<千葉内房 記事一覧>
「千葉内房 PART1 保田駅〜日本寺参道」
「千葉内房 PART1 保田駅〜日本寺参道」からの続き。
管理所で拝観料600円を支払い、
いよいよ日本寺の境内へ。
まず目にするのが、
草書体の「心」をかたどったところから、
その名が付いた心字池(しんじんいけ)。
かなり濁っております。
ある意味、人間の心の象徴?
庭園レベルからするとかなり低な庭園ですが、
水面に黄緑色の粉みたいなものが浮かんでいた。
これはもしかしてヒカリモ!?
藻の一種で、群生して水に浮かび、
光を反射して黄金色に光って見えるレア生物。
都内では調布市の実篤公園で唯一鑑賞できると言われていたのですが、
「ディープツアー2012 稲城 PART1」についたコメントから、
どうやら小生が都内第二の発見者となった思い出深い生き物。
でもこれがヒカリモかどうかはわかりません。
階段を登ると達磨石と大蘇鉄。
解説板には「広庭松下の祖 達磨石 四方面壁の相」と記されているが、
さっぱり意味がわからない。
樹齢800余年の大蘇鉄の方は、源頼朝が手で植えたとある。
確かに頼朝にとって房総半島は縁の地だが、
先の弘法大師の井戸、慈覚大師の仁王像同様、
「ホント?」って思ってしまう。
大蘇鉄の反対側には、漱石・子規 鋸山探勝碑。
明治を代表する文豪、夏目漱石。
近代俳句の祖、正岡子規。
この二人は親友であり、そのきっかけがここ鋸山とのこと。
詳しくは、コチラのサイトで。
探勝碑の傍には、“大”笹の葉。
伊藤家の墓掃除の難敵がこの笹。
見ただけでゾッとする。
そんな笹の近くには、
日本寺の象徴である巨大な大仏がある。
公式サイトで事前に調べたところ、
日本寺のトイレはその大仏広場下の1ヵ所のみ。
保田駅を出発して約1時間経っているし、
この先トイレがないということを考慮すると、
大して尿意はないが、済ませておいた方が良さそうだ。
ということで、東口管理所のスタッフにトイレの場所を聞きに行ったら、
こんな貼紙が…。
マジっすかぁ〜。
スタッフ曰く、鋸山山頂のロープウェイ乗り場にはトイレがあるとのこと。
最悪の場合、ダッシュで階段を駆け登ろうと思いつつ大仏へ。
正式名称は、薬師瑠璃光如来。
天明3年(1783年)、大野甚五郎英令が、
27人の門徒と3年かけて彫ったのが原型。
残念ながら幕末に風食等によって倒壊し、そん後荒廃するが、
昭和40年(1965年)に復元された。
しかし、復元から既に半世紀以上。
よく見るとところどころに亀裂がある。
胡坐の部分は、煉瓦のような積み方が成され、
明らかに補強をした形跡がある。
屋外、海が近い、遮るものがない、山腹にあるなど、
悪条件が重なっているから、劣化が激しいのかも。
なんにしても、デカイっす。
で、デカイといえば、大仏の傍の休憩所に、
中国人のおばちゃん集団がいたんだけど、
そのうちの1名の声が、まぁデカイ。
しかも喋り倒し。
こちらは厳粛な気持ちで大仏に向き合いたかったのだが…。
さてさて、ここから山頂まで、見どころ満載。
まず大仏前参道に転がっていた遺物。
よく見るとこれは道路照明?
なぜこんなものがここに放置されているのだろうか。
大仏前参道から上は、
様々な仏像の大群が安置されている羅漢エリアなのですが、
案内板にあった通天窟が気になり、階段を下る。
通天窟。
公式サイトによると、
「当山曹洞九世高雅愚伝禅師と道元禅師、瑩山禅師を祀る」とのこと。
中に入ると、首のない仏像。
反対に首だけの仏像。
なにがなんだか…。
下りてきた階段を戻り、羅漢エリアへ。
ここからは仏像の嵐。
まずは護摩窟。
護摩は炉の中に供物や護摩木(願いが書かれた特別な薪)を入れ、
仏の智慧の火で煩悩を焼きつくし、
人々の願いを元三大師様に伝え、所願が成就する事を祈ること。
(深大寺公式HPより)
弘法大師の護摩窟ということは、
弘法大師が、この洞窟の中で護摩焚きをしているってこと?
千年の香煙(烟)が香る。
印象としてはジミヘンの「パープル・ヘイズ」。
続いて、手彫り?のトンネル。
トンネルの上には、
人々の交通安全を祈るかのように仏像が置いてるのだが、
左側には、首なしの仏像がずらりと整列。
身を屈めて通らないと頭がぶつかるという警告?
仏像に首がなければ、滝に水もない。
不動滝。
滝に不動明王は付き物だけど、
不動明王の横にあるお猪口をひっくり返したような物体はなに?
こちらは聖徳太子らしい。
仏像群の塊ごとに札があり、
そこに解説めいたことが書いてある。
法中の王最も高勝
聖徳太子
河沙の如来
同じく共に証す
チンプンカンプン。
一般人が読んで、
意味が解らない解説文って意味あるのかな?
聖徳太子の像は、綺麗な状態だったが、
やっぱり首の損傷が激しい仏像が多い。
上の写真の一番大きい仏像は、
生きたまま首を掻っ切られて絶命したかのよう。
あまりこのような苦しい表情の仏像を見たことがない。
周りの仏像も首がなかったり、
あとから付け足したようなものばかり。
誰かのために祈っているというよりは、
己のために苦しみ、思案しているような印象を受ける。
維摩窟なるエリアにあった仏像。
仏像って柔和な顔をしていて、
拝んで心を洗われ和むものだが、これには恐怖を感じる。
同じく怖いのが、一圓道全信士。
この仏が何者なのかさっぱり解りませんが、
補強されている首が、適当過ぎる。
ここまで散々首なし仏像がある中、
わざわざ修繕が施されているのにコレ?
こんな感じで、要所に仏像群。
確かに全く飽きさせない。
しかし、あまりに仏像群が連発するので、
次第に有難味がなくなってしまった。
食べ飲み放題みたい。
とはいえ、穴好きにはたまらない光景や、
巨大な宝篋印塔(供養塔)など、
仏像攻めだけじゃない。
岩窟好きの恒川光太郎も喜んで写真を撮っていた。
この他にもたくさん撮影したんだけど、
切りがないので割愛。
日本寺は、天台宗、真言宗を経て、現在、曹洞宗だけど、
かなり真言宗カラーが強い。
個人的には、真言宗らしい珍寺。
そんな日本寺の階段を登っていくと、
鋸山の頂上エリアへ到達。
以降、「千葉内房 PART3 鋸山頂上エリア」へと続く。