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歌声が心に響く「ドリームガールズ」

#139



 以前、本コラム「永遠のモータウン」(#40)という映画を取り上げました。

 自動車産業が盛んな都市、デトロイトで産声を上げた新興レコードレーベル、モータウン。独特のモータウン・サウンドを作り上げたバック・ミュージシャン−“ファンク・ブラザーズ”にスポットを当てた傑作ドキュメンタリー映画でした。


 今度はそのモータウンの内幕を題材にしたミュージカル映画「ドリームガールズ」が公開されます。


 女性3人のグループ “ ドリームズ ” の栄光と挫折、愛と友情、喜びと苦悩を、素晴らしいキャストと、猛烈な歌と、時代を象徴する煌びやかなセットでみせる、絢爛豪華なエンターテイメント作品。


 劇中、モータウンとは明言はしていないのですが、舞台はデトロイトだし、お抱えの作曲家もいる。ドリームズはダイアナ・ロスとシュープリームスだ。ジャクソン5みたいなのも出てくる。そして、何よりも歌が“それ”なのでモータウンだと解る。


  で、その歌がとにかく凄い。


 元デスティニーズ・チャイルドのビヨンセ・ノウルズ(美しいっす。乳と尻すごいっす)。
 「Ray/レイ」でレイ・チャールズになりきりオスカーを受賞。歌手としても成功を収めているジェイミー・フォックス(冒頭の髪型笑えるっす)。
 そして、コメディアンとして一時代を築いたエディ・マーフィ(演技うまかったっす)らが、美声を披露しています。


 そして、歌に関して、頭1つ抜きん出ているのが、ドリームズのメンバーを演じた、新人ジェニファー・ハドソン(二の腕太いっす)。


 いやー、びっくり仰天!アレサ・フランクリンを髣髴とさせる抜群の歌唱力ですね。パワフルで躍動的で、激しい。魂の叫びに感動しました。

 歌手として飯食ってけるよ。
 ソロアルバム出してよ。買うから。


 さて、伊藤Pは基本的にミュージカル映画ってのが苦手です(コラム#109参照)が、「ドリームガールズ」はかなり燃えましたね。

 昔からモータウンは好きだったので、もう歌を聴いてるだけで幸せでした。
 あっ、勿論、モータウンだなんだって知らなくても、充分に楽しめる作品ですよ。


 で、この作品、ゴールデングローブ賞のミュージカル/コメディ部門作品賞を受賞しています。しかしながら、アカデミー賞では作品賞を含め、主要4部門完全無視。

 でも助演男優賞、助演女優賞、美術、衣装、録音、主題歌(3曲)と、最多の8賞ノミネートされている。


  昔からアカデミー賞は保守的と言われてきた。事実、昨年も大本命だった同性愛をテーマにした「ブロークバック・マウンテン」が受賞を逃したり、アジア人に冷たかったり。

 黒人に対しては、近年ややオープンなスタンスを取りつつあったけど、「ドリームガールズ」は出演者のほとんどが黒人。

 ちゅうことで、ここまで黒人色の強い映画はまだまだアカンということだったのでは?と、勝手に思ってしまう今日この頃。



 ※本コラムを執筆中に、ファンク・ブラザーズのピアニスト、ジョー・ハンターの訃報を知る。
 2月2日、享年79歳。ご冥福をお祈りいたします。



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