<福岡2016 散策記一覧>
「福岡2016 序章」
「福岡2016 能古島 前編」
「福岡2016 能古島 前編」からの続き。
うどんで空腹を満たし、ビールで疲れを癒し、
鋭気を養った後は、アイランドパークの奥へと突き進む。
アイランドパークのウリであるパノラマ花壇。
一面マリーゴールド。
壮観だった。
マリーゴールド畑の横には、
防人の烽火台(のろしだい)。
以下、解説板より抜粋。
『日本書紀』に「天智三年、対馬、筑紫国等に防人と烽火を置く」とある。
場所は不明だが、能古島は『万葉集』によって防人の存在が明らかで、
その場所がこの也良崎。
沖つ島 鴨とふ船の還りこば
也良の崎守早く告げこそ
意味はコチラのサイトで。
この奈良時代の歌人・山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ歌によって、
也良崎が唯一確認できている防人の配置場所らしい。
約1300年前から江戸時代にかけて、
ここで烽火を上げ、太宰府に合図を送っていたという。
烽火台は、もちろんレプリカだが、
上に登って中を見ると、烽火をあげた痕跡があった。
何かのイベントで使用したのだろうか?
ここでのんびりと花と海を眺めていたいが、
帰りのフェリーの時間がある。
アイランドパークからフェリー乗り場まで、
バスが走っている。
しかし、1時間に1本だけ。
次のバスまで30分もある。
時間がもったいない。
そして、能古島の西側に自然探勝路という道があり、
自然の花々やめずらしい植物を見ることが出来るようだ。
自然探勝路を踏破し、能古島の南側をぐるっと回って、
フェリー乗り場へと行くのがベストなんだが、
その距離、約4キロ。
普通ならなんでもい距離だけど、熱中症と体力がかなり心配。
相当迷ったが、まぁ、なんとかなるだろうと、
自分の中でGOサインを出した。
アイランドパークに沿う形で、
緑に囲まれた小路を歩く。
暫く歩くとゴミ処理所があり、そこから自然探勝路となる。
ここからは写真多用。
先の鹿垣を思い出させる岩がゴロゴロ。
能古島の地質なのだろうか?
道の両側とも雑木林となっているのだが、
時たま視界が開けることがある。
すぐ近くにあった「春霞 玄海志賀や 能古の海」の碑文。
これも『万葉集』の歌かと思ったら、
福岡市長 進藤一馬(平成4年死去。享年88歳)が詠んだ歌のようだ。
道は舗装されていはいるが、落ち葉、枝、
そして、虫が凄い。
さらにはぬかるみ。
サイクリングロードでもあるようだが、
落ち葉、枝、坂道、ぬかるみ、右側斜面と、
優雅に自転車のペダルを漕いではいられなさそう。
明らかに人の手が入った薄い石による石垣。
これも鹿垣なのか?
なんか違うような気がするが、ならば何のために積まれたのか?
石も凄いが、竹も凄いぞ。
スーパーワイルドです。
この自然探勝路は、花々が見れるはずなのに…。
先程、自転車は危ないと書きましたが、
さらに路面が湧水で濡れまくりのうえ、
ブルーシートです。
写真には収められなかったけど、蟹がいました。
時に未舗装の路面も登場。
やっぱり、チャリは危ないと思う。
途中、民家があり。
その傍にあった用途不明の建物。
中に鉄の扉が放置されていて、
その扉には郵便受けが。
居住スペース?(そんなわけはないか)
そして、ステキな造りの民家が、自然探勝路の終点。
飼い犬がいて、超吠えられて、ビクついてしまった。
以上、自然探勝路。
感じたこと。
1.虫が多い。
2.ぬかるみがあって滑りそう。
3.基本舗装されているが、整備はされていない。
4.よって自転車はあまりお勧めしない。
5.途中途中にオリエンテーリングのようなコーナーがあるが、
長年放置されている。
6.視界が開けて海が見えるのは2箇所だけ。
7.ゴミ箱がところどころにあるが、ゴミは放置されていて、
錆びた缶が収集されるのを気長に待っている状態。
8.花?皆無だ。
9.一度たりとも誰とも擦れ違わなかった。
10.日中だけど薄暗い。
11. 女性一人では、行かない方が良いと思う。
かなり微妙な自然探勝路を踏破し、
能古島南端へ向かう途中の廃屋。
誰か固定資産税払ってるのかな?
