現在の業務内容のうちの一つにインタビュー取材というのがある。文字通り、映画関係者(俳優、監督、プロデューサーなど)に携わっている映画の裏話や思い入れなどを聞く仕事だ。
基本的に放送で使用するのでインタビュー時には必ずムービーのカメラが回っている。そして、対象者が話している個所を使用するから、その間こちらは静かにしていなければならない。しかし、その際に思わず笑いが込み上げてくる時がある。
笑いのケースは色々あって、
1.対象者が知り合いに似ている
2.対象者がかわいい
3.対象者の答えが意味不明
4.対象者のいらないマメ知識を得ている
といった感じだ。
1番は最近もあった。「MY FATHER(原)」という映画の監督さんが、会社の人にちょっと似ていて、更に以前インタビューした「サンダーバード」の監督にも似ていて、どうにもおかしくなってしまった。一人でツボに入るというケースだ。
2番は単にデレデレしているだけである。「ボイス」の主演女優ハ・ジウォンはマジでやばかった。映画では別に普通な感じで、ストライクゾーンではなかったのですが、部屋に入ってきたハ・ジウォンはまるで別人の超美人。予想外の展開に動揺しつつも平静を装ったが、終了後「伊藤さん、にやけてましたね」と言われ、バレバレだった。同様のケースとして、ミラジョボなどがある。
3番は太刀が悪い。質問に対してちゃんと答えてくれないケースだ。この手の最高峰はセガール。質問しても「そうだね」とか「そうだよ」としか答えてくれない。まぁ、インタビューの前日にチキン食ったら歯がかけて、機嫌が悪かったことも起因するのでしょう。
最近だと「インファナル・アフェア 無間序曲」のアンソニー・ウォン。
伊藤「撮影中のエピソードは?」
ウォン「仕事だからね。ないよ。」
伊藤「香港映画が元気ありません!期待してますから頑張ってください!」
ウォン「期待されてもね。。。」
もういいや。。。
次いで、4番。これは取材場所に行った際に担当者から予備知識を与えられるケース。大物プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーの時は、現場スタッフが「あいつ、モニターチェックするんだよ。プロデューサーのくせして。自分、かっこいいと思ってんのかな?あの顔で。メイクもしているしさ。完全に勘違いナルだよね。」などと話すものだから、ジェリーが本当にモニターチェックをし、メイクのお直しが入った瞬間にスイッチが入ってしまった。そして、質問に真面目に答えてくれている彼の顔を見ていると「ナルシスト〜ナルシストだよぉ〜」と悪魔の声が聞こえてきて、もう笑いの持って行き場に困りまくった。って、失礼極まりない話なんだけどさ。
元々笑ってはいけないというシチュエーションは、どうでも良いことで笑いを引き起こすのである。
映画でもギャグがあって、ドッと場内が沸いた後もツボ入って、暗闇の中、独り笑いを噛み殺すってことありませんか?
当事者にしか分からない笑いの苦しみだ。
ベン・アフレックが鼻糞ほじっていたのには、別の意味で笑った。 |