映画には3部作と呼ばれるようなシリーズがある。この3部作ですが、色んなパターンがある。
■3話完結型
1つ1つ独立しているけど、3つの作品で1つの大きな物語が完結するもの。
ex.「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「ロード・オブ・ザ・リング」、「マトリックス」
■テーマ、場所型
1つのテーマにまとめられたり、同一の場所が舞台となる3つの作品。
ex.「ゾンビ」三部作(「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」、「ゾンビ」、「死霊のえじき」)
大林宣彦「尾道」三部作(「転校生」、「時をかける少女」、「さびしんぼう」)
■1人の主人公が活躍する3つの作品。
ex.「インディー・ジョーンズ」、「ダイ・ハード」
などが挙げられる。
元々、3部作を想定して作られていたり、パート1がヒットしたから続編が作られたりと、様々なケースがある。
「ロード・オブ・ザ・リング」は最初から3本で完結すると製作発表されているので、前者のケース。で、「インディー」と「ダイ・ハード」はパート4の製作が発表されたので、後者のケースに当てはまるのでしょう。
「スター・ウォーズ」なんかはジョージ・ルーカスの構想では9部作で、旧3部作が真ん中の4〜5、1〜3は最近製作されている「エピソード」シリーズ。7〜9は作らないという感じ。
で、近日公開となる3部作ものが「インファナル・アフェア? 終極無間」。以前、本コラムでも紹介した(#19、#53参照)香港映画の完結編だ。
1作目を作っている最中に、3部作にしようという話が持ち上がったという「インファナル」は、ブラックな領域に足を踏み入れてしまった主人公を軸に、時に熱く、時に静かに人間ドラマが展開することから、香港版「ゴッドファーザー」と言われている。
作りも多少似ている。それぞれパート2として作られた作品では、パート1より前の時代設定が盛り込まれている。パート3はパート1のその後を描いている。
そして、伊藤P的に一番問題となる共通項は、パート3が前2作を越えていない点。
「ゴッドファーザー」は1も2も大好きだった。だからパート3を観た時に普通の映画になっていてガッカリした記憶がある。
「インファナル?」は、楽しみだった反面、似ている要素が多い分“「ゴッドファーザー」再びか!?”的な不安もあり、それが的中してしまった訳ですな。
「ゴッドファーザー」にしろ、「インファナル」にしろ、3作目が駄作というわけではない。1、2を見たときのような高揚感というかワクワク感というか、そういった鳥肌級のパンチがないだけ。
仕方ないんだよね、前2作が良すぎるからさぁ〜。とは言うものの、「インファナル」シリーズが映画界にもたらした功績は大きいと思う。かなりクオリティーの高い作品ということで、しばらく元気がないと言われた香港映画界に一石投じ、1作目はスコセッシ監督でリメイクも決まり、世界にもアピールした。
そんなエポックなシリーズな訳でして、1、2作を見ている人は行く末を必ず見届けてください。内容云々ではなく、義務です。
そして、何も見ていない人は、最低でも1作目の「無間道」を必ず見てから、行ってくださいね。でないと訳がわかりません。まぁ、1作目を見たら多分気に入ると思うので、必然的に3本見ることになるでしょう!
あっ、そんなこんなで本コラム3年目に突入しました。阪神が優勝した年にスタートしたので、次に阪神が優勝する年まで続けたいですな。何年後だろう。。。 |