さて時刻は14時20分。
帰りのフェリーは15時発。
まだ時間はある。
手元にある地図には、詳しい場所が記載されていないが、
近くに元寇で亡くなった方々を弔う蒙古塚があるようなので目指す。
この辺かなと当りを付けて歩いていると海に出た。
今津湾方面。
海沿いを西に向かって歩くと、簡単に発見。
塚に向かうと、左側の藪からゴソって音がしたが、無視。
蒙古塚。
2度の元寇のうち、2回目となる弘安4年(1281年)の弘安の役で、
能古島は異国の民の上陸を許し、その犠牲者と思しき人骨が明治時代に発見されている。
中央の石碑には「三界萬霊」と彫られている。
この言葉は、寺院や墓地でちょいちょい見かける。
一切の霊の冥福をお祈りするための塔。
元寇で亡くなった方を無縁仏として供養しているのでしょう。
「三界萬霊」という言葉の意味は、
コチラのサイトをご参照ください。
蒙古塚の奥には、三体の仏様が。
真ん中が阿弥陀如来で、
左右が釈迦如来。
阿弥陀如来が師匠で、釈迦如来がその弟子。
きちんとお花がお供えされているのが、印象に残った。
フェリー乗り場へ向かうべく蒙古塚の入口へと戻ると、
藪の中から大きな蛇がニョロニョロと出てきた。
さっきのゴッソという音は、この蛇だったのか。
まさに藪蛇。
少し湾岸線の道を歩いた後、能古島の住民が暮らす集落へ。
こういう暗渠の道、かなり好き。
高い建物が無いのもまたよい。
屋根から雑草。
遮蔽物がないからか、能古島の植物の生命力が逞しい。
廃屋。
ビニール製の日除けの朽ち果てぶりから、
かなり前に家主を失っているようだ。
放置されているとはいえ、
社にお茶のペットボトルを置く奴の神経がわからない。
この家以外にも廃屋が、かなりの数見受けられた。
例えば、両側廃屋。
雑草に飲み込まれつつある。
集落の一画にあった白髭神社。
能古島の氏神で、
住吉大神、神功皇后(じんぐうこうごう)が祀られている。
能古島の地名の由来は、「神功皇后が住吉の神霊を残した島なので、
残島(のこのしま)」という説があるそうな。
神社の次は警察署。
駐在さんの自宅が、駐在所なのでしょうか?
犯罪や交通事故は少なさそう。
駐在所のはす向かいが、消防署。
こちらも人が暮らしているようだ。
裏に回るとオッ○イみたいな物体が。
何に使う物なのでしょう。
なにはともあれ、警察署と消防署がこれだけ近ければ、
連携が取り易そうだ。
能古島の犯罪発生率を調べてみたら、2014年は1件。
治安は良いようです。
しかし、2010年3月に発生した福岡OLバラバラ殺人事件の死体発見現場が、
能古島だった…。
この事件、未解決。
全く記憶にないのは何故だろう。
警察署と消防署の近くにあったガソリンスタンド。
大分くたびれているけど、現役のようです。
リッター121円。
数年前に車を売ってしまってから、
ガソリンの相場が全くわからない。
今回の散策時に活用したマップを見ると、
近くに能古うどん製造所があるようなので、探す。
バラックのような建物の横にライトバンが停まっており、
その側面には「能古うどん」と書かれていた。
さらに食品関係の人が着る作業着を着た男性が、
トランクに何かを積み込んでいた。
ここが能古うどん製造所!?
とてもそうは見えないのだが…。
自然探勝路を踏破した後、
30分近く炎天下を歩いていたため、
再び熱中症の症状が出てきた。
先を急ぐとフェリー乗り場。
能古島に着いた時も気になったんだが、
このフェリー乗り場近くの広場の建物はなんざんしょ?
特に解説板もない。
フェリー乗り場に出発10分前の14時50分に到着。
呼吸が荒く、手に若干のシビレが。
やばい。
待合所の1階は、混雑しており座れないので、
展望台がある2階へとヘッコラと上がりベンチに座って、
ギャツビーのアイスデオドラントボディペーパーで身体を拭きまくる。
この手のボディペーパーは、いろんなメーカーから出ているが、
やっぱりギャツビーが最強だ。
全身スースーで、熱中症の症状が和らいだので、
展望台から姪浜方面を撮影。
乗船の案内を知らせるアナウンスが流れ、
フェリーに乗り込む。
定時に出港。
さらば、能古島。
周囲12キロの小さな島だったけど、
半日とても楽しめた。
しかし、多分、もう能古島に来ることはないだろう。
以降、「福岡2016 終章」へと続く。