今年の3月は凄い!何が凄いって、アジアを代表する3人のアクション・スターの新作が同じ月に公開されるのですよ!!未だかつてこんな目出度いことがあっただろうか!?
まず、先陣を切るのはサモハン・キン・ポー改め、サモハン主演の「SPL/狼よ静かに死ね」。最近の若い人はサモハンって聞いても「誰?」って感じでしょう。
でも我々の世代にとっては超有名人だ。伊藤Pが学生時代に組んだバンドのドラマーN君(日大出身)は、顔が似ているという理由で“サモハン”と呼ばれていた。そう、あだ名になってしまうぐらい、凄い人なのである。
えっ?良く判らないって?
では簡単に説明すると、ジャッキーの先輩であり同士でもある香港映画界の重鎮だ。
伊藤Pが映画の道へ進むきっかけを作った運命の作品「五福星」(#44参照)、ジャッキーの超ウルトラ名作「プロジェクトA」、そして、ジャッキー、ユンピョウ揃い踏みの「スパルタンX」などに出演。
その体格からドラゴンならぬ、デブゴンと呼ばれていたんですけど、ジャッキー全盛期に欠かせない存在だったんですよ。水島裕(※1)といえば、「連想ゲーム」でもルーク・スカイウォーカーでもなくサモハンなのです!
近年は、渡米し「LA大捜査線/マーシャル・ロー」というテレビシリーズでお茶の間の人気者になる傍ら、武術指導や客演でジャッキー作品に関わるなどの活躍を見せていたが、主演作の日本公開となると久しぶりだ。一体なに以来だ?
さて、その「SPL/狼よ静かに死ね」ですが、サモハンはマフィアのボスを演じ、初の悪役に挑んでおります。愛嬌のあるコミカルな役しか見たことがなかったので、これは新鮮だ。勿論、サモハンのアクションも健在。サモハンのアクションの醍醐味は、その巨体から繰り出す重たくて強烈な後ろ回し蹴り。今回、久しぶりにその蹴りを見て「おぉぉ!!!これだよ!これ!!」って、それこそドスンってきましたよ。
共演は香港アクション映画界の功労者ドニー・イェン。ドニーは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱」、「HERO」でジェット・リー(リー・リン・チェイ)と、「シャンハイ・ナイト」ではジャッキー・チェンと対決したというプロレス界でいうところの天龍(※2)みたいな人。
そして、サモハンも本作で遂にドニーとあいまみえる。柔術を取り入れたアクション対決は、斬新ながらも往年の香港アクションを彷彿させ、正に「これが見たかった!」の本物のアクションだ!
で!ですね!!このガチンコ対決を見るだけでも一見の価値ありの「SPL/狼よ静かに死ね」を引っさげて、サモハンが来日!!
配給会社に(伊藤Pではなく、弊社の配給担当者が)頼み込み、単独取材をゲット!!!
やった!やった!!やった!!!!
小学生の頃スクリーンで、TVで憧れた伊藤P永遠のスターの一人に会える!20年前には、こんなこと夢にも思っていませんよ。本当に、本当に光栄です。
でも、こういう思い入れのある方にインタビューする時、1つの恐怖が付きまとう。
「嫌な奴だったらどうしよう。。。」
そんな危惧を抱きつつ、取材当日を迎える。そして、追い討ちを掛けるかのような情報が舞い込んだ。
「機嫌があまりよろしくない」
どひぃぃぃぃぃ!
伊藤Pの憧れが、伊藤Pの思い入れが、伊藤Pの尊敬の念が、こっぱ微塵に打ち砕かれるかも!?
そんな不安におののく伊藤Pを嘲笑うかのように、取材が押しに押しまくり当初の予定時間を激しく過ぎる。
エレベーター前のエントランスで、早くこんな恐怖心から解放されたいと思いながら待っていると、エレベーターからサモハン様が突然登場。
黄色い派手なアロハを着ているサモハン様。お顔を拝見するに、確かに不機嫌そうだ。。。
心中穏やかじゃない伊藤P。
更なる心配を抱えながら待つことトータル約1時間。
「カミングスーンさん、次どうぞ!」遂にその時が訪れた!
果たして、サモハン様への初インタビューはどうなるのか!?
長くなったので以降、残り2人の新作紹介も含め、次回に続く。。。
※1:水島裕=声優さん。サモハンの吹き替えを担当。ジャッキーの吹き替え担当の石丸博也氏ともども、“この人以外の吹き替えは認めない”的存在。NHKの「連想ゲーム」では中井貴恵(弟は中井貴一)とバトルを繰り広げていた。
※2:天龍=プロレスラー。馬場さんと猪木からピンフォールを奪った唯一の人物。故ジャンボ鶴田、故橋本真也、高田延彦、長州力などあらゆるビッグネームと激戦を繰り広げた。因みに現在56歳で現役です!!!
|