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伊藤Pの部屋 P的映画のススメ
[ 裏 伊藤Pの部屋 ]
#155 「『河童のクゥと夏休み』」
■『河童のクゥと夏休み』
大傑作です。
突然現代の東京に蘇った河童のクゥと小学生の少年・康一との交流を通して、日常の喜び、家族、友情、人とのつながりを暖かく描いた感動作。
人生のベスト10なんて選んだことないけど、もしも選ぶのなら人生のベスト10に入れるであろう
映画版『クレヨンしんちゃん』の
『嵐を呼ぶモ−レツ!オトナ帝国の逆襲』(01)、『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』(02)を手がけた
原恵一監督の5年ぶりの新作なのですが、
この2作品同様、泣けます。
伊藤Pも泣きました。
一緒に見た人たちも泣いていました。
宣伝担当の方も4回見て4回号泣したそうな。
泣ける映画....ねぇ...
知人「最近なんか良い映画あった?」
伊藤「『河童』が良かったですよ」
知人「あれ良かったよね!泣けるよねぇ!!」
どうも最近、ここ日本では“泣ける映画”=“良い映画”って風潮が強い。
でも伊藤Pはこの作品が大傑作だと思うのは、別に泣いたからではない。
今の日本映画界に蔓延するお涙頂戴の難病モノや、
主人公をウルトラC級の突然死に追い込み、
強引に泣かせるようなその辺の薄っぺらい「泣ける映画」と一緒にして欲しくない。
『河童…』はもう一歩踏み込んでいる。
今、日本が(一部世界が)抱えている
いじめ、自殺、環境破壊、集団における暴走心理、過熱報道、自然破壊といった社会問題や環境問題を巧みに取り入れている。
って書くと硬い映画と思われてしまうかもしれないけど、全くそんなことはない。
原監督は社会的なメッセージをあまり強調せず、これらの要素は原監督が映画『クレヨンしんちゃん』で描き続けてきた、友情、家族愛、成長といった定番メニューに織り込まれている。
そして、『しんちゃん』がそうであるように、日常を切り取ってみせることによって笑いを生み出し、全体の雰囲気をマイルドにしている。
滑稽な笑いもある。
象徴的に登場する駄目な大人たちのやっていることは、客観的にみるとバカらしくて笑える。
でも、その駄目な大人たちに自分たちはいつでも成りうるし、既に成っている可能性だってある。
“一歩引いた目線でみると、人間って滑稽に見える”という笑いは、山下敦弘監督のスタイルに似ている。
自分を見てみろと。
更に例の“泣ける”なのですが、これも一筋縄ではいかない。
「どこで泣きましたか?」という会話が繰り広げられるぐらい、人によって泣き所が違う。
劇中の大切な人を安易にぶっ殺して泣かすのではない。
例えば、犬を飼ったことのある人に突き刺さるエピソードや、
いじめたり、いじめられたり、あるいはいじめを傍観したことのある人の琴線に触れるようなエピソードなどなど、
人生を歩んでいく過程で人々が経験しうる様々なエピソードを描くことによって、見る者の心に閉ざされていた記憶を鮮明に蘇らせる。
そして、観客は自分の人生経験と照らし合わせ共鳴し、感動へと至る。
だから人によって泣き所が違うし、何度も泣いてしまう。
また、冒頭、結構残酷なシーンがある。
これは原監督も迷ったらしいが、敢えて入れたという。
何故、入れる必要があったのか?
