1月31日から関東地区ですが「エイリアン・ディレクターズ・カット」が期間限定で公開されます。本作品は1979年に公開されたオリジナル版をリドリー・スコット監督が自ら再編集したバージョン。
DVDの普及などに伴い、「ディレクターズ・カット版」(以降「DC版」)と付いた作品を多く見かけるようになりましたが、そもそも何で「DC版」が作られるのか?
映画の編集作業を監督自らが行うことはまずありません。編集権はスタジオ側が持つというのが普通です。
苦労して撮影したシーンなどに愛着を持つ監督が編集すると、どうしても、カットするのが惜しいと思い長くなってしまうから。
いくつかエンディングを用意しておいて、試写を行い一番評判の良かったものを監督の意見に関わらず公開版としてしまうから。
長くなれば長くなった分、一日に上映できる回数が減り、映画館での観客の回転率が悪くなるからなど様々な理由があります。(「ライトスタッフ」という映画が上記理由で日本公開時に酷い目にあった。このエピソードはいずれ機会があったら書きましょう)
よって、監督として様々な制約、スタジオの意向に従わざる負えない部分も多く、自分の思い通りの映画にならなかったから、後年、自分の作りたかった理想の映画として「DC版」を作るのでしょう。
で、その「DC版」なのですが、有名なところでは同じく、R・スコット監督の「ブレードランナー」。これはエンディングが違うので解釈が全く変ってくる作品。「DC版」の火付け役で、そう言った意味でも記念碑的作品。
他の有名どころではジェームズ・キャメロン監督の「エイリアン2」、「アビス」、「T2」。リュック・ベッソン監督の「グランブルー」、「レオン」。「DC版」の劇場公開時に賛否両論となり話題となった「エクソシスト」などがあります。「DC版」とは明記されていませんが、スピルバーグの「未知との遭遇」もこれに属します。多分、再編集して再公開というパターンを初めて大体的にやった作品でしょう。
「DC版」は大体、カットされていた未公開シーンが追加されて長くなります。「テンポが悪くなってつまらない」とか否定的に捕らる人もいれば、「未公開シーンが見れて嬉しい」という肯定派もいる。
映画は人それぞれ楽しみ方が違うから解釈は違って当然。
そんな中、「エイリアンDC」は未公開シーンを追加したけど、いらないシーンをカットしているので、珍しくオリジナル版よりも短いらしい。
果たして、どんな形で生まれ変わっているのか!?
追記:以前、「ポストマン」で来日したケビン・コスナーが「いずれ、「ポストマン」のDC版を出そうと思うんだ」と言っていた。おいおい!誰もみねぇーよ!! |