散策が好きになって早8年。
近代都市として名高い東京が、
実は史跡の宝庫であると知った当初、
時間がある時に旧跡を求めて巡り歩いた。
しかしながら、徒歩圏内だと限界があり、
行き尽くした感んが否めない。
だが、街は生き物である。
3.11の震災による耐震問題や、
東京オリンピック開催決定によって、
古い建物が軒並み解体され、
真新しいものにとって代わられている。
東京に限らず、
昔は当たり前のように観光できた場所が、
出来なくなっているケースを何度も見てきた。
一度行ったことがある史跡が、
変貌を遂げている可能性がある。
酷暑が厳しい令和元年8月某日、
久々に日本橋にある常磐橋を見に行った。
常磐橋は、東日本大震災によって被災し、
前回(2012 or 2013年)訪れた際には復旧工事が行われていた。
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「常磐橋」
その時、現場に掲示されていた工事のお知らせには、
工事期間:平成25年3月25日と記されていたので、
もう終わっているはずである。
しかし、常磐橋の工事は、
まだ終わっていないどころか、規模が大きくなっていた。
前回は工事現場によくあるオレンジ色のバリケードだったが、
2019年8月時点では、背丈以上もある白い柵が設置され、
近づくどころか、容易に常磐橋を見ることも出来ない。
上記の写真は、柵の合間にあった、
透明のビニールシートにスマホをくっ付けて撮影したもの。
(だから全体的に少し白味がかかっている)
常磐橋は、1877年(明治10年)に木造から石造に架け替えられた、
東京で最も古い石造洋式橋だった。
もはや面影すらない…。
現場には、橋の被害状況を知らせる写真が。
震災直後はもう少し簡単に修復できると見込んでいたが、
着工してみたら予想以上に変形しており、
大幅に工事内容が変更されたのだろう。
一度解体が行われたようで、新しい石が組まれているが、
明治時代の石も再利用されるのだろうか?
工事現場には完成イメージ図が掲げられていた。
工事期間が記されていない。
完成はまだまだ先ということだろうか。
少し先に架かる新常盤橋から撮影した常磐橋。
美しいアーチを見ることが出来るのは、
いつの日か…。
それにしても首都高の橋脚が邪魔だ…。
2018年5月に首都高の日本橋地下ルート案が出されたが、
着工は2020年以降。
かなりの難工事なうえ、
予算など様々な問題があるそうで、
小生が生きている間に完成するだろうか…。
一方、いつの間にか工事が完了しているところも。
有楽町駅のガード下。
つい先日まで左側は封鎖されていた。
平成28年に始まった耐震補強工事が、
明治43年開業時のレンガを残しつつ、
令和元年8月に終わっておりました。
こうして街は変わって行く。