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「これも変則バディ・ムービー?」

#62

 【バディ・ムービー】まったくタイプの異なる二人の人物が共通の目的があるなどの理由によって、コンビを組む羽目になるという類の映画を言う。バディとは“相棒”という意味でこのような呼び名がついた。

 さてさて、このバディ・ムービーですが、当てはまる作品が五万とある。「リーサル・ウェポン」、「48時間」、「ラッシュアワー」、「バッドボーイズ」等など。特に刑事アクション系で多用される傾向が強いのですが、今年のお正月映画にはちょっと変った相棒映画(?)が登場する。

 まずは「メリーに首ったけ」のファレリー兄弟の新作「ふたりにクギづけ」。

 田舎育ちのボブとウォルト兄弟。ボブは堅実で保守的、ウォルトは楽観主義で積極的と二人は全く異なる性格。ウォルトは俳優を目指し、一方のボブはメル友に会うため二人はハリウッドに向かうが、そこには様々な試練が待ち受けていた。。。

 手錠でつながれた二人の脱走囚を描いた「手錠のままの脱獄」という作品があるのですが、それの上を行く切っても切れないバディ・ムービー(なのか?)。

 ファレリー兄弟はこういった障害者ギリギリ路線が得意だけど、今回もいつものユーモアで毒を消している。「メリー」級の笑いを求めると肩透かしを食らうけど、ハートウォーミングな作品に仕上がっている。

 次に昨年公開されて話題になった「フレディVSジェイソン」(コラム#20参照)に続いて、人気キャラの対決ものとして制作された「エイリアンVS.プレデター」。

 エイリアンとプレデターの対決理由を明白にしつつ、南極を舞台にすることで人間を絡め、エイリアン、プレデター、人間の三つ巴戦が繰り広げられる。それぞれの目的や利害関係が結構話の軸になり、それがある時を境にギャグのような展開に発展する。「これは新手のバディ・ムービーか?」と思うぐらいに見ながらひとりでウケてしまった。目的が一緒なら世の中言葉は要りません。

 突っ込む要素を多分に持った作品ですが、「そんなのどーでもいいじゃん」と思えるエンタメ作品。ホラー的要素は皆無に等しく、アクション色が強いので怖いのが苦手な方でも楽します。

 2作品とも純粋なるバディ・ムービーではありませんが、見方を変えればバディ・ムービー。映画は色んな見方が出来る。

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