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「GW映画特集 」

#111


 さぁ、待ちに待ったGWですね。今年も凄まじい数の映画がこの時期に公開されます。

 今回はその中からいくつかピックアップしてみたいと思います。



 まずは「グッドナイト&グッドラック」。先のアカデミー賞で台風の目となったジョージ・クルーニー監督作。50年代、赤狩り時代のアメリカ。CBSテレビのニュース番組「シー・イット・ナウ」のキャスター、エド・マローとスタッフがマッカーシーに立ち向かっていく姿を描いた実録社会派ドラマ。

 圧力に屈しないエド・マローたちの生き様、現代のジャーナリズムへの警告といったテーマをモノクロの映像でしっかりと描く。

 で、鑑賞前の注意点。赤狩りとかマッカーシーとか意味が判らない人は、キチンと調べてから見に行ってくださいね。テンポいいから付いて行けなくなりますよ。



 次いで「Vフォー・ヴェンデッタ」。近未来、独裁政治国家となったイギリス。Vと名乗る仮面の男が現れ、恐怖政治に抑制された市民を暴君から解放しようと試みる。そして、Vとひょんなことから関わりを持った女性イヴィー。彼女はやがてVの革命の渦中へと巻き込まれて行く。。。

 ヴィジュアルを見るとアクション映画のように見えますが、Vとイヴィーの心の機微を丹念に描いてたりして、どちらかというと人間ドラマな趣き。そして、「如何にしてファシズムが作られるか」が良く判る映画。

 タイプは全然違いますが、対ファシズムという点では、「グッドナイト&グッドラック」に通ずるものがあります。併せてみると新たな発見があるかも。

 どちらも中々の力作なので是非。



 次はがらりと変わって「トム・ヤム・クン!」。「マッハ!」(#47)に次いでタイから届いたトニー・ジャー主演のアクション映画。今回は悪党に奪われた愛する象を救うべくオーストラリアで大暴れ。「マッハ!」の時ほどの衝撃は無いけど、やっぱりリアル・アクションは気持ち良い。

 4分間にも及ぶ1カットの長回しアクションなど緻密なことに取り組む傍ら、ヘリとか爆発させてもザックリ場面転換してしまう乱暴な編集。この雑多な感じがタイ映画らしい。

 で、この映画の注目点はトニー・ジャーのセリフ。オーストラリアに入国してから彼が発する言葉の99パーセントが、

 「象はどこだぁ〜!!!!!」

 マジでそれしか言いません。


 そんな笑えるトニー・ジャーにインタビューする機会があったのですが、象との共演に関して質問したら、「裏庭の森で象を飼ってるから慣れたもんさ」と返って来た。

 スゲェー!タイでは象をペットととして飼ってるの?しかも裏庭の森で!?映画のアクション以上に驚いちまったよ。

 ついでにタイトルの意味を聞いたら「料理のトムヤムクンは4つの味が楽しめるから」。要はいろいろな要素が入っているということらしい。そんなんわからないちゅーの。



 4本目はイライジャ・ウッド主演の「僕の大事なコレクション」。襟川クロさんは「5点満点中5!」。普段あまり映画を褒めない宣伝担当の方も「傑作だよ」。

 こ、これは見なくては!と試写室へと赴く。

 5点満点の大傑作とは思わなかったけど、心に沁みる良い映画でした。ロードムービーなのですが、ウクライナが舞台で、ウクライナ人とユダヤ系アメリカ人のズレたやり取りがなかなか新鮮。数ある映画に紛れ、陽の目を見ずに埋もれていくには勿体無い作品。丁寧に時間かけて宣伝すればなぁ。。。少しでも人目に触れて欲しいという気持ちを込めてチョイス。

 最後にサクッと。撮らざる巨匠テレンス・マリックの「ニュー・ワールド」。賛否両論あるみたいですが個人的には好き。テレンス・マリックは本当に自然の描写が巧い。あの地へ行って、伊藤Pも風を感じたいと思った。


 以上、大分駆け足でしたが、お薦めGW映画特集でした。

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