鐘楼が萱葺というのは珍しんだが、
それにしても見事だ。
これだけ刈り込んでいるのは、
任侠映画出演時の高倉健さんか建長寺の鐘楼かってぐらいだ。
しかし、「建長寺 鐘楼」で画像検索すると、
現在とは異なる茅葺屋根の鐘楼が多数ヒットする。
近年、屋根ごと取り換えられたようだ。
これだけ立派なので、重要文化財に指定されているかと思ったらさにあらず。
でも鐘楼の中に佇む梵鐘は、国宝!!!
建長7年(1255年)に鋳物師・物部重光が制作した建長寺創建時の逸品。
重さは2.5トン。
ウルトラマンのメガトン怪獣スカイドンの20万トンには遠く及びませんが、
鎌倉時代にこれだけ重たい鐘をどうやって吊るしたのでしょうか?
(まぁ、それは平安時代に鋳造された梵鐘にも同じことが言えるのですが)
有名な三門(山門)。
安永4年(1775年)の建立の重要文化財。
(でも2005年と割と最近指定されている)
何度も倒壊をしているけど、
一番最後は、大正12年(1923年)の関東大震災。
2012年のディープツアー時、
鎌倉駅の東西を結ぶ地下道に展示されていた写真がコレ。
その後の再建されたとはいえ、現時点で築100年弱。
凄いねぇ。
もう少し境内を見学と思ったものの、何気に時刻は17時で閉門時間。
僧侶の方に出るように促されてしまった。
以降、「ディープツアー2016 特別編 鶴岡八幡宮」へと続く。