現実社会で繰り広げられている様々な事件について考えてみれば、理解できるはず。
とまぁ、このコラムだけでは語りつくせないぐらい、様々な要素を含んだ作品です。
これだけ欲張って盛り込みながらも大人も子供も楽しめる娯楽作品に仕上がっている。
この匙加減は絶妙です。
その技量にもう脱帽でした。
笑って、泣いて、考えさせられて、しかも見る前よりも良い気持ちになれる。
こんな映画には滅多に出会えません。
大傑作です。
突然現代の東京に蘇った河童のクゥと小学生の少年・康一との交流を通して、日常の喜び、家族、友情、人とのつながりを暖かく描いた感動作。
人生のベスト10なんて選んだことないけど、もしも選ぶのなら人生のベスト10に入れるであろう
映画版『クレヨンしんちゃん』の
『嵐を呼ぶモ−レツ!オトナ帝国の逆襲』(01)、『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』(02)を手がけた
原恵一監督の5年ぶりの新作なのですが、
この2作品同様、泣けます。
伊藤Pも泣きました。
一緒に見た人たちも泣いていました。
宣伝担当の方も4回見て4回号泣したそうな。
泣ける映画....ねぇ...
知人「最近なんか良い映画あった?」
伊藤「『河童』が良かったですよ」
知人「あれ良かったよね!泣けるよねぇ!!」
どうも最近、ここ日本では“泣ける映画”=“良い映画”って風潮が強い。
でも伊藤Pはこの作品が大傑作だと思うのは、別に泣いたからではない。
今の日本映画界に蔓延するお涙頂戴の難病モノや、
主人公をウルトラC級の突然死に追い込み、
強引に泣かせるようなその辺の薄っぺらい「泣ける映画」と一緒にして欲しくない。
『河童…』はもう一歩踏み込んでいる。
今、日本が(一部世界が)抱えている
いじめ、自殺、環境破壊、集団における暴走心理、過熱報道、自然破壊といった社会問題や環境問題を巧みに取り入れている。
って書くと硬い映画と思われてしまうかもしれないけど、全くそんなことはない。
原監督は社会的なメッセージをあまり強調せず、これらの要素は原監督が映画『クレヨンしんちゃん』で描き続けてきた、友情、家族愛、成長といった定番メニューに織り込まれている。
そして、『しんちゃん』がそうであるように、日常を切り取ってみせることによって笑いを生み出し、全体の雰囲気をマイルドにしている。
滑稽な笑いもある。
象徴的に登場する駄目な大人たちのやっていることは、客観的にみるとバカらしくて笑える。
でも、その駄目な大人たちに自分たちはいつでも成りうるし、既に成っている可能性だってある。
“一歩引いた目線でみると、人間って滑稽に見える”という笑いは、山下敦弘監督のスタイルに似ている。
自分を見てみろと。
更に例の“泣ける”なのですが、これも一筋縄ではいかない。
「どこで泣きましたか?」という会話が繰り広げられるぐらい、人によって泣き所が違う。
劇中の大切な人を安易にぶっ殺して泣かすのではない。
例えば、犬を飼ったことのある人に突き刺さるエピソードや、
いじめたり、いじめられたり、あるいはいじめを傍観したことのある人の琴線に触れるようなエピソードなどなど、
人生を歩んでいく過程で人々が経験しうる様々なエピソードを描くことによって、見る者の心に閉ざされていた記憶を鮮明に蘇らせる。
そして、観客は自分の人生経験と照らし合わせ共鳴し、感動へと至る。
だから人によって泣き所が違うし、何度も泣いてしまう。
また、冒頭、結構残酷なシーンがある。
これは原監督も迷ったらしいが、敢えて入れたという。
何故、入れる必要があったのか?
現実社会で繰り広げられている様々な事件について考えてみれば、理解できるはず。
とまぁ、このコラムだけでは語りつくせないぐらい、様々な要素を含んだ作品です。
これだけ欲張って盛り込みながらも大人も子供も楽しめる娯楽作品に仕上がっている。
この匙加減は絶妙です。
その技量にもう脱帽でした。
笑って、泣いて、考えさせられて、しかも見る前よりも良い気持ちになれる。
こんな映画には滅多に出会えません。
※『河童のクゥと夏休み』
伊藤Pが宣伝担当の方にモウレツ!アピールして、原恵一監督のインタビューゲット!是非、読んで欲しいです。